パナソニックチャイナ(有)と松下電器産業株式会社は、「松下グループ・中国環境フォーラム2007」を、9月26日に中国・北京市内の中国大飯店で中国日本友好協会と共同開催し、中国において環境貢献企業を目指す「中国環境貢献企業宣言」を発信しました。今後、(1)高い環境性能を有する製品づくり、(2)製造事業場における環境負荷低減、(3)従業員の環境意識の向上とエコ活動の展開、という3つの軸で、現地に即した環境保全活動にグループを挙げて取り組みます。
近年、環境・資源問題が世界的に深刻化していますが、特に当社の中期計画「GP3計画」達成において最重要地域の一つである中国では、政府が「第11次五ヵ年計画」に環境目標を盛り込むなど環境保全活動が強化されています。こうした中、当社でも中国での事業活動推進と並行して環境活動を一層強化していくことが重点課題であると考え、2007年4月から2010年3月までの三ヵ年にわたる「中国エコプロジェクト」をスタートさせました。今回の「中国環境貢献企業宣言」【別紙1】は「中国エコプロジェクト」での活動計画や目標を示したもので、概要は以下です。
(1) | 製品面では、2007年4月以降に中国で発売する全ての新製品が、当社の定めるグリーンプロダクツとなるように開発を進め、同時に、対象となる全品目の新製品で、中国の環境ラベルを取得する。 |
(2) | モノづくりでは、エネルギー消費量や水使用量など中国の「第11次五ヵ年計画」の主要な環境指標と2010年の達成目標を、その指標が意図する内容と同等の企業内指標に置き換え、2009年度(2009年4月〜2010年3月)中にその目標レベルを全て達成し、同時に、全製造事業場で公的環境認証を取得する。 |
(3) | 全ての中国の松下グループ会社で、従業員による環境活動を展開する。従業員による「エコ行動宣言」や、日中合同「CO2削減10万人エコチャレンジ!」の実施【別紙2】など、様々な“エコ行動”を実践する。 |
「松下グループ・中国環境フォーラム2007」には、中国政府幹部、学会の環境関係者や諸機関の有識者など約250人にご出席いただきました。また席上、当社と世界自然保護基金(WWF)、韓国海洋研究院(KORDI)との間で、「黄海エコリージョン支援プロジェクト」の共同宣言書に調印いたしました。【別紙3】
【お問い合わせ先】
松下電器産業株式会社 コーポレートコミュニケーション本部 広報グループ TEL:(大阪)06-6908-0447、(東京)03-3436-2621 パナソニック チャイナ(有) 経営企画部 広報課 TEL:(北京)+86(10)65626233
【別紙1】
■「中国環境貢献企業宣言」の要旨
1.全ての製品をグリーンプロダクツにします。
※1 | グリーンプロダクツ:当社独自の基準により、地球温暖化防止、資源有効利用、化学物質管理の3項目で環境配慮を実現した製品 |
※2 | 当社対象品目:テレビ、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、DVDレコーダ、炊飯器、複合機、ホームシアターシステム、プロジェクタ、ランプ、安定器、ファクス、ドットプリンタ |
※3 | 取得に取り組む環境ラベルは、十環ラベル、節ラベル、環保ラベルの3種 |
2.全ての工場をクリーンファクトリーにします。
(参考)中国第11次五ヵ年計画 (2005年比2010年目標) |
松下グループ 中国環境目標 (2005年度(※6)比2009年度(※7)目標) |
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エネルギー | エネルギー消費量(GDP原単位) 20%削減 |
CO2排出量(生産高原単位) 20%削減 |
廃棄物 | 工業固体廃棄物総合利用率 60%以上 |
リサイクル率 90%以上 |
化学物質 | 主要汚染物質総排出量 10%削減 |
重点削減物質(368種)排出・移動量 10%削減 |
水使用 | 水使用量(工業生産原単位) 30%削減 |
水使用量(生産高原単位) 30%削減 |
当社取り組みは、エネルギー消費量や水使用量など中国の「第11次五ヵ年計画」(2006-2010年)の主要な環境指標と2010年の達成目標を、その指標が意図する内容と同等の企業内指標に置き換え、2009年度(2009年4月〜2010年3月)中にその目標レベルを全て達成するものです。同時に、全製造事業場で清潔生産審査(※4)に合格し、12社が国家、省・直轄市の環境友好企業(※5)となることを目指します。
※4 | 清潔生産審査:工場の環境負荷を削減するため中国政府が定めた工場審査制度 |
※5 | 環境友好企業:中国政府が実施する、環境保全活動全体において業界トップレベルにある企業への表彰制度。国家、省・直轄市、市の3レベルに分かれる |
※6 | 2005年度:2005年4月〜2006年3月 |
※7 | 2009年度:2009年4月〜2010年3月 |
3.全ての中国の松下グループ会社で、従業員による環境活動を展開します。
【別紙2】
■日中合同「CO2削減10万人エコチャレンジ!」に13万人の従業員が参加
松下電器産業株式会社と日本・中国の松下グループ関係会社は、従業員の環境意識向上を目的に、日中合同「CO2削減10万人エコチャレンジ!」を実施しました。
当社は1998年より、企業人であると同時に一人の家庭人、社会人として環境に配慮できる市民であることを目指すとの目的で、日本国内の従業員とその家族を対象にした「地球を愛する市民活動(Love the Earth=LE)」を開始し、さまざまな活動に取り組んできました。今年はLE10周年であることを受け、これまで日本のみが対象範囲だったLE活動を中国へも拡大し、7月に「CO2削減10万人エコチャレンジ!」を実施、日本と中国の13万人の従業員が、一週間CO2削減に取り組みました。これによるCO2削減効果は約180トンと推定されます。
■結果概要
日中参加者合計:13万人
推定効果:約180トンのCO2排出量を削減(約1.3万本の杉の木年間CO2吸収量に相当)※2
中国 | 日本 | |
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参加者人数 | 6万7,336人 | 6万2,664人 |
推定CO2削減量効果 | 約112トン(※1) | 約68トン (内、約49トンが普段からの実施分) |
CO2削減アクション | ・主電源オフ ・冷房設定温度を26℃以上に ・人のいない部屋の照明オフ (3項目必須実施) |
・主電源オフ ・エコバッグ持参 ・ノーマイカーデー (など全8項目、自由選択実施) |
調査方法 | 事前実施宣言者数を参加者数とみなし、476名分の事後アンケート結果からCO2削減効果を推定。 | イントラネットによる事後アンケート回答数で参加者数をカウントし、CO2削減効果を推定。 |
実施期間 | 7月の1週間 | 7月9日〜7月15日 |
集計期間 | 7月〜9月11日 | 7月17日〜8月28日 |
※1 中国での電力のCO2排出係数は日本の約1.9倍 | |
※2 参考資料: | 「地球温暖化防止のための緑の吸収源対策」環境省、林野庁。50年生の人工杉の年間CO2吸収量は14kg-CO2 |
日本において、今回の感想を調査したところ、参加者の約7割が「今後も省エネルギー活動を継続したい」と回答しました。従来、LE活動で推進してきた環境家計簿やレジ袋削減、環境ボランティアなどの活動と併せ、従業員とその家族によるエコライフ実践のさらなる定着と拡大を図っていきます。また、中国では「中国環境貢献企業宣言」にもあるとおり、積極的なエコライフの実践活動(LE活動)を進めて参ります。このような取り組みを通じて、当社は事業ビジョンである「地球環境との共存」を目指し、環境分野の人材育成に取り組んで参ります。
【別紙3】
■「黄海エコリージョン支援プロジェクト」の要旨
松下電器産業株式会社と世界自然保護基金(WWF)、および韓国海洋研究院(KORDI)は、2007年9月26日に、中国・北京市内の中国大飯店で、黄海の海洋生態系の保全を目指す「黄海エコリージョン支援プロジェクト」の共同宣言書調印式を挙行し、WWFインターナショナル、WWFジャパン、WWF中国、KORDI、松下電器産業(株)、パナソニックチャイナ(有)の代表が共同宣言書に調印しました。
調印式には、松下電器産業(株)コーポレートコミュニケーション部門の鍛治舍巧役員や、WWFインターナショナルのクリス・ヘイル ネットワーク関係ディレクター、WWFジャパンの樋口隆昌事務局長らが参加しました。
「黄海エコリージョン支援プロジェクト」は、黄海、渤海および東シナ海の一部を含めた約46万平方キロの海域を「黄海エコリージョン」とし、海洋生態系と沿岸に住む人々の暮らしの豊かな未来を目指すプロジェクトです。当社は、環境経営を推進する中で、自然保護や生物多様性に関する取り組みをさらに充実させる必要があると考えており、自然保護団体として、世界的に最も信頼できるNGOの一つであるWWFから本プロジェクトへの参画を提案いただいたのを機に、今回の支援を決定しました。
当社はWWFのコーポレートサポーターとして資金的支援(約1.7億円)を、WWFは自然保護活動に関するノウハウの提供などの技術的支援を、7年にわたり協力していきます。また中国においては、WWF中国と中国国家海洋局が協働する形でプロジェクトが進められることになります。韓国においては、KORDIが主要な推進主体となります。
「黄海エコリージョン支援プロジェクト」の展開
- 第1ステージ(2007年8月〜2010年3月)
活動資金の助成を通し、当地では小規模の宣伝と保護活動を展開、スタッフに経験や情報を交換する学びの機会の提供を行う
- 第2ステージ(2010年1月〜2013年3月)
中国・韓国でそれぞれ1カ所ずつモデル地区を設けて、国際基準の生息地管理手法を利用しつつ、地域の特性に合った保全の取り組みを、地域社会と協働で行う
- 第3ステージ(2013年4月〜2014年9月)
第1ステージの助成事業による事例と、第2ステージのモデル地区の成果事例をまとめ、中国・韓国をはじめ、世界に“アジアの里海共生モデル”を発信し、より広い地域で同様の取り組みの展開を呼びかける
本プロジェクトについては、すでに9月7日から、第1ステージにおける資金面の助成と情報面の支援を行う団体の公募を開始しています。