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2016年6月24日
製品・サービス / プレスリリース
商業用印刷機などの冷却システムの省スペース化、省メンテナンス化を実現
業界初、水を一切使用しない熱電方式を採用
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、熱電変換デバイス[1]搭載の「熱電方式冷却ローラー[2]」を製品化、2016年7月から量産を開始します。業界初※1の水を一切使用しない熱電式の冷却ローラーで、水を循環させる配管が不要で冷却システム[3]自体のコンパクト化を実現します。熱電方式のため、水の定期交換や清掃が不要となりメンテナンスにかかる時間と費用の低減を実現します。
商業用印刷機では、両面印刷時の表面印刷後、裏面印刷を行うために、加熱乾燥した用紙を冷却する必要があり、一般に水冷式冷却ローラーが使用されています。水冷式では水の定期交換時の汚水処理、配管引き回しなど設置スペースが必要となるほか、水漏れの恐れもあります。今回、単位面積当りの密度を高めた熱電変換素子をローラー内に内蔵することで、優れた冷却性能と熱応答性を実現し、従来の水冷式に対して水を一切使用しない熱電方式の冷却ローラーを製品化しました。
商業用印刷機だけでなく、ローラーで温度を管理する工程が必要な温調ローラー搬送設備、工作機械へ利用でき、食品加工機器、ゴム加工機器や、医療関連機器の超精密温調ユニットなどへの展開が可能です。
一般に商業用印刷機において紙を冷やす方式には水冷式が採用されており、冷媒である水を冷却チラーで循環し、冷却を行っています。この場合、数本のローラー使用する際に配管スペースなどが必要という課題がありました。今回、高い冷却性能を実現できる当社独自の精密加工技術により単位面積当りの密度を高めた熱電変換素子を開発、優れた冷却能力と冷却応答性を実現することで、業界初の水を一切使用しない熱電式の冷却ローラーを製品化しました。これにより水冷式で必要な複数の配線や冷却チラーが不要で、設置スペースを低減、冷却システムのコンパクト化を実現、商業用印刷機などの設置場所の自由度向上に貢献します。
本製品は、高い冷却性能を実現できる当社独自の精密加工技術により熱電変換素子の高密度化を達成、空気を冷媒とした冷却システムを実現しています。水冷式で課題だった水漏れによる印刷機内部の故障、水の定期交換、冷却システム内の清掃などが不要で、メンテナンスにかかる時間と費用の大幅な削減に貢献します。
水冷式では、冷却設備の立上げ時、30分程度の冷気時間が必要でした。本製品は、当社独自の熱電変換デバイスをヒートシンクと冷却板で挟みこむ構造を採用、結露がなく瞬時の冷却が可能で設備立上時の時間を短縮します。また独自の熱解析による放熱部材(ヒートシンクと冷却板)設計により、冷却駆動時のローラー表面の温度ムラを抑制することで印刷品質を向上します。
項目 | 内容 | |
---|---|---|
1 | 冷却方式 | 熱電方式(別途、放熱ブロア必要) |
2 | 冷却領域 | ローラー直径150mm×冷却幅300mm |
3 | 外形寸法(最大寸法) | 直径200mm×長さ550mm |
4 | 重量 | 約 13kg |
5 | 冷却性能 | MAX 400W/ローラー1本(紙送り速度75m/分) |
6 | 消費電力 | MAX 450W(放熱ブロア含まず) |
7 | 給電方法 | スリップリングにてDC60V(MAX)印加 |
以上
記事の内容は発表時のものです。
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