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2016年3月18日
製品・サービス / プレスリリース
センサパッケージの高性能化、小型薄型化を実現、機器のデザイン性向上に貢献
サファイアガラスの代替が可能な封止材でパッケージ構造の設計自由度を向上
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、モバイル端末などに搭載される指紋認証センサ[1]用パッケージなどに適した高誘電率を実現した封止材を製品化、2016年4月から本格量産を開始します。指紋認証センサパッケージなどの高性能化、小型薄型化に貢献します。
スマートフォンなどのモバイル端末に搭載される指紋認証機能は、今後も搭載機種の増加が見込まれています。このような中、現行の静電容量方式の指紋認証センサパッケージの指紋接触部には高誘電率のサファイアガラスが採用されていますが、センサパッケージの小型薄型化が難しく、製造プロセスが複雑などの課題がありました。当社では、サファイアガラスからの代替可能な高誘電率封止材を製品化しました。本材料により、センサパッケージの高性能化と小型薄型化に貢献します。
指紋認証センサパッケージ、指紋認証センサデバイスなど
指紋認証センサの高感度化のために、指紋の接触部分にサファイアガラスが採用される場合が多いですが、構成部品が複雑なため、さらなる小型薄型化に対しては課題があります。一方、構成部品を単純化でき、小型薄型化が可能な封止材では感度の均一性の面で課題がありました。当社では、新規フィラー高充填技術の開発により均一な高誘電率特性の実現および樹脂封止による薄型化で、サファイアガラスに匹敵する高感度化を実現しました。本材料はセンサパッケージを一括封止することができ、サファイアガラスに比べ同等から2倍の高感度化を実現、センサパッケージの小型薄型化と低コスト化が図れ、モバイル端末以外の用途拡大が見込まれます。
センサパッケージに使用する封止材には、二次実装信頼性、および封止プロセス内での作業性確保のための低反り性と、小さく薄いセンサパッケージ内部、特にICチップ上の狭い部分を確実に封止できる充填性が要求されています。当社では、フィラー高充填技術および樹脂設計技術の開発により、高い充填性と優れた低反り性を実現、センサパッケージに適した封止材を製品化しました。センサパッケージの一括封止を容易に行え、構成部品もシンプルで搭載機器のデザイン性向上に貢献します。
サファイアガラスを使用する場合、薄型化を進めると耐衝撃強度が低下し欠けやすいという取扱い面や製造プロセス、およびコストにおいて課題があります。また、さらなる高誘電率化のため樹脂化への要望があります。本材料は、指紋認証センサの高感度化、小型薄型化を達成するために要求される高い比誘電率と高い充填性、優れた低反り性を満足させることで、封止材でありながらサファイアガラスからの代替を可能にし、製造プロセスの簡素化に貢献できます。
項目 | 単位 | CV8770 シリーズ | CV8730 シリーズ | X87-HUE シリーズ |
---|---|---|---|---|
フィラーカットポイント | μm | 32 / 20 | 32 / 20 | 32 / 20 |
色 | - | 黒 | 灰色 | 灰色 |
スパイラルフロー | Cm | 135 | 160 | 150 |
ゲルタイム | Sec | 40 | 70 | 60 |
曲げ強度(25℃/260℃) | MPa | 140 / 15 | 145 / 15 | 135 / 15 |
曲げ弾性率(25℃/260℃) | GPa | 30 / 0.7 | 31 / 0.5 | 17 / 0.4 |
ガラス転移温度 Tg | ℃ | 175 | 163 | 161 |
線膨張係数 C.T.E.1/2 | ppm/℃ | 14 / 45 | 13 / 50 | 21 / 75 |
成形収縮率 | % | 0.32 | 0.45 | 0.43 |
比誘電率(1MHz) | - | 7 | 9 | 20 |
以上
記事の内容は発表時のものです。
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