商品開発プロセスを変革し、本質価値をスピーディーに生み出す: 仁井 雄介さん

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社は、2021年10月から、商品開発のプロセスを「ウォーターフォール型」から「プロジェクト型」へと変革し、お客様が求める本質価値をスピーディーに開発する「マイクロエンタープライズ（ME）制」に取り組んでいます。

私の役割は炊飯器MEのリーダーで、中長期での事業成長を目指し、さまざまな職能が入り交じるプロジェクト型チームを率いています。お客様が炊飯器に求める本質価値を突き詰め、私たちが削り出した答えは「手軽に、おいしく、ごはんが炊けること」。その価値を実現する要素技術の開発にチャレンジし、全く新しい「炊き技」を確立しました。ME発の新技術を量産設計に織り込み、2025年をめどに商品化する予定です。

ME制の利点は、リーダーとメンバーの関係性がフラットでコミュニケーションの質やスピードが上がる、風通しの良さです。自分たちの弱点に気付かせてくれる他のMEリーダーの「外からの目」も非常に役立ちます。このME制で培ったノウハウを事業部に持ち帰り、7月から、さまざまな要素技術を先行開発する新組織の責任者に就きました。技術部門の全ての職能が入り交じるプロジェクト型チームを率いて、要素技術の試作段階から「技術のダム化」を進め、1、2年でスピーディーに商品化につなげていきます。

座右の銘は「Do the right thing」。PLPでぴったり合うのが「Builds Trust」です。業務を進める上で、人のつながりやコミュニケーション、信頼関係構築が全てのベースとなります。その上で「Ownership」と「Evolution」。経営者の気持ちで仕事をしたり、自身を変革したりする姿勢は、リーダーや組織責任者に欠かせません。それらを基盤に「Drives Vision」しながら「Customer Focus」し、お客様が求める本質価値を考える。それを「Strategic Thinking and Behavior」でロードマップに落とし込み、「Best Work Processes」で実行する。これらをチームで実行するときに大事なのが「Harmonizes Wisdom」や「Welcome Uniqueness and Differences」「People First」「Drives Results」の考え方です。この順番で捉えると、PLPは商品開発や価値創造のプロセスそのものだと腹落ちしました。

技術の裏付けを持って炊飯器の本質価値を語るために、要素技術をしっかり仕込んでいきたいと思います。おいしい料理を囲む家族の食卓には笑顔があふれていますよね。そういう生活シーンで調理器は「幸せの、チカラに。」なれる、それが技術者としての私のやりがいであり、価値を生み出す思いの源泉です。人やチームづくりを行い、みんなで一丸となってパナソニックの熱狂的なファンをつくる商品をどんどん生み出していきたいですね。