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2022年11月29日

達成不可能と思えるほどの高い目標を目指す・・・競争力強化のトップスピードへ

皆さん、今週もお疲れ様です。

多くの事業部の活動の中で、KPIの活用も進んでおり、この時期になるとその進捗の報告を伺うことも多くなってきました。

が、私の説明不足に起因するところもあるのですが、残念ながら導入したKPIをうまく活用できていないケースが散見されます。

目標とする利益や営業CF、あるいは市場シェア(=KGI、結果指標)を達成するために、何の改善に取り組むのか、さらには一人ひとりの活動にまで紐付ける。それを定量的な指標で示すことで、一人ひとりが達成すべきことが明確になり、さらに事業の一翼を担っている実感も持っていただく。

例えば、電池の事業で厳しい競争に勝つために、容量単価$/KWhという結果指標をいつまでにいくらにしないといけない。そのために、設備価格、生産準備工数、可動率、生産LT等の様々な指標はこのくらいのレベルにならないといけない。そのためにはうちの課はこういう目標を置かないといけない、一人ひとりはこういうところまでやらないといけない・・・というようにKPIを活用していただこうという意図でした。

ここで大事なことには「絶対に勝つためには」というところです。

ところで、事業計画の販売と営業利益の目標というのは、資本市場に開示することもあり、非現実的と思われるような数字は置きません。むしろ皆さん多少はチャレンジングでも達成可能と思われる範囲の数字を置かれる。その数字とKPIの目標を紐付けてしまうと、KPIの目標としては非常に低い目標になる。にも関わらず、その目標をクリアすると達成した気になる。

これでは、競争力強化も何もあったものではありません。
つまり、こういうやり方は、私が意図したKPIの活用にはなっていないということです。

「誰にも負けない立派な仕事」というのは、「競合に勝つ」という結果が出ていなければ、全くもって立派でも何でもなく、「ただちに改革」を進めなければなりません。

例えば、「誰にも負けない$/KWhを達成するには、今はすぐには出来ないが、設備価格は半減、生産準備工数は10分の1、可動率は限りなく100%に近づける、不良率は10分の1にする・・・少なくとも3年後にはそれくらいでなくては勝てないはず。まず、その目途を立てるには・・・」というような考え方をする。その上で、絶対に3年後にこれを達成するには、日々どんどん進化しないととても間に合わない。そこに至るシナリオ、あるべき姿を熟考して、どんどんボトルネックを潰して1日でも早くそこに辿りつく。

そして、努力が実ってそれが2年で達成できたならば、そのことを喜び合うと同時に、「これで今は誰にも負けない状態にはなったが、競合も相当頑張っているからすぐに追いつかれるのは目に見えている。しかし、2年でできたのだから、まだまだやれることがあるはず。今度は・・・」と、また意欲的な挑戦目標を立ててチャレンジを続ける。

このようなチャレンジを続けない限り、厳しい競争の中で勝ち続けることはできないし、事業の存続は危ういのです。

自分目線の目標ではなく、達成不可能なほどの高い目標を目指し、継続的な改善を回す。競争力強化がトップスピードになるための条件です。

ここもまた、30年間停滞している当社グループと、成長を続けたトヨタさんとの違いであると考えます。

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