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2022年7月4日

くらしアプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 静岡工場を再訪しました

写真①

皆さん、お疲れ様です。

6月28日に洗濯機の静岡工場を再訪しました。

国内だけでも訪問できていない拠点がまだまだ多い中で、昨年10月末の訪問から半年で再訪したのは、くらしアプライアンス社の中で静岡工場がオペレーション力強化の取り組みのパイロット拠点であり、事業部長の藤本さんから「ドラム洗の新ラインも稼働し始め、大部屋活動も開始したのでもう一度来てください」との要請があったからです。

昼過ぎに工場に着いて、まず聞かせてもらったのは若手の皆さんの「やらまいか活動」についてです(「やらまいか」は静岡県西部の方言で「やってやろうじゃないか」の意)。前回訪問時には工程のDXの取り組み成果を伺いましたが、2021年度は「魅力的な工場を目指す」という観点から、職場環境の改善に取り組まれ、会議室(写真①)、休憩室、工場の入り口、トイレ等のリニューアルを実現したとのこと。若い皆さんの提案を受けて藤本さんや分社社長の松下さんが相応の投資判断をされたわけですが、幹部は何かの節目でもなければ収支を気にしてなかなかこういうことに着手しません。そういう意味でも若手の皆さんが「やらまいか活動」の一環としてしっかり提案されたことが、松下さんと藤本さんの判断に繋がり、工場の皆さんが気持ちよく仕事できるようになったわけですから大変有難いことです。

さて、その後、前回からの変化点を中心に工程や大部屋活動(写真②)を見せていただき、プレス・成型・SUS・組立工程のそれぞれの改善取り組みや、WIPボードの活用の状況を詳しく聞かせてもらいました。また、新たに稼働しだしたドラム洗新ラインについても既存ラインからの大きな進化と、ITを活用したデータによる工程管理の進化についても詳しく説明をいただきました。

感心したこと一つ一つを取り上げると非常に長くなるのでここでは割愛しますが、一言で言えば、たった半年で、各工程で大きな改善をしていることはもちろん、「カイゼン」のサイクルが回りだしているということを実感しました。正味率に着目し、ムダと滞留を見つけながらカイゼンを重ねる。あるいは、理論タクトに近づけてゆく・・・こういう活動が定着しつつあることは大変頼もしく思いました。また、組立工程のWIPボードの活用においても静岡工場独自に工夫を重ねて、請負の方が感じた課題をどんどん言ってもらいやすくして迅速に解決する、まさに魂の入った運用でコミュニケーションを活性化されています(写真③)。

感心することしきりで、期待どおりの進化を遂げていただいていることは大変嬉しかったのですが、同時に「まだまだやれることがある」とも感じました。

それは、今は、高い目標に向かって進んでいるものの、それは現状ありきの生産台数やタクトタイムの目標に近づくというアプローチであるからです。

例えば、ある工程の一つの作業が、ワークが目の前に来ると、部品を手に取り、それを目視で検査・確認し、その上でワークの所定の箇所に置き、ドライバーを手に取って、部品を組み付ける・・・という作業があったとします。その中で、正味付加価値を生んでいる作業は、「部品を組み付ける」という作業だけです。部品品質を担保できれば、この作業手順の中で、「部品を目視で検査・確認する」という作業を無くすことができ、標準作業のタクトタイム自体を短くできます。また、部品を手に取るという作業も、部品の置き方を変えればもっと早くできるかもしれません。このように、現状の手順そのものも、正味率という観点に立って徹底的に見直せば、まだまだ良くなる余地があるはずです。

WIPボードの活用とて、現在の標準作業をする上での課題を出すだけではなく、正味付加価値を生んでいない作業や動作を徹底して見直す視点で課題を出し合い、カイゼンのサイクルを一層加速することを期待するのです。

その結果として、ラインのキャパが目標を大きく上回るということになれば、1日の稼働時間の8割くらいで目標台数を生産できるようになるかもしれません。しかし、そうなったからと言って市場からの要望を超える生産は絶対やってはいけません。理想のオペレーションは、流通に対して欠品も過剰在庫も生じさせない状態を継続することです。そうすれば在庫処分費用のような損も出にくくなり、流通にも最終のお客様にも迷惑をかけないオペレーションになります。完成品の流通在庫と、私たちが使う部材のいずれについても欠品も過剰在庫も発生させないオペレーションは、いわば共存共栄のオペレーションであると言えます。

そして、生産効率を極限まで高めた結果として時間が余るならば、更なるカイゼンの機会が生まれます。そういう活動を継続していれば、静岡工場は限りなく良くなってゆくと思うのです。

3回目の訪問が楽しみです。

写真②

写真③

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