楠見から皆さんへ 私が気づいた事や皆さんにお伝えしたいことをYammerに書き込んでゆきます。特に全社員の皆さんにお読み頂きたい内容についてはこちらにも転載しますので、ぜひお読みください。Yammerを通じて皆さんと積極的なコミュニケーションを取りたいと思っていますので、可能な方はぜひご参加ください。

2023年7月21日

中国での感心と2つの感動(7/3-7,中国訪問)

皆さん、お疲れ様です。

先月に続いて今月も7/3~7/7に中国の各拠点を訪問しました。

7/3(月)パナソニックソフトウェア開発センター大連(PSDCD)
7/4(火)大連プライムプラネットエナジー(PPEDL):角形車載電池
パナソニックオートモーティブシステムズ中国/大連(PASCN/PASDL):車載機器  
7/5(水)パナソニックエナジー無錫(PECW):リチウムイオン電池(円筒・角形・パック)
パナソニックエナジー蘇州(PECSZ):リチウムイオン電池(円筒・パウチ)、パック
7/6(木)上海松江工場3社
パナソニックマニュファクチャリング上海(PMFSH):マッサージチェア、電動工具
パナソニックパワーツール上海(PPTSH):電動工具
パナソニックES情報機器上海(PESIESH):配線機器等
松下住空間旗艦店訪問 上海荣欢浦東店
7/7(金) 万科・天空之城、松下狭小住宅 見学

PSDCDと各製造拠点については、電動工具・配線機器を除けばいずれも私が担当していた時期がある拠点で、今回の訪問は2回目もしくは3回目になります。しかし、さすがに進化のスピードの速い中国にあっては、4年ぶり以上の訪問ともなると、いずれの拠点も大きく進化させてくれていました。

PECWとPECSZは、2018/1に旧AP社から旧AIS社に異動した直後の3ヶ月間だけ、当時の二次電池事業部の事業部長として担当していましたが、その時から活躍してくれていた方々が総経理として各拠点の改革を進めてくれていることに感慨深いものがありました。また、3ヶ月だけの担当だったにも関わらず最初に「楠見さん、おかえりなさい」と迎えてくれたことには、目頭が熱くなりました。

さて、それぞれの拠点の取り組み、感心したポイントを書き出すとキリがないので、共通して感心したポイントと、特に感動したポイント2点を共有します。

共通して感心:「競争力強化」の要諦
自分たちの競争力を強化する上で、常に競合を睨んでいるということ。競合に勝っているのか負けているのか、競合をつぶさにベンチマークし、そこから創意工夫を重ねてそれより上に行くことを目指している。これは、先月投稿した「チャイナコストは、もはやグローバル標準コスト」でも記したように、当たり前といえば当たり前の進め方。しかし、皆さんの周りに「前年の商品からこれだけ良くなりました」というような議論に基づいて新商品の検討や企画をやっているケースはありませんか?そういう甘い考えからきちんと決別してくれたことは有難いと思った次第。

また、設備を導入する上でも中国だからこその規模による価格競争力があり、かつ高品質の設備メーカーを丹念に探し、積極的に採用しています。例えば、PASDLが導入した設備は欧州のあるプレミアムカーメーカから紹介された設備メーカーのもの。

少し脱線しますがそのプレミアムカーメーカーでは、クルマが高く売れるから設備が多少高くても構わないなどという甘えは一切ありません。金をかけるところにはかける、かけないところには徹底してかけない。それでいて部品メーカーの適正利益にはしっかり気を配るという、私たちで言えば「共存共栄」の考え方を持っておられる。その中で、車載充電器で苦労している我々にその設備メーカーを紹介してもらった経緯がありました。

いずれにしても、競争の激しい中国で戦うには、本気で勝ちにいかないと生き残れない。その危機感を皆さんが持ってくれているからこそ、変革が加速する。しかし「本気で勝ちにいかないと生き残れない」のは中国市場だけではありません。世界中どこの市場でも、中国で戦える競争力がないと生き残れない。そして、その競争力がないと、私たちが私たちのチカラで社会へのお役立ちを果たすことができない。このことは全員の共通理解にせねばならないと、改めて強く感じました。

感動その1:PPEDLの進化
PPEDLはトヨタ自動車さんとの角形車載電池の合弁(当社はマイノリティ)であるプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)の大連工場です。当社の旧オートモーティブエナジー事業部の大連工場として2017年に発足しました。

それだけの拡大は収益を伴う成長でなければなりませんが、そのためのPPESが勝つための「戦い方4本柱」がここでも徹底されています。すなわち:
・先行開発・設備投資段階における ①開発・生産準備プロセス改革、②設備投資額 大幅削減
・ 量産段階における ③ 強い現場づくり、④ サプライチェーン改革 
「これをやりきらないと勝てない」という危機感から、コロナ禍でPPESとの往来は途絶えている中でも、天津のトヨタ技術センターの指導を仰ぎながら、TPSを徹底して経営全体に浸透させています。

例えば、いつも申し上げている3つの生産性(設備生産性、材料生産性、労働生産性)は、その目標が各工程の小部屋毎にきめ細かく設定され、WIPボードで課題共有されカイゼンが積み上げられていることが一目で見てとれる、まさに魂の入った活動に感銘すら受けました。

結果、例えば、設備価格半減は既に実現、待機時間を3分の1以下まで低減など、様々な大きな成果をあげています。

そして、今は、例えば生産準備工数については「置きポン・・・設備を置いたら、すぐフル生産を目指せ!」という、まぁ、超アナログのモノづくりの電池の生産設備では非常識ともいえる目標を置いて取り組みつつあります。PPEDLはまさに事業の現場。その現場で他社ベンチマークに基づく目標設定どころか、あくまで「理論値」に向けて追求している。そこに果敢な挑戦と大きな創意工夫が生まれ、それが誰にも負けない強みになる。私たちグループの全ての拠点・職場でもそういう姿になりたいのです。

拠点設立以来の総経理の山西さんからは「最初はこんな目標はとてもできないと思ったけど、TPSでやってみたらできたんですよ。今は、どんどんカイゼンしてゆくことが楽しくて仕方ないんです」との頼もしいコメント。当社の同志が、トヨタさんのもとで強い「カイゼン魂」を身に着けてくれたことに、私としては、改めてトヨタさんの会社にして正解だったと確信を強めた次第。

感動その2:ロックダウン取り組み
昨年前半、中国各地でのロックダウンがありました。各拠点とも相当に苦労されたのですが、ロックダウン時の取り組みを上海松江工場で詳しく聞く機会を得ました。

3月28日の上海ロックダウンはその前日の3月27日の夕方に発表。その数日前からリスクを察しての在宅勤務の準備。生産再開に備えての加工先の在庫品の緊急引き取り。経理は在宅勤務での日本期末の決算処理。全スタッフへの物資サポート。ロックダウン中は人事のUSBが社内に残ったままで給与計算できず給与支払いできなかったが部門間連携して何とかUSBを持ち出して銀行とも交渉して給与支払い。

そして上海松江地区ではいち早く5月4日に上海松江地区在住の社員でバブル生産方式(工場泊まり込み生産)開始。物流制約の中で混載輸送や中欧鉄道の活用の創意工夫や、材料はグループ内倉庫活用。会議室は寝る場所として準備。簡易シャワー室を設置するも全員がシャワー使うために1人5分以内のシャワー使用管理表厳守の中での利用。器用な社員が同僚の散髪。

過酷な状況でも、皆さんが衆知を集め、一致団結して果敢に挑戦された取り組みを伺い、コメントをさせていただくにも思わず言葉を詰まらせましたが、今、この原稿を書いていても目頭が熱くなっています。

Customer Focusでロックダウンの状況でもお客様に商品をお届けすることにOwnershipを持ち続け、危機的状況のリスクに対してStrategic ThinkingとHarmonizes Wisdomで衆知を集めて周到に準備し、バブル方式生産においては想像を絶する厳しい状況の中でも社員の皆さんがお互いにPeople Firstでお互いを尊重しつつも、Drives Resultを実践された。

上海ロックダウンは、Panasonic Leadership Principles(PLP)が策定される以前の出来事ですが、それ以前から一人ひとりがPLP、すなわち経営基本方針を実践してロックダウンを乗り越えられたということに、私は深い感動を覚えたのです。

非常に厳しい状況であったでしょうが、上海松江工場の皆さんは、この危機を経営基本方針に沿う形で乗り越えたからこそ、上海松江工場の皆さんのより強い団結とより堅い信頼が上海松江工場の強みとなり、今後の飛躍の原動力になると確信します。

PSDCDにて

① 住建空間の案件、ソフトウェアはPSDCD開発

② 様々な組込マイコンへの対応もプラットフォーム化で効率的に対応

③ 車載機器向けにも多大な貢献をしていただいています

PASDLにて

④ AGVも導入徹底

PECWにて

⑤ 魅せる工場に大進化していることに感心

⑥ オフィス文具類も集中管理で在庫削減

⑦ 水素燃料電池と太陽光も導入した上でCO2排出実質ゼロ達成

PECSZにて

⑧ ここでも大部屋活動が定着

⑨ 工程の進化を熱心にご説明いただきました

上海 松江工場にて

⑩ PMFSH・PPTSHの当社ブランドと他社ブランド向け電動工具

⑪ PESIESHでは中国に適した配線器具を生産

⑫ 上海ロックダウン時の皆さんの取り組みには頭が下がり、目頭が熱くなりました

上海 住建空間基幹店にて

⑬ 内装ドアの展示はPHSショールームなみ+中国市場で求められるデザインのドアも追加

⑭ キッチンのカウンター材は中国の方の好みに合わせたもので、カウンター以外の場所にも採用

万科天空之城 松下狭小住宅

⑮ 狭い空間でも日式の工夫を凝らした収納で差別化

⑯ お二人様向けでも全く狭さを感じさせない間取りも日式の工夫

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