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2023年7月6日

パナソニック産機システムズ(株)を訪問しました(6/28)

いよいよ7月、2Qが始まりました。
2Qも1Q以上に従来の制約を解消してさらに攻勢をかける、皆さんの果敢な挑戦に期待しています。

さて、先月末6/28に東京押上のパナソニック産機システムズ(以下、産機S)を訪問しました。旧アプライアンス社に在籍していた頃にも訪問したことはなく、今回が初めての訪問です。

産機Sは、空質空調社傘下の会社として大型空調の販売・保守、それ以外に、コールドチェーンのショーケースや業務用冷凍・冷蔵庫の販売・保守や、それらの事業を通じたお客様への照明機器のクロスセルなども手掛けている事業体です。どんなお客様にどんな商材を納めているのかは、納入事例をご覧いただければと思います。

押上の本社オフィスは、スカイツリーの隣の東京ソラマチのあるビルで、来たる7/29の墨田川の花火大会もオフィスから見物できる絶好のロケーションです。羨ましい!

今回の訪問では、午前中は社長の右近さんからの事業説明を受けた後は、お客様に商品の特徴をしっかり説明するためのショールームや綺麗に改装されたオフィスを見学させていただき、午後からは5~6名の従業員の方との1時間のラウンドテーブルを3ラウンド行いました。

産機Sは、EOSの数字だけを見ると全社水準には届いていないので、訪問前は「今はどういう状況だろうか?」と気がかりでしたが、今回の訪問で直接話をさせていただいた皆さんは「産機Sが好き。だから、会社を良くしたい」という素晴らしい思いに溢れておられ、「こういう皆さんがおられるなら、きっと良くなるだろう」と確信するに至りました。

ここでは、ラウンドテーブルの皆さんからの4つの共通的な質問に対して、私がコメントした内容を紹介します。産機Sの皆さんには総合夕会の内容と重複しますが、他の部門の皆さんにも参考にしてもらいたいのでご容赦を。

 

① 「グループとして、産機Sにはどのような期待を持っていますか?」

産機Sは、スーパー、コンビニ、外食産業、ゼネコンやガス会社のお客様に、空調や冷凍・冷蔵のソリューションをご提案し、ご採用いただいた上では設備が止まることなく、かつ効率的に稼働し続けるべく保守させていただくという内容。そういった領域でお客様の困りごとを解決できるグループ内でのユニークな存在。

しかし、産機Sが隆々と発展するためには、ソリューションの力を未来に向けて、誰にも負けないものにすることが必要。つまり、今のお客様の困りごとだけでなく、お客様の10年先、15年先を見た時に、社会の変化、エネルギー情勢の変化、食品流通の変化を想定した時のお客様の新たな課題を創造し、誰にも負けないスピードでソリューションを進化させる。そうすれば、社会課題の解決、とりわけPanasonic GREEN IMPACTのど真ん中の削減貢献にも寄与すると確信しています。

②「若い方のモティベーションをどうやって維持できるでしょうか?」

これは、グループ全体の課題。グループ全体の傾向として、入社直後はスコア高いが、2-3年後に低下する。

仮に、自分の力を発揮して、考えたことを提案し採用されていく、小さい失敗はあっても失敗を通じた学びを得て、力を付けていく・・・こういった自らの成長を実感できているならそういう状況にならないはず。そういう状態になっていないことが大きな課題。

部長さん・課長さんは、自部署がそういう傾向があるなら、ご自身と新入社員・キャリア採用者との関係性を振り返って、その理由は何か?・・・改善するポイントを見出だすべき。

長年の歴史から、色々なルール・プロセスが確立されており、それゆえにそれに従って仕事をする。つまり、やり方は1から10まで指示し、その通り仕事をしていればよいという事になっていないか?そうであるならば、敷かれたレール上で走っておけという事になり、自ら挑戦するという意識は生まれない。つまり、自分が力を発揮してチャレンジし、失敗から学び、成長しているという実感はわかない。

私が車載事業を担当した際、トヨタ自動車株式会社さんから学んだことは、ルール・プロセス通りに作業をすることを「仕事」とは呼ばない。より効率的な作業にするために、安全・品質の担保は大前提にルール・プロセスを改善することが「仕事」だということ。トヨタさんの言葉で言うと「改善魂」。自分が創意工夫をして改善をやっている、やっていなければ気色悪い。ここまで行けば「改善魂」。

その改善も、10%の改善を目指すのではなく、5倍10倍を目指すと発想が変わる。根本的に変える必要があることに気付く。これは自分の範疇だけでは無理だということにも気づき、そうすれば色々な連携も生まれるし、結果、その人の活躍の場も広がる。こういう働き方に変えるために、自分達の職場では何を変えるのかを考えていただきたい。

③「言うべきことを言える風土はどうやって実現されましたか?」

そもそも、まだまだ「実現」には程遠い。道半ばで、富士山で言えば2合目にも来てない。

過去、私自身、それで数々の失敗をした。上位の職責に就くと、自分の知らないことまで自分でマネージしなければならない。そこで、それをよく知っている方の知見を集めることが衆知経営だが、責任ある立場になると、何でも自分でやらないといけないという責任意識が芽生え、結果、自分の知見だけで1から10まで指示する。そうやることで、数々の失敗もしてきた。

だからこそ、言うべきことを言ってもらえないことは、大きな失敗に繋がる最大の恐怖である。自分が精通していないことを自分だけの浅はかな知見でマネージすることは、大きな失敗につながる。今では、そのように強く認識しているし、皆さんにもそう認識していただきたい。

では、言うべきことを言ってもらえるためにはどうするか?まずは、心理的安全性、言ってもらえる雰囲気、言ってもらえたらありがとうと言う。ただ、これだけではダメ。言って良かったと後から思ってもらえることが一番大事。言ったけど“にこっ”としただけで、何もやってくれない・・これでは、「やっぱり言っても何も変わらない」と思われてしまい、言ってもらえない状態に戻る。

言ってもらってすぐできることはすぐやれば良いが、そうでないことも多い。難しい提案も多い。それでも言って良かったと思ってもらえるよう、部長・課長さんが自分で解決できないと思ったら上位にエスカレートする。それでもなかなか難しい場合は、進み具合を共有し、進捗をシェアする。こういうことをやれば、「進みは遅いがやってはくれている。言って良かったな」となる。

④ 「産機Sでは“個人商店化”という言葉があります。例えば、営業がお客様からの要望には、担当者の属人的なパフォーマンスで対応し、自分の知っている範囲や、分からないことはせいぜい隣の席の人に聞きながらで駆けずり回っているのですが、どうすれば良いですか?」

「個人商店化」はよろしくない。本来目指すべき組織の力は、そのお客様に対して誰がやっても同じく素晴らしいパフォーマンスを発揮でき、高い評価をいただける状態。

そのためには、グループの様々な製造・開発現場でやっている「大部屋活動、WIPボード活用」が営業現場でもそのまま活用できるのではないかと思う。

課題を全員で共有するための「助けて!」という記入欄があるので、課長が常時それを拾いに行き、出来るだけ早く助ける、あるいは助けることができる人が即座に支援のアクションを取る。

個人商店の商店主である営業が、その課題を解決できない場合、一週間~10日悩む。結果、解決できなければお客様に謝りに行くという今の構図。

これが即座に解決できるサイクル、言い換えれば、自分の力ではできなかったことが、即座の助けを得ることで即座に解決されて、お客様に貢献できる・・・そういうサイクルが回りだせば組織が変わるし、助けられた経験は他の方の困りごとに対して助ける行為に繋がる。そうなれば仕事も効率的に進むし、お客様からのより高い評価にも繋がるはず。

―――

産機Sの皆さんが、初対面の私にこういった声が上げてくれること自体、改革に向かう芽が出始めている、つまり、産機Sの従業員の皆さんが本当の意味で活き活きと活躍する日は近いということだと確信します。次に訪問させていただく機会が待ち遠しいです。

写真①:新発想の決済機能つきショーケース

写真②:コンビニ向けコンベクションオーブンで冷凍ワッフルの短時間加熱を実演、試食させていただきましたが、香ばしくVERY GOODでした!

写真③:外食産業向けに、配膳ロボットも扱っています

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