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2022年12月22日

PHS 外廻りシステム事業部 栗東工場を訪問しました (12/14)

皆さん、おはようございます。

先週12/14には、PHS外廻りシステム事業部の栗東工場(滋賀県)を訪問しました。PHS社長の山田さんからは「北九州だけじゃなく、栗東でも大部屋活動が進んでいるから、一度見てきてください」と言われて、楽しみにしながらの訪問です。

さて、外廻りシステム事業部の基盤事業は雨とい(雨樋)ですが、その雨といを生産しているのがこの栗東工場です(右写真)。雨といの事業の歴史は古く、その歩みはアタッチメントプラグ(1918年)の成形に端を発し、それがフェノール樹脂の成形材料の事業に繋がり(1929年~、今もPID電子材料事業部四日市工場で続いています)、その成形技術を活かしてプラスチック雨といの事業が始まったのは1958年ということですから、実に64年続く事業です。当社のプラスチック雨といの構造は非常にユニークで、芯に鋼材が入っています。夏場の直射日光でも変形せず、雹(ひょう)が降っても簡単には割れません。そんな特徴もあって、国内の住宅用・非住宅用プラスチック雨樋は高シェアを維持しています。

ちなみに、外廻りシステム事業部のもう一つの柱になりつつある宅配ボックスでも戸建て市場全体で高シェアを維持しています。宅配ボックスといえば、栗東工場の第1工場のエントランスで興味深い実証実験を見ることができました。それがこのマルチロッカー(右写真)。荷物の納品の際に、配送業者の方に荷物をこのマルチロッカーに入れてもらうと受取人にメールが飛ぶようになっていて、仕事の手を止めず好きなタイミングで荷物を受け取れるというわけです。大いに業務の効率化に繋がっているとのことで、これは様々な事業場に展開しても良いのではないかと思いました。ちなみに、栗東工場では福利厚生の一環として、個人宛のネット通販の受け取りにも使ってもらっているとのこと。これも創意工夫ですね。

さて、工場を見ると、鋼板を芯材に樹脂を成形するユニークな押出成形で、しっかりとデータをとって成形条件を制御しているけれども、それでも成形不良や設備停止が多く、これまでは熟練のオペレータの皆さんが力技で抑え込んできたのだそうです。そのような状況に対して一つ一つの課題に対してきちんと真因に手を打とうと大部屋活動を始めたとのこと。

その押出成形課の大部屋を見て感心したのは、いかに今までの仕事のやり方を変えずに、誰もがスッと大部屋に入れるように工夫されていたことです。具体的には、これまでも運用していた、オペレータの方が工程の異常を報告するA4の紙の「異常処置報告書」をそのまま使って、それをホワイトボードに張り出して、WIPボードを形成しているのです(右写真)。これまでは異常処置報告書はバインダーに綴じて管理していたのを、真因が取り除かれるまではホワイトボードに張り出しておくようにしただけ。たったそれだけのことで、皆で知恵を出しながら、優先度も共有しながら、着実に一つひとつ解決に向かうようになったとのこと。加えて、課題解決のために工程に変更を加えた際は、それを周知するための連絡票を張り出し、そこには一人ひとりのオペレータの方にチェックしてもらうようになっています。

ただ、素晴らしい工夫で進めておられるこの大部屋活動も、今のやり方で生産する上での課題解決には良いのですが、この活動では、さらに効率を高めるという観点からの課題は出にくいのではないかと感じました。つまり、「言われた通りに作業をやっているとこんな課題が出た」という視点だけではなく、高い目標を掲げて「さらに、効率を上げるためにはこのボトルネックを潰さないといけない」という視点からの課題がどんどん出てくるようになれば、活動は一層加速するのではないかと考えるのです。

栗東工場のモノづくりの競争力強化のさらなる進化に大いに期待しています。

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