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2022年12月22日

ベトナム・タイ訪問記(12/5~7)

皆さん、お疲れ様です。

先週12月5日~7日にかけて、コロナ以降3回目の海外出張で、ベトナムのソフトウェア開発社のPRDCV、製造会社のPSNV、タイのPASAPを訪問しました。

1) PRDCV (Panasonic R&D Center Vietnam, 12/5)

PRDCVの訪問は10年以上前、当時のCTOの古池元副社長の下で、コーポレートR&D戦略室という組織を担当していた時期でした。2007年の設立時にシステムLSI “Uniphier”の関連ソフトウェアの開発を始めてしばらくした頃だったと思いますが、ベトナムの若くて優秀で真面目なエンジニアが今も印象に残っています。

その「若くて優秀で真面目なエンジニア」の印象は今回も同じ。ただ、今では開発テーマは多岐にわたっていて、実装機の制御ソフトや、工場の外観検査システム、アジアのIoT家電など多様な領域で事業への貢献をしています。当社の様々な事業の変遷の中で「ソフトウェア開発」の力を高めながら、その時々に必要とされるソフトウェア開発に自らを変革しながら事業に貢献してきたのは大したものです。

今は、そういった外部からのソフトウェア開発も受託できる力をつけていることを頼もしく思った一方、「ソフトウェア開発」という領域もやはり競争にさらされているわけです。私が、PRDCV社長の西川さんにお願いしたのは、既に収支面では自立している頼もしいソフトウェア開発集団がさらに競争力を高めるためには、まずは、5年後にどんな姿になりたいのかを描くこと。例えば、プロジェクトの一人ひとりが誰よりも顧客の課題を深く洞察でき、顧客の期待を超える提案ができ、その提案を誰にも負けない開発効率で実現できる・・・そんな存在になるとすれば、今とのギャップをどう埋めるのか? そういう風に考えて、若い皆さんと議論を重ね、アクションを重ねればPRDCVは益々発展するのではないか・・・と申し上げました。

パワーと熱意のある若い技術者の集団の今後に期待が膨らみます(写真)。

2) PSNV (Panasonic System Networks Vietnam, 12/6)

今回、PSNVを訪問するにあたって思い出したのは、先に述べた10年以上前のPRDCV訪問時に初めてPSNVに立ち寄り、工場を見学させていただいたことでした。その時印象に残っているのは、実装機のヘッドやフィーダーのメンテナンスを自分たちでしっかりとやっているということでしたが、今回も同じものを見せていただき、脈々と15年間積み重ねて受け継がれているのを見ることができました。

そして、当時はドアホンとPBXの生産拠点でしたが、今では生産しているものは大きく変わり、電話やドアホン以外にもプロジェクターや冷洗の基盤、電子レンジまで作り始めています。PSNVの強いモノづくりの力があってからこそ実現していると感心しました。

そんな素晴らしい拠点だからこそ、総合夕会の機会には私からPSNVのみなさんには2点のお願いをしてきました。

1点目は安全。PSNVは1,132日無災害の記録を更新中で、体験型の安全道場や保全作業時の命の旗も徹底しておられます。しかし、私としては念押しとして、動いている設備に体の一部を絶対に入れないこと。作業する場合は、設備の電源を切る、エアを切る、そしてエアの残圧開放を絶対に徹底することをお願いしました。

2点目は、お願いというより期待。もっともっと高い目標を立てて、みんなで知恵を集めて改善をすること。事業会社を超えてPSNVの力を期待されて、これだけ沢山の製品を作るようになっていますが、現場を見るとまだまだ改善の余地は残っています。「たゆみなき改善」という領域には達していない。「たゆみなき改善」という領域に達するためには、常に高い目標を持つことが大切。松下、パナソニックの伝統的な考え方というのは、誰にも負けない立派な仕事をする、そしてお客様に選んでもらう。選んでもらえない、あるいは利益が出ないということであれば直ちに改革をするということ。モノづくりの力があるPSNVだからこそ、皆がこういう考え方を持てばさらに発展すると思う・・・と伝えました。

3) PASAP (Panasonic Automotive Systems Asia Pacific, 12/7)

PASAPは単なる製造拠点というよりは、PASの地域会社で、販売はIVIやディスプレイオーディオ、ヘッドアップディスプレイ、スピーカー等のPAS各事業部の商材以外にインダストリ商材のクロスセルもあり、生産としてもインダストリの電源はこの拠点で生産しています。そして、この生産拠点としてのPASAPの強みは生産設備を内製するのみならず、他拠点にも供給するほどの力があります。

前回のPASAPの訪問は3年前、オートモーティブの事業を担当していた時のことです。懐かしいローカルリーダーとも久ぶりに再開できました。拠点としても、その時と比べれば、会議室やトイレが綺麗になっていたことも驚いたのですが、無論それだけではなく、フロアのレイアウトもかなり最適化が進み、また、ラインの自動化も進んでいたことにも大いに感心しました。

一方、私から幹部の皆さんにお願いしたのは2点。

一つは、全体のLTをとことん縮めればレジリエンスが向上するということです。例えば当社のLTが1週間であれば、2週間前にキャンセルされても大きな影響はありません。したがって、あらゆるプロセスについて皆が知恵を集めて可能な限りのLT短縮を図ること。

もう一つは、アジアの中では人件費の高いタイで、設備を開発できる強みを活かした自動化の取り組みは良いが、自動化ラインを導入すると往々にしてそこで進化が止まることに要注意。まして、加工点ごとのモジュール化を進めていると、新規ラインの自動化が容易にできてしまいます。少しでも短いライン、安い設備に向けた進化を止めない工夫をすること。

PASAPのマネジメントの皆さんが、こういう視点を持ちながら次々と改善の余地を見出し、弛まぬ改善、誰にも負けない競争力強化のスピードを組織風土として根付かせていただくことを期待しています。

さて、皆さんは、今、松下幸之助歴史館で開催中の特別展「雨が降れば傘をさす~キャッシュフロー経営の実践」は見学されたでしょうか? 私は今回の3拠点の訪問を通じても、特別展の中で紹介されている創業者の「道は無限にある」というご講話は「まさにその通りだ」と改めて思った次第です。是非、特別展の見学とともに、このご講話もご覧ください。

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