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2022年7月11日

PID社 メカトロニクス事業部 リレーBU PIDSWT 帯広工場を訪問しました

写真①

皆さん、今日もお疲れ様でした。

7月5日のPID 営業本部訪問の翌日は、北海道十勝の帯広に飛んで、PIDSWT(パナソニックスイッチングテクノロジーズ株式会社)の帯広工場を訪問しました。

初めて訪問した帯広工場で最初に驚いたのは敷地の広さ。さすが北海道。門を入ると50年近く経過している建屋の内外も美しく保たれています。さらに、生産現場に向かう通路を歩いていてもすれ違う皆さんがきちんと「こんにちは」と挨拶してくださいました。さすが、多くのお客様が視察される工場だけあって、まさに「魅せる工場」であると感じました。

ところで、今、この記事を読んでいる皆さんの中には「リレーって何?」という方もおられるかもしれません。その場合には、ちょうどPIDSWTのホームページにリレーって何?入門講座がありますし、商品紹介のページもありますのでこの機会にご覧いただければ。ちなみに余談ですが、私と当社リレーとの出会いは大学生の時、自作パワーアンプの保護・ミュート回路に当時の松下電工のリレーを大阪日本橋のパーツ屋さんで買って使ったのが最初でした。

さて、当社のリレー事業は実は凄いのです。環境対応車向けのEVリレーを含む7つの商品群で金額世界シェアトップ、とりわけこの帯広工場はマザー工場としてEVリレーを生産(写真①)していますが、この商品群では4割超のシェアを獲得しています。これは、リレー事業開始以来、新たな領域でのリレーへの要求に応える技術進化と、モノづくりの進化を弛みなく進めてきたことの証左であると思います。ここ帯広工場でも1973年の設立後、リレーの生産を開始したのが1976年。45年にわたって様々なリレーを世の中に送り出しています。

そこに脈々と根付いているのは、まず、商品、販売、生産、工法、設備・金型を一体で開発する、旧松下電工の開発思想である「五設一体思想」。新商品の開発にあたっては、売り方、作り方を同時に開発するが、作り方においては設備・金型もしっかりと最適なものを突き詰める。したがって、帯広工場では、しっかりと源泉に拘り、設備・金型設計のみならず、金型においては技能検定で特級を持つ皆さんがリードして素晴らしい金型を内製していることを見せていただき(写真②)、非常に頼もしく思いました。

また、安全・品質・ロス削減・技能伝承にもしっかりと取り組んでいることも確認できました。安全については体験型道場で年1回 派遣請負の方を含めて全従業員受講を徹底、品質においては過去の重大リコール事案を風化させないための学びの部屋を設置して毎週火曜日は品質合言葉を唱和(写真③)、ロス削減のTPM活動も全員参加で脈々と継続しています。

そんな素晴らしい工場ですが、特にEVリレーは、今後、環境対応車が爆発的に増えてゆく中で、競争に勝ち切れるのか? 技術進化のストーリーや、今年竣工した5期工場で部品の内製化を進めつつあることも見せてもらいましたが(写真④)、競合は中国のHongfa社。やれることはスピーディに全てやるのが中国流。そういう目で工程を見ると、例えば、現状は増産要求に応えるために、狭い建屋にどんどんラインを増やしています。このレイアウトだと材料供給は人手に頼らざるを得ず、AGV(Automatic Guided Vehcle、無人搬送車)の導入による材料供給の省人化も進みません。そう考えると、リレー事業の競争力強化には、まだまだやるべきことがあると感じました。

リレー事業に限った話ではありませんが、やはり、今やれることをやるだけではなく、あるべき姿を描いてそこに最速で近づいてゆくのでなければ、競争力で劣後に回ってしまうと思うのです。競争力で劣後に回ると、結果として利益でも劣後に回り、社員の皆さんに報いることも、将来に向けた十分な投資を継続することもできません。グループの一人ひとり、特に責任者の皆さんにはそこに強い危機感を持ちながら、競争力強化に向けた改革を進めていただきたいのです。

さて、帯広工場でのスケジュールを終えた後、BU長でPIDSWT社長でもある元吉さんが、近くの鹿追町環境保全センターのバイオガスプラント(※)に案内してくださいました。ここは十勝ならではの大量に排出される乳牛の糞尿を集めて、バイオガスを製造・収集するプラントで、エア・ウォーターと鹿島建設が環境省の支援を得て実証実験プロジェクトを進められたものです。さらに、エア・ウォーターの設備によってバイオガスから水素を取り出す実証事業(※)も進めておられます。こうやってできる水素は、もともとは空気中のCO2から牧草が育ち、それを食べた牛の糞尿に由来していますのでグリーン水素です。水素は、燃料として用いることができるだけでなく、EVリレーの材料としても必要です。元吉さんからは、帯広工場ならではの水素調達の可能性への熱い思いを伺いました。本当に夢のある話だと思います。実現に向けては経済合理性を担保しないといけませんが、一つひとつハードルを乗り越えて挑戦する価値のあるテーマだと思った次第。

帯広工場は、未来に向けてやるべきことが沢山あります。一人ひとりの挑戦でEVリレー事業の輝かしい未来を勝ち取ることを期待しています。

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写真②

写真③

写真④

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