楠見から皆さんへ 私が気づいた事や皆さんにお伝えしたいことをYammerに書き込んでゆきます。特に全社員の皆さんにお読み頂きたい内容についてはこちらにも転載しますので、ぜひお読みください。Yammerを通じて皆さんと積極的なコミュニケーションを取りたいと思っていますので、可能な方はぜひご参加ください。

2022年6月29日

パナソニックエコテクノロジーセンター株式会社(PETEC)を訪問しました

写真①

皆さん、お疲れ様です。

皆さんは兵庫県加東市のPETECをご存知でしょうか?

PETECは2000年4月4日に設立され、2001年4月1日の家電リサイクル法の本格施行に合わせて事業を開始した、当社の家電リサイクル事業のフラッグシップ工場です。ここでは運び込まれた当社製品のみならず他社製品のエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビを解体し、様々な技術・方法で、金属であれば鉄・銅・アルミに(写真①)、樹脂であればPP・PS・ABSに分別して再生材料として出荷しています。

この樹脂の分別の技術では、2015年10月に資源循環技術・システム表彰の経済産業大臣賞を受賞しておられ、旧アプライアンス社を代表して私も表彰式に出席させていただいたので、私にとっては懐かしい拠点です。さらに、2021年にも、今度は「家電リサイクル樹脂の循環型サプライチェーン構築」でこの経済産業大臣賞を受賞しておられます。循環型経済に対する早くからの先進的な取り組みをどんどん進化させていただいており、当社グループが誇るべき拠点であると思います。

詳しくは、PETECのホームページに、バーチャル工場見学をはじめ、様々な紹介記事がありますので、皆さん、是非ご覧ください。

今回、改めて工程を詳しく見せていただきましたが(写真②)、進化という意味では、2015年当時に比べて、解体の方法においても、従来は完全に人手で解体していた工程を、エアコンの室内機や薄型テレビではまず、機械で切断をすることで、人手による作業を大幅に効率化したり、解体した部品をロボットでピッキングするなど、工程も着実に進化させていることに感心しました。

と、同時に、改めて私たちが資源循環を進める上では、製品設計段階からの取り組みが極めて重要であると気づかされました。

まず、再生材の活用を進めるためには、使いこなしと同時にヴァージン材よりも安価でなければなりません。そのためには、解体・分別にかかるコストを抑える必要がありますが、まずは解体しやすく、解体に時間がかからない機構でなければなりません。解体に時間がかからないということは、それだけ構造がシンプルで、当然、組立にも時間がかからないわけですから製品としてもコストダウンが図れるわけで、一石二鳥のはずです。

ネジの本数の1本、ネジの位置に起因する人の動作やワークの持ち替えに拘って設計するのは、基本中の基本ですが、それが資源循環にとっても大切であるというわけです。

また、使いこなしという観点では、再生材の供給は不安定ですから、再生材でもヴァージン材でも成型できるように金型設計時に配慮しておくことで、再生材がある限りにおいては再生材を使って生産することもできます。

さらには、これはjust ideaですが、精密金型の技術を使って、樹脂の再生材の一発成型、塗装無しであっても、高いデザイン性を持つような製品が実現できれば、環境への意識の高いお客様には、そのことが購買動機に繋がるかもしれません。

最後のjust ideaは、私個人の妄想でしかありませんが、資源循環を前提とした「環境配慮型設計」(注)は、すでにくらしアプライアンス社の環境推進センターの森本さんたちが中心になって推進して下さっているとのこと。今は、国内の家電リサイクル法の対象はエアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビですが、この「環境配慮型設計」は全ての製品の設計時に配慮すべき事項と思いますので、製品設計に携わる皆さんは是非この考え方を取り入れ、各項目に目標をもって設計を進めていただくことを期待します。

(注)[参考] 環境配慮型設計の15項目。太字が循環型経済に深く関わる項目

  1. 減量化・減容化
  2. 再生資源・再生部品の使用
  3. 包装
  4. 製造段階における環境負荷軽減
  5. 輸送の容易化
  6. 使用段階における省エネ・省資源等
  7. 長期使用の促進
  8. 収集・運搬の容易化
  9. 再資源化等の可能性の向上
  10. 手解体・分別処理の容易化
  11. 破砕・餞別処理の容易化
  12. 環境保全性
  13. 安全性
  14. 情報の提供
  15. ライフサイクルアセスメント

写真②

※このサイトはパナソニックグループで働く皆さんが、ご自身のワークスタイルやライフスタイルに合わせて、イントラネットにアクセスできない状況でもグループの情報に触れることができる環境を構築することを目的としています。
本ページのURLや、掲載されているコンテンツを許可なく外部と共有したり、SNS等に掲載したりすることのないよう、取扱いは十分ご注意ください。