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2022年3月30日

「幸せの、チカラに。」・・・新たなブランドスローガン

「幸せの、チカラに。」・・・新たなブランドスローガン

皆さん、おはようございます。

本日、主要各紙に4月1日にいよいよ新体制が発足することをお伝えする広告を発信しました。その中に記した「幸せの、チカラに。」・・・これは私たちパナソニックグループの新たなブランドスローガンです。昨日、Panasonic Headlinesの記事でも事前予告しましたので、そこでご覧になった方も多いと思います。

この新たなスローガン、皆さんはどう感じられますか?

これまでのブランドスローガン"A Better Life, A Better World"、これは綱領の「社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与せんことを期す」を直接表現したスローガンであり、これを今、変えるべきか続けるべきかについては大いに悩みました。

私は、一昨年の10月末に、私がグループ全体のCEOを担うことになってから、改めて、当社が1990年以降の30年にわたって販売成長を果たせず、営業利益は低迷し、社員の皆さんも必ずしも「私はパナソニックの社員!」と誇りを持っていただけていない現状を直視せねばならないと思いました。

その当社の現状に比して、一方で当社が燦然と輝いていた時代・・・それこそ、日本の製造業の代表として松下とトヨタが並び称された時代との違いは何なのか?・・・改めて、松下幸之助創業者が生涯をかけて何を求めていたのかを着目すべきと考え、自分なりに研究したのです。

その研究を通じて改めて知ったことがありました。

命知元年、1932年の第1回創業記念式典の所主所感では「精神的な安定と、物資の無盡藏な供給とか相俟(あいま)つて、始めて人生の幸福が安定する。こゝに實業人の眞使命がある」と表明されました。

その14年後の1946年のPHP研究所の創設においては「『繁榮によって平和と幸福を』といふことを私共の研究と運動とのモツトーとして掲げ、このモツトーの英譯、"Peace and Happiness through Prosperity"の頭字をとつてP・H・P研究といひ、P・H・P運動と稱へるのである。ここに繁榮といふのは、單に金持になるとか、暮しがゆたかになるとか、といふだけのことではなく、いはゞ物心一如の繁榮といふことであつて、碎けたいひ方をすれば、『心もゆたか、身もゆたか』といふやうな在り方をいふのである。」と述べられています。
さらにそこから33年後の松下政経塾の1979年の松下政経塾の設立趣意書には「日本の現状は、まだまだ決して理想的な姿に近づきつつあるとは考えられない。(中略)従って、今日の国の姿をよりよきものに高め、すすんでは国家百年の安泰をはかっていくためには、国家国民の物心一如の真の繁栄をめざす基本理念を探求していくことが何よりも大切であると考える。」と記されていたのです。

このことから、私は、創業者が生涯をかけて追い求められたものは「物心一如の繁栄」、すなわち「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現であり、これが250年計画に目指すところそのものであり、この遺志を継がずして、私の職責を全うすることはできないと考えるに至りました。

そして、PHP研究所設立と同年の1946年に創業者が制定された綱領に「社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与」と謳われているのは、「物心一如の繁栄」を当時の言葉で社員の行動指針として、あるいはご関係先様にも分かりやすく表現されたものであると理解しました。

この綱領を、今、言い換える必要があるかというと、それは必要ないと思っています。しかし、綱領を今風の言葉で表現した"A Better Life, A Better World"をこのまま皆さんに発信し続けることで、創業者が生涯をかけて追い求めた「物心一如の繁栄」に近づいていけるのだろうか?そこは相当に悩みました。

"A Better Life, A Better World" と発信することで、お客様に寄り添うことなく自分目線の"better"をプロダクトアウト的に提供することに繋がってはいないだろうか、という懸念もありました。

そんな悩みの中で、ブランド戦略の森井さんからの「ブランドスローガンはやはり必要です」とのご助言にも応じられぬままに、「物と心が共に豊かな理想の社会の実現を目指す」と発信し続けたのが、昨年1年間でした。しかし「手触り感がない」「結局何をしたいんだ」等の厳しいご批判もあり、目線を250年から、25年くらいに置いての発信として、昨年末の皆さんへのメッセージや今年1月のサステナビリティ説明会で、現在の社会課題に照らして発信したのが、「すべての事業で地球環境問題の解決に向かう、それぞれの事業で"くらし"や"しごと"の場面での人々のウェルビーイングを追求、その前提として従業員のウェルビーイングを確保する」という内容だったのです。

そういう私の悩みを汲んでいただいて、ブランド戦略の皆さんが考えに考え抜いて、ある日、「これはどうでしょうか?」と提案してくださったのが、今回の「幸せの、チカラに。」だったのです。まさに、目から鱗!

この9文字で、「精神的な安定と、物資の無盡藏な供給とか相俟(あいま)つて、始めて人生の幸福が安定する。こゝに實業人の眞使命がある」という、創業者の「命知」が見事に表現されている。そして、社員の皆さん一人ひとりが、お客様一人ひとりの幸せに寄り添って欲しいという私の思いをも見事にくみ取っていただいている。

皆さんにも、このスローガンには、そのような思いがあってのことと知っておいていただき、これこそが、パナソニックに受け継がれるべき精神の根幹そのものとご理解をいただきたいのです。

そして、この言葉を一人ひとりが胸に刻み、あくまでお客様第一の心で、それぞれの事業で、新たな未来を切り拓こうではありませんか!

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