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2022年3月14日

大きな愛情・・・部下を持つ上司の皆さんへ

皆さん、お疲れ様です。

私は懐古趣味があるわけではないのですが、当社の歴史には今の私たちが学ぶべき点が数多くあると感じています。その一つが、昭和32年(1957年)に当時の人事本部長の高橋荒太郎さん名で制定・交付された「人事方針」の一節です。

3、人事には誠意と大きな愛情がなければならない。
人事は、何事によらず、すべて誠意をもつて一貫しなければならない。いかなる場合でも、誠意は必ず人に通じ、人の心を動かすものである。策略や偽まんは、人の不信を買い、信頼を失うもととなるものであり、一時は糊塗しえても、やがて人の不信を買い、信頼を失う結果になるものである。いかなる困難に逢着しても、終始誠意をもつて、これを貫けば、必ず人に通じ、人の心を動かし、強い信頼を生むもとになるものである。
誠意とともに、大きな愛情をもつことは、また、人事上きわめて重要なことである。小さな愛情にとらわれ、単なるご機嫌とりや、一時的な喜びを与えることにきゆうきゆうとし、将来を誤らせるようなことは、真の愛情ということができない。その人の将来を考え、厳にすべきは厳にし、理解を要することは十分納得のゆくまで懇切に説き、常に深い愛情をもつて、その人の将来の進歩・向上と、安定とを考えてゆくところに、真の大きな愛情が生まれるのである。
したがつて、経営の衝にある責任者は、常に、部下の将来の向上・発展と、生活の安定に強い責任を感じ、大きな愛情をもつて、部下の指導育成に努めなければならない。

*糊塗(こと):曖昧にその場をとりつくろっておくこと。一時しのぎにごまかすこと。
**逢着(ほうちゃく):でくわすこと

この一節は、昭和63年の改定で抹消されています。なぜ、これだけ大切にすべき事項を抹消したのかは分かりません。しかし、ここで強調したいのは、「部下の将来の向上・発展と生活の安定に強い責任を感じ・・・」というところです。

この一節を踏まえ、私たちの「信条」の「向上発展は各員の和親協力を得るに非ざれば得難し、各員至誠を旨とし一致団結社務に服すること」の冒頭の「向上発展」は、会社としての向上発展のみならず、その原動力となる個々人一人ひとりの向上発展を謳われたものだと、私は理解します。そして、七精神に謳われる「力闘向上の精神」に基づき、一人ひとり、ひいては組織の「向上発展」が私たちの競争力強化の前提であると考えるのです。

「力闘向上」に徹して「一致団結して社務に服する」ということが出来ていれば、競争力において他社に後れをとることはないはずです。

そして、社会の発展への貢献力において卓越した競争力があれば、収益が得られているはずであり、そうなっていないということは、やはり「力闘向上の精神」に基づく一人ひとりと組織の「向上発展」が不十分であり、そこに改革が必要であると強く認識せねばならないと思うのです。

かつて、松下電器・松下電工は「公明正大」を徹底しつつも、同時に徹底して勝ちにこだわる集団でした。過去には戻れませんが、その風土・精神を取り戻したいのです。そのための一つの根本は、「 大きな愛情」に基づく人財育成、一人ひとりの向上・発展への責任感だと思うのです。

もちろん具体的な育成は、適切な事業戦略の上に立脚したものでなければならないことは言うまでもありません。!

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