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2021年10月27日

「物をつくる前に人をつくる」の意味

皆さん、お疲れ様です。

最近、あちこちで、「人を育てる」ということについて問われた際に、答えている内容をここで共有しておこうと思います。

「なかなか、部下が思うように仕事をしてくれないのですが、何か秘訣はないでしょうか?」・・・これは私にとって最も苦手な質問の一つです。

というのも、私自身が過去においては指示型の上司で、人を育てるという点では反省すべきところが多々あるからです。一方で、自分自身は様々な挑戦を伴う経験をさせていただいたし、その挑戦においてはその時々の上司に支えていただきながら何とかやりきったり、場合によってはそれでも失敗したり・・・今となってはそういう経験をさせていただいたことが、育てていただいたということだと感じています。

そういった経験を踏まえて言えることは、部下に対して一から十まで指示して、その通りの仕事をしてもらうということでは、その組織は自分の能力を超えることはないということです。

そうではなく、部下の一人ひとりに高い目標や難しい課題に向かって自ら挑戦してもらう。でも、決して丸投げにするのではなく、一人ひとりが考え抜いた末に困っている時には即座に手を差し伸べる。
ただ、その時も単純に答えを教えたりやり方を指示するのではなく、自ら気づいてもらうための働きかけをする。あるいは上司自身も分からなかったり迷うことであれば、それを包み隠さず部下に伝えて一緒に考え、場合によっては専門家に教えを乞いに行ってもらう。

そうやって、仮にチームのメンバーが毎年20%づつ能力を伸長させたとすると、それが4年続けば、1.2の4乗で組織の能力が2倍になるというわけです。やがては組織の能力が自分の能力や自分の想像を超える。そして、そういう組織に身を置けば、自分も部下から教えられることも多く、自分にとっても成長の場となるのではないでしょうか。

仕事ができる人を集めてきてミッションを遂行するという考え方もありますし、それはそれで有効な手段であって、何も否定すべきものではありません。しかし、弛みなく人が育つ組織であれば、これまで出来なかったことでもやがては成し遂げることができるし、人が成長するスピードが誰にも負けない組織であれば、今は他社に負けていてもやがて追い付き追い越すことができる。

「人をつくる」ということを弛みなく続ける。そしてそのスピードにおいて誰にも負けない。このことは社会からお預かりした人財を最大限活かすと同時に、「競争力強化」に不可欠な要素であると思います。そして、このことが創業者が仰った「物をつくる前に人をつくる」ということではないでしょうか。

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