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2021年5月7日

「赤字は罪悪」について考える

皆さん、お疲れ様です。

緊急事態宣言下のGWでしたが、事故もなくお過ごしいただき何よりでした。さて、4/23から開催されている歴史館のメモリアルウィーク特別展『企業は社会の公器』、オンラインでも開催されていますが皆さんご覧いただいたでしょうか?

私は開催日より一足先に、無理を申し上げて4/22の夕方に歴史館を訪問させていただきました。
ここでは、そこで深く感じたことを2つ共有させていただきます。

まず、一つは特別展の最後に拝見した津賀さんのビデオインタビュー、これは感想を申し上げるとネタばらしになるので、是非皆さんご自身でご覧ください。オンラインでは5/13の公開になります。

もう一つは「赤字は罪悪」ということについて、深く考える機会となりました。そして、私としては、「赤字が罪悪」というよりも、「ムダ・滞留が罪悪」と認識しなければならないとの考えに至りました。

私たちが、人財もお金も社会からお預かりして、社会にとってプラスになるような事業を営む以上、お預かりした人財やリソースを最大限活かしきりながらプラスを生み出し、その結果として獲得したより多くの利益を従業員の皆さんや社会に還元してゆく義務があります。そう考えれば、1円のお金、1秒の時間でも、ムダになっているとか滞留を生んでいるという状況は、お預かりしたリソースを活かしきることができていないということですから、私たちにリソースを預けてくださった社会や投資家の期待を裏切っているということだと認識しなければならないと思うのです。

つまり、いくら10%とか20%の営業利益をたたき出していても、そこにムダや滞留が多くあるのであれば、それは本来はもっと高い利益を出して社会や社員の皆さんへの還元、あるいは将来への投資を厚くすることができるはずなのに、それをやっていないという点では、やはり「罪悪」と考えるべきでしょう。そして、事業に携わる一人ひとりが事業活動には1点のムダもゆるされないという意識を持って、それぞれの現場の一秒一滴のムダに気づき、それをなくす改善を続けてゆく・・・それが私たちが本来あるべき姿ではないでしょうか。

勿論、事業を進めているのは人間ですから、失敗もすれば迷いや試行錯誤もあります。失敗してもそこから学びを得れば良いし、迷いや試行錯誤の中からも効率よく何かを生み出し新たな気づきを得れば良い。それらはムダや滞留と考える必要はありません。

そして、「ムダや滞留が罪悪」といっても、競合のどこと比べてもムダや滞留が少ない状態であれば、それは責められるべきでもないし、お客様や社会のご納得もいただけるだろうし、しっかりと対価も得られ、社会や社員の皆さんへの還元も将来への投資も十分にできるようになると考えるのです。むろん、そういう状況でもそこに安住することなく、更に改善を積み重ねてゆくべきであることは言うまで もありません。

さて、最近、時折、「当社のMission/Vision/Valueは何か?」という質問を投げかけられることがあります。今風の言葉での"MVVの明確化"ということですが、言うまでもなく幸之助創業者はMissionは綱領に、Visionは250年の計として水道哲学に、そしてValueは信条と七精神に表現されました。時代が変わって水道哲学に対する解釈が人によって様々になったことや、古い言葉で表現されていることがこのような質問を受ける背景にあるのかもしれません。水道哲学に関しては、以前の投稿で申し上げた通り、私としては"物心一如の理想社会の実現"というVisionは、今の社会の現状を踏まえながらこれからも追及せねばならないと考えています。また、古い言葉という視点では、歴史文化マネジメント室の中西さんから、中村さん・大坪さんの時代に作成された七精神の現代語訳ともいえる「私たちの七精神実践指針」を共有いただきましたのでここに添付しておきます。併せてご参照ください。

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