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2021年4月6日

今一度、「水道哲学」を考える

皆さん、こんにちは。

水道哲学に対する私の理解を改めたことについては「歴史館 経営理念特別展を見学して(1月11日)」の投稿でも触れましたが、その後も私なりに考えたところがあるので共有させていただきます。

真の創業、昭和7年5月5日の第一回創業記念式典の所主所感において創業者が発表された水道哲学は、当時の日本の社会の状況に鑑みて「生産に次ぐ生産をもって貧乏を克服し、富を増大する」という言葉で打ち出されましたが、その目指す先の「楽土」の姿としては「精神的な安定と、物資の無尽蔵な供給が相まって始めて人生の幸福が安定する」とされており、これを「真使命として感得した」と仰っています。そして、25年を1節とし、10節250年をかけて富み栄えた楽土実現の使命を達成することを誓われたのです。

さて、今、私たちが生きている2021年、確かに物は満ち溢れているし、不便らしい不便を感じることはなくなりました。しかし、昭和7年に創業者が目指された「精神的な安定と、物資の無尽蔵な供給 が相まって得られる人生の幸福」で社会を満たすことはできたのでしょうか?

物が満ち溢れたものの資源の枯渇を心配しないといけない。私たちの子供や孫まで地球に住みやすい環境が持続しないかもしれない。インターネットの普及によって簡単に情報が得られるが、個人情報の流出のみならず、誹謗中傷や巧妙な犯罪にさらされる不安が増えている。

いわば、私たちだけでなく社会全体が物を満ち溢れさせることを優先してきた結果、私たちは「楽土」に向かう本来の真っ直ぐな道から少しそれてしまい、登山でいえば4合目くらいに留まっているのではないかと思うのです。

だからといって、来た道を後戻りしてやり直すことはできません。今いる場所から、創業者が目指された「楽土」の姿を、現在に生かされている私たちの知恵を積み重ねて具体化し、そこへの道を新たに切り拓くことが必要だと思うのです。

社会で生活を営む一人ひとりが、家庭でのくらしにおいても、仕事の場においても、現在と未来への心配や懸念から解き放たれ、精神的にも安定した状態で、今以上に健康で、今以上に感動や利便性を得られる。そして、社会の全ての方がそういう状態になる。これが本来、創業者が「水道哲学」で目指されたところではないかと思うのです。そう考えると、私たちは水道哲学で目指された使命の完遂には、まだまだほど遠いところにいるというわけです。

そして、新たな「楽土」への道を切り拓く上で、お客様一人ひとりに寄り添うためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)は欠かせない手段となるし、子供たちや孫たち、さらにその先まで「楽土」を持続させるにはGX(グリーントランスフォーメーション)への取組みが必須であることは言うまでもありません。

「楽土」=目指すべき社会の姿。これを今一度心に思い描き、それを深く心に留めながら皆で知恵を出しあって、それぞれの事業を通じて道を切り拓くことが、今、私たちが為すべきことだと考えるのです。

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