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2020年12月15日

7つのムダ

皆さん、お疲れ様です。

常々、「正味付加価値を生まない仕事は徹底してやめる」と申し上げていますが、トヨタ生産方式では何をムダと考えるのか・・・皆さんは「7つのムダ」という考え方をご存知でしょうか?

これは生産活動に対するムダの認識の視点ですが、間接部門においても同じ視点で私たちの日々の活動を見直すことで様々な気づきが得られるはずです。

①加工のムダ
工程では必要以上の仕上げや本来不要な検査のムダのことですが、従来からやっていることだからと見直さないままになっている仕事や作業は、間接業務においても沢山あるのではないでしょうか?
AM社においては会議の座席表などは撤廃してもらいましたが、あれも間接業務における加工のムダの一つでしたね。

②在庫のムダ
製造・物販を伴う事業においては部材・仕掛品・完成品・補修部品は勿論ですが、ご購入先様に持っていただいている部材在庫や、販売済みの完成品が市場で滞留していないかどうかまで常に目を光らせる必要があります。
適正であることを説明できない在庫は全てムダということになります。
一方、部材在庫のムダは単に個々の部材の在庫が適正であれば良いということではなく、そもそも、設計段階で共通化できる部材を共通化せず、別々の部材の在庫を持つことも在庫のムダに繋がるのです。

③つくり過ぎのムダ
製造におけるつくり過ぎは諸悪の根源です。在庫・動作・運搬の様々なムダを生むからです。生産能力があるからといって稼働優先で売れる以上の過剰な生産をすることはもってのほかです。
間接業務においても、必要性もないのに「念のため」といってパワーポイントの資料をやたら沢山作成することはムダですね。

④手待ちのムダ
製造工程ではラインバランスが取れていないなどで発生しますが、各作業者が最短時間の標準作業をやっても手待ちが発生しない状態まで追い込むことが肝要です。
ただ、製造工程では常に手待ち撲滅に向けて取り組んでもらっていると思いますが、技術を含む間接部門はどうでしょうか? 様々な理由で作業に滞留が発生し、次の人が手待ちに陥っているということはありませんか? まず、しっかり段取りをして1番ピンの課題を優先的につぶす。そして仕事の滞留を最小化するためにも魂の入ったWIPボードを是非運用してみてください。
また、発生した課題の報告をBNFで行わず、次の定例会議を待って報告するというのも手待ちのムダを発生させているのと同じことですね。課題は常に1個流しすることです。

⑤動作のムダ
製造工程においては、作業者が姿勢を変えたりワークを持ち替えるというような動作は付加価値を生んでいないのでムダな動きと考えます。
間接業務においても、例えば「会議」という行為自体は様々な動作のムダの温床になります。まず、会議室の手配や準備はそれ自体は付加価値を生みません。また必要以上の人数で行う会議は何人分もの動作のムダを生みます。オンライン会議でも同じ効果が得られるのにわざわざ出張するというようなムダはもはや発生させていないと思いますが、会議の開催については常にその会議を通じてどのような付加価値を生もうとしているのかを意識した上でムダを排除した形で実施していただきたいものです。

⑥運搬のムダ
製造工程ではワークを右から左に動かしても付加価値を生みませんので、運搬は最小化することが求められます。運搬のムダを徹底して排除して設計したラインは面積効率も高くなります。間接業務においては紙の資料配布などは典型的な運搬のムダです。

⑦不良・手直しのムダ
製造工程における不良品の廃棄や手直しはムダそのものであることは言うまでもありませんが、間接部門において、技術や企画での「手直し」は山ほどありますよね?
何故「手直し」が起きるのでしょうか? 必要な情報が揃っていない状態で作業を始めたり、仕事をするために必要な知識・知見が不足していたり、本当に重要な課題を直視せずに表面的な捉え方をしてしまっていたり・・・間接業務では様々な要因で手直しが発生します。これを防ぐためにはフルキット化と事前の十分な考察に基づく段取りが重要となります。「急がば回れ」ですね。

いかがでしょうか? 製造現場のみならず、間接部門の皆さん一人ひとりにこの「7つのムダ」の視点を常にもっていただき、職場の中ではお互いに気付きを意見交換しながら正味付加価値を生む仕事、すなわち本来やるべきことに集中して仕事の効率を向上し、働き方を変えていきましょう。

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