パナソニック「圧電薄膜の開発と角速度センサの実用化」により『市村産業賞 貢献賞』を受賞 ~昨年度の功績賞に続き、二年連続の受賞~

2011年4月 1日

トピックス

デジタルスチルカメラの手振れ補正用

パナソニックグループのパナソニック エレクトロニックデバイス株式会社(社長:小林俊明)は、「圧電薄膜の開発と角速度センサの実用化」に対して、財団法人 新技術開発財団から「第43回市村産業賞 貢献賞」を受賞しました。当社は、昨年度「柔軟性を有する結晶性グラファイトシートの開発と実用化」で、「第42回市村産業賞 功績賞」を受賞しており、二年連続の受賞となりました。

▼「角速度センサ」
http://industrial.panasonic.com/www-ctlg/ctlgj/qARC0000_JP.html

【受賞内容】
<業績名>
 圧電薄膜の開発と角速度センサの実用化
<受賞者>
 パナソニック株式会社 藤井映志(グループマネージャー)
 パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社 小牧一樹(チームリーダー)
 パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社 山本幸二(参事)

【開発内容】
[開発背景]
機器の小型化、高性能化、低消費電力化の流れの中で、カーナビゲーションシステム、車両制御システムやデジタルスチルカメラの手振れ補正に用いられる角速度センサにはさらなる小形化、高性能化への要求が高まっていました。

[開発技術の概要]
当社では、小形、高感度、高精度を実現するため、従来の焼結体材料の性能を大きく上回る高性能な圧電薄膜を、当社独自の薄膜・MEMS技術により、シリコン基板上に高精度に作製することに成功、この圧電薄膜を用いた「シリコン音叉型角速度センサ」を開発したものです。

薄膜・MEMS技術とは、具体的に次の2つから構成されています。
(1)高品質圧電薄膜成膜技術(圧電薄膜形成技術)
独自に開発したスパッタ装置を用いて、圧電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を高精度に結晶化させ、シリコン基板上に圧電性能の高い薄膜を形成させる技術。
(2)MEMS高精度微細加工技術 (高精度深溝加工)
音叉型振動子の素材にマイクロマシン技術が進んでいるシリコンを採用。シリコンのディープエッチングを用い、音叉の側面を0.1度以下の精度で垂直に加工する技術。これにより、極めて正確な駆動・検出が実現できます。

一般的にMEMS技術とよばれている「MEMS高精度微細加工技術(高精度深溝加工) 【上記(2)】」に、当社の強みである「高品質圧電薄膜成膜技術(圧電薄膜形成技術)【上記(1)】」を組み合わせている点は他社にはないパナソニック独自技術です。

[効果と今後の展開]
角速度センサは、自動車の安定走行や快適性の向上に不可欠であり、かつデジタルスチルカメラの高機能化にも貢献するデバイスです。当社独自の薄膜・MEMS技術の進化により、健康医療分野やロボット分野など新たな応用展開が期待されます。

【角速度センサの事業展開について】
・当社では、従来の焼結体材料を大きく上回る高性能な圧電薄膜をシリコン基板上に高精度に形成した「シリコン音叉型角速度センサ」を、カーナビゲーションシステム用として2003年に実用化、現在では、車両の姿勢制御用にも採用されています。2006年にはデジタルスチルカメラの手振れ補正用として、さらなる小形化と2軸検知を実現させた製品を実用化しています。自動車の安全、快適および民生機器の高性能、高機能化に貢献、特に、車載用角速度センサでは、グローバルシェアNo.1を誇ります。

・当社では、薄膜・MEMS技術を有していることで、角速度の検出範囲、周波数帯域など用途に応じて、シリコン音叉構造を高精度加工できます。さらにセンサを構成する制御回路、パッケ-ジ構造の最適な設計技術を生かすことで、現在実績を持つ車載、民生分野にとどまらず、新分野への参入、より幅広い用途への展開を図ってまいります。例えば、多軸の角速度検出が可能となると、ゲ-ム機のモ-ション検知や、入力デバイスとしての3Dリモコンなどが実現できます。これを1パッケージで検出できればセンサの小形化、低背化、特に携帯機器に求められる低消費電力化にも貢献できます。さらに加速度センサと組み合わせることにより、あらゆる動きの検出が実現でき、健康医療分野やロボット分野など新たな用途が広がっていくことが期待されます。


【お問合せ先】
パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社 広報 
電話:06-6907-4700 URL:http://panasonic.net/ped/jp/

-------------------------
*角速度センサとは
物体が回転する速度(角速度)を検出するセンサ。当社の角速度センサは、独自の薄膜・MEMS技術により、シリコン上に数ミクロンの圧電薄膜を形成した音叉振動子構造を持つ。この音叉振動子で、物体が回転する際に生じる微小な力の変化を利用し、角速度を検知する。

*市村産業賞について
リコー三愛グループ各社を統轄した創業者、故市村清氏の昭和38年4月29日紺綬褒章受賞を記念して、市村賞を創設し、科学技術の普及啓発に資するとともに科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。
本表彰は科学技術の進歩、産業の発展、文化の向上、その他国民の福祉・安全に関し、科学技術上貢献し、優秀な国産技術の開発に功績のあった技術開発者に対して行います。
(財団法人 新技術開発財団の第43回 市村産業賞推薦要綱に掲載された表彰の趣旨を引用しています)


▼電子デバイス・産業用機械
http://industrial.panasonic.com/jp/

発表年月
発表年月