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2010年4月26日
技術・研究開発 / トピックス
パナソニック株式会社は、世界で初めて※MOSイメージセンサの感度を6倍向上させることのできる DRE方式(Dual Resolution and Exposure) に準じた4K2Kイメージセンサの試作開発に成功しました。超高解像度化へのトレンドにより画素サイズが小さくなるとますます深刻になる2つの課題、画素への入射光量の減少および画素数増加によるデータ転送速度の増大を解決します。
今般、 DRE方式に基づくイメージセンサ(画素サイズ2.75μm角、4K2K DCI仕様準拠)の試作開発を通じて超高解像度化に向けて解決すべき2つの課題に対してDRE方式の有効性を確認でき、2010年2月10日の国際固体素子回路会議ISSCC2010にて発表しました。
※2010年2月10日現在。
【DRE(Dual Resolution and Exposure)方式とは】
イメージセンサと画像処理プロセッサーにより、超高精細な動画映像撮影を実現する高感度化方式。
Greenの映像信号は長時間露光により高解像高感度を確保し、長時間露光時に複数のフレームが重なって記録されることで生じる動きブレは、Blue・Redの低解像であるがブレのない動き情報をもとにフレーム単位に分解することで解消し、明るく高解像な映像を再現します。
▼ホームページでは図版とともに解説しています。ぜひご覧ください。
http://panasonic.co.jp/company/r-and-d/technology/topics/dre/
【これまでの課題】
超高解像度化に伴い、画素サイズはさらに微細化し画素への入射光量が減少するため、感度の確保ができなくなる、また同時に、画素数に比例して読み出しデータが膨大になるという2つの課題がありました。
【従来例】
従来のイメージセンサにおける感度向上手法は、入射光量を確保するために光学サイズを大きくすることで画素サイズ自体を大きくする方法、あるいは光学サイズはそのままに、可能な限り受光部分の占める割合を多くできるオンチップマイクロレンズや裏面照射などの開口率向上手段を用いる方法、さらには、動きブレを気にすることなく長時間露光を用いる方法に限られていました。
【開発のポイント】
今回開発したイメージセンサは、明るさを確保した長時間露光映像と解像度は低いが動きブレのない短時間露光映像を出力します。演算処理により、高解像で明るい長時間露光映像を、短時間露光映像からの動き情報にあわせて分解することでボケのない映像を再現することができます。
さらに、長時間露光では読み出しフレーム数を、短時間露光では画素加算により読み出し画素の数を、間引くことができるため、イメージセンサから読み出す際のデータ転送速度を抑えることが可能です。
【特長】
今回開発したイメージセンサにより実現された主な特長は以下の通りです。
1.イメージセンサの感度を6倍に向上し明るい高解像映像を実現
2.イメージセンサから読み出されるデータ転送速度を1/6に低減
▼ホームページでは図版とともに解説しています。ぜひご覧ください。
http://panasonic.co.jp/company/r-and-d/technology/topics/dre/
記事の内容は発表時のものです。
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