Panasonicの底力~成長への布石~

決算レポート:2020年度決算 下期に大幅な収益伸長 新体制に向け成長軌道へ

2021年5月24日

特集

写真:オンライン会見で2020年度決算内容を説明する社長の津賀(写真右)、CFOの梅田

オンライン会見では社長の津賀、CFOの梅田が2020年度決算内容を説明

5月10日、パナソニックは2020年度決算を発表した。通年では、上期(4~9月)を中心としたコロナ禍のマイナス影響で減収となったが、果たして足元はどのような状況にあるのか。ここでは2020年度下期(10月~2021年3月)の業績、そして4月からスタートしている2021年度の見通しに着目し、パナソニックの「今」を紐解きたい。


下期に大きく収益伸長 修正公表値を上回る着地に

2020年度決算は、売上高はコロナ禍が響き減収、営業利益・純利益は前年度のその他損益における一時益の反動などで減益となり、翌日の報道でも減収・減益がフォーカスされた。ただし、事業から創出される利益である「調整後営業利益(※)」は第2四半期(2Q)第3四半期(3Q)に続いて通年での増益を果たしている。これは、2019年度からの中期戦略において注力してきた経営体質強化の取り組みや社会変化を捉えた事業活動が実を結んだことによる成果だ。

そして、パナソニックの足元の経営状況を見るに当たり、注目すべきポイントの一つは下期の伸びだろう。
パナソニックは2月の3Q決算発表時、業績の好調な推移や社会動向を鑑みて通期業績予想の上方修正を発表したが、結果的に下期では大幅な増収増益(※)を達成し、修正公表値を上回る着地となった。
※売上高は非連結化影響等を除く実質ベース、利益は調整後営業利益。パナソニックでは2019年度から進めている中期戦略で、低収益体質からの脱却に向け事業ポートフォリオ改革を行っており、営業利益の一部に多額の一時的な利益・損失が含まれる。「調整後営業利益」は営業利益からそれらの影響を除外したもの。

決算会見に登壇した社長の津賀は、新型コロナウイルス感染拡大というかつてない事態に突入した今年度の初頭を「どのような形で活動でき、どのような数字になるか全く予想できなかったというのが正直なところ」と振り返った。しかし実際には、1Qこそコロナ禍のマイナス影響を大きく受けたものの、2Qからは増益に転じている。オートモーティブ事業やアプライアンス事業が牽引し少しずつ利益が戻り、3Qでは空調・空質、公衆衛生関連やEV向け車載電池、情報通信関連などの事業が利益を押し上げ、近年出せなかった利益率まで到達。津賀は、「皆で助け合った結果」と従業員への感謝をにじませた。

写真:会見に登壇した社長の津賀

2020年度決算は、社長の津賀がCEOとしての責務を担う最後の決算となった

2021年度は増収増益へ 経営の基盤固めと社会変化を捉えた事業成長を加速

注目すべきもう一つの重要なポイントは、今後の見通しだ。2020年度決算とともに示した2021年度の業績見通しは「増収増益」。各国経済の回復に加え、経営体質強化の取り組み継続、そして社会変化を捉えた事業の増販が寄与していく見込みだ。

2019年度から取り組む中期戦略で、パナソニックは低収益体質からの脱却に向けた取り組みを着実に推進し結果に繋げてきた。現在スタートしている2021年度は、この中期戦略の最終年度に当たる。掲げてきたのが「経営体質の強化」、「事業ポートフォリオ改革」、「車載事業の収益改善」だ。

「経営体質の強化」では固定費1000億円削減の目標を1年前倒しで達成した。21年度はさらに取り組みを進め削減効果200億円上積みを目指す。「事業ポートフォリオ改革」では、4月23日に発表した世界トップクラスのサプライチェーン・ソフトウェア専門企業であるBlue Yonder社の全株式取得、車載電池の生産能力拡大などに成長投資を予定。「車載事業の収益改善」については、19年度の赤字から20年度は黒字に転じており、21年度は500億円の利益を見込んでいる。

写真:会見に登壇したCFOの梅田

会見に登壇したCFOの梅田

また、コロナを契機に様々な事業領域で社会変化が加速しているが、会見でCFOの梅田は「事業を通じて社会課題の解決に向けた取り組みを進めることが当社の存在意義」と、変化を捉えた事業成長に自信をみせた。そして経営体質強化の取り組みは継続推進する上で「絞り込むだけでなく強くするところはしっかりと強くする」方針を強調した。大幅に改善したキャッシュフローで成長機会を的確にとらえ、空調空質関連事業が寄与する衛生分野、5GやIoT関連への投資などを見据えメリハリをつけて運用し、事業成長による増販を拡大していく。

パナソニックは2022年4月に控えた持株会社制への移行に向け、グループ全体で事業ごとの競争力を徹底して強化する「専鋭化」を最優先事項としている。会見で梅田は「各事業会社が稼いだキャッシュを自分たちがより強くなるために、いかに投資できるのか。こういったことをやるのが『専鋭化』の目的の一つ」と、財務面においても事業会社ごとに「専鋭化」実現にフォーカスし自主責任経営のもとキャッシュフローを回していく方向性を示している。

各事業会社がキャッシュを稼ぎ、そのフローを競合他社としっかり競争ができるよう事業会社自身がマネジメントしていく新体制――そのために、様々な経営判断についても事業会社へ大きく権限移譲が進んでいく。この10月には、まずバーチャルで新組織ベースでの体制に移行していく予定だ。
足元で経営の基盤固めと社会変化を捉えた事業成長が加速するパナソニック。来る新体制スタートに向け、いまその歩みは着実に成長軌道を進み始めている。

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発表年月
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