持続可能な社会をつくるテクノロジー

産地から食卓まで。食品ロス削減に挑戦~中国コールドチェーン事業

2021年3月 1日

特集

産地から食卓まで。食品ロス削減に挑戦~中国コールドチェーン事業

都心に居ながら、いつでも野菜や果物の採れたての新鮮さを味わえる。できたての料理を好きな時にテイクアウトできる――さまざまな産地から届く生鮮食品を無駄なく美味しく消費する、そんな持続可能な社会の実現を目指し、パナソニックは冷凍冷蔵設備を中心としたコールドチェーン事業を展開しています。売れ残りや買いすぎによる食品廃棄の問題が国レベルでの課題となっている中国で、当社は収穫してすぐの農作物の保管から輸送、加工・販売に至る一連の領域において、多彩なソリューションを提供。食品ロス削減に貢献しています。


中国におけるパナソニックの事業展開は、1978(昭和53)年、時の鄧小平副首相一行が来日し当社のテレビ事業部(当時)を訪問したことに始まります。以来40年以上にわたり中国の人々のくらしを支え続け、近年では現地社員が現地のニーズに寄り添った技術やサービスを開発・提供する機会も増えてきました。コールドチェーン事業においては、生鮮食品を適正な温度に保ち続ける業務用冷凍冷蔵ショーケースなどで高いシェアを誇り、中国の「食」の安心・安全をサポートしています。

いま、中国の食品冷蔵流通市場は急激な成長を遂げています。しかし食品損傷率を見ると先進国が平均5%であるのに対し、中国では果物11%、野菜20%といった高い数字を記録。産地、そして物流プロセスでの廃棄ロス削減は、国を挙げての課題となっています。

グラフ:中国と先進国の生鮮品損傷率の比較

収穫した農作物をもっと新鮮なまま、もっと効率よく消費者のもとへ届けたい。そんな現場の声を受けて、当社は、産地を「ファーストマイル」、売り場から消費者へお届けする場を「ラストマイル」とそれぞれ名づけて、特に重点ポイントと位置づけ、上流から下流まで一気通貫のソリューションを展開しています。

図:中国におけるパナソニックのコールドチェーン事業領域

産地での急速予冷で廃棄ロス削減

農作物を新鮮な状態で輸送するためには、収穫後、規定の温度まで急速に冷却する「予冷」を行い、早めに低温環境下に置いてやることが重要です。この予冷によって作物の呼吸作用を弱め、いわば休眠状態にすることで、劣化や腐敗を防ぎ、品質保持期間を延ばすことが可能となります。しかし中国ではこれに対応できる保冷施設を備えている産地はまだ少なく、輸送用の冷蔵車両も十分ではありません。

そこで当社は急速予冷と、低温状態のまま保管・輸送ができるインフラの確立に向けて、「産地予冷移動式コンテナ」などのソリューションを開発しました。そして中国南西部の貴州省をはじめとする複数の自治体の協力を得ながら、ブルーベリーなどの農場においてコンテナを試用。産地予冷の効果について生産者の方々に実感いただきました。

写真:収穫したブルーベリーを「産地予冷移動式コンテナ」で予冷し、鮮度を保ったまま消費地へと輸送。

写真:収穫したブルーベリーを「産地予冷移動式コンテナ」で予冷し、鮮度を保ったまま消費地へと輸送。

収穫したブルーベリーを「産地予冷移動式コンテナ」で予冷し、鮮度を保ったまま消費地へと輸送。

この取り組みは2020年4月~11月にかけて、中国10カ所の産地で実施され、合計1,000トンを超える作物を対象に、ブルーベリーのほか、サクランボ、ドラゴンフルーツ、トウガラシなど、それぞれの作物にとって最適なタイミング・温度による予冷を行いました。短時間で予冷が完了した後は、鮮度を長く保てるようになったことで、農家での選別作業にもゆとりが生まれ、かつ廃棄ロスの大幅削減を叶えることができました。

また、予冷後にチルド保存した作物は口当たりの良さがアップするという結果も得られ、商品としての付加価値アップも実現。今回の成功を糧に、引き続き本事業への注力を続け、より多くの農産物が、より新鮮に、より幅広い消費地に行き渡るよう、取り組んでいきます。

写真:収穫したブルーベリーを「産地予冷移動式コンテナ」で予冷し、鮮度を保ったまま消費地へと輸送。

これまでは日持ちが2日とされ、貴州省の外に出荷されることがなかったサクランボ。予冷導入の結果、半径2,000km圏外の北京にまで輸送・販売することが可能となった。

「Smart Locker」で食品ロス削減と非接触の受け取りを実現

コールドチェーンの「ラストマイル」にあたる小売店舗や家庭では、商品の売れ残りや買いすぎた食材の廃棄がやはり問題となっています。流通の最終段階における食品ロス削減の取り組みとして、当社は「Smart Locker」ソリューションを開発・展開中です。

「Smart Locker」は、当社が長年培ってきた冷凍冷蔵技術のノウハウと先進のIoT技術を融合させた新しいサービス。消費者はフードサービスのテイクアウトやコンビニの商品をモバイルアプリやウェブサイト、売店から注文。生鮮食品は新鮮なまま、調理食品はできたての状態で専用ロッカーに配達されます。ショートメッセージで配達完了を知った消費者は、自分の好きなタイミングで商品を受け取りに出向くことができます。

小売店舗は発注を受けて初めて解凍・加熱・調理などを行えるため、食材の廃棄率削減につながります。また商品は消費者に最も近い場所にあるロッカーに配送されるため、消費者の住まい一軒一軒に配達するよりも店側のコストを低減でき、物流効率アップも実現。ロッカーを介した非接触での受け取りは、新しい生活様式にも沿った新しい物流のかたちとも言えます。

写真:上海のコンビニエンスストアに導入された「Smart Locker」

上海のコンビニエンスストアに導入された「Smart Locker」

写真:上海、北京などで人気のドリンク専門店「喜茶 HEYTEA」での導入例

上海、北京などで人気のドリンク専門店「喜茶 HEYTEA」での導入例

ロッカーはさまざまな食品・料理に対応できるよう、常温、加熱、保温、冷凍、冷蔵と、豊富なラインナップを展開。店舗のニーズに合わせて複数のケースを組み合わせることもでき、温度や取り出し口の寸法をカスタマイズすることも可能です。

写真:「Smart Locker」はフードコートの行列解消にも貢献

「Smart Locker」はフードコートの行列解消にも貢献

必要な時に、必要なものだけを注文し、好きなタイミングで引き取る。この消費スタイルが定着すれば、売る側、買う側、双方にとって時間と労力の節約につながり、結果として食品ロス削減へとつながります。当社は今後も、現地のニーズに合わせたコールドチェーンソリューションを提供し、省エネでありながら、より便利でより快適なくらしの実現に向けて取り組んでいきます。

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発表年月
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