持続可能な社会をつくるテクノロジー

"電気やあかり"を貧困解消の一助に~無電化地域ソリューションプロジェクト~

2020年11月17日

特集

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電気の通わない「無電化地域」にくらす人々は、世界に約8億人いると言われます(IEA(国際エネルギー機関)2020年11月時点の集計データ(2019年分)より)。当社は2013年から2018年にかけて「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を展開し、教育、医療、経済、安全といった課題解決への貢献を目指して、無電化地域に"あかり"を届けてきました。このノウハウを活かし、2018年からは「無電化地域ソリューションプロジェクト」を開始。持続可能なコミュニティ発展への貢献を目指して活動を続けています。



パナソニックは、創業当初より掲げる「事業を通じて人々のくらしと社会の発展に貢献する」という経営理念に基づき、当社の技術・製品を活用した企業市民活動(社会貢献活動)に取り組んでいます。
国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標1である「貧困をなくそう」をふまえ、企業市民活動においても「共生社会の実現に向けた貧困の解消」を重点テーマに設定。先進国や新興国・途上国に存在するさまざまな貧困や格差に対して、「人材育成」「機会創出」「相互理解」の3つの領域で課題の解決に取り組んでいます。

図版:「無電化地域ソリューションプロジェクト」におけるSDGsへの貢献。SDGsの17の目標のアイコン。左から、「目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」「目標3:すべての人に健康と福祉を」「目標4:質の高い教育をみんなに」「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」「目標1:貧困をなくそう」。

・「無電化地域ソリューションプロジェクト」におけるSDGsへの貢献:

「目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」の実践により、「目標3:すべての人に健康と福祉を」「目標4:質の高い教育をみんなに」「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」に貢献。さらにその結果として「目標1:貧困をなくそう」実現への貢献を目指しています。

「無電化地域ソリューションプロジェクト」は「機会創出」を通じて貧困解消に取り組む活動の一つとして、2018年からNGO / NPO団体と協働でインドネシア、ミャンマー、ケニアの3カ国で実施しています。
対象地域には当社のソーラーシステムを寄贈。合わせて、電気活用の啓発・教育プログラムも提供することにより、貧困解消の第一歩となる収入や学力の向上と、最終的には「コミュニティの自走」による持続可能な発展を目指します。さらに各地域のニーズや課題をふまえて最大の成果を創出するべく、農産物や魚の加工・販売によるコミュニティビジネスの開発、ソーラーポンプで畑に水を供給しながらの野菜作りおよび販売などに取り組んでいます。

図版:「無電化地域ソリューションプロジェクト」寄贈商品。左から、ソーラーシステム、小型ソーラーシステム エネループソーラーストレージ、ソーラーランタン。

主な活動成果

●インドネシア
・事業地:西カリマンタン州 Semitau 副県、Suhaid 副県内 Kupuas Hulu 地区
・事業地の特徴:世帯の平均収入は約8ドル~12ドル/日。都市部よりも物価が高いため、生活が困窮しやすい。
・実績:ソーラーシステムによる電気活用で、現地農産物・淡水魚の加工品開発・販売に成功。
・協力団体:ディアン・デサ財団、アジア・コミュニティセンター21

写真:現地NGOが栽培したスーパーフード、モリンガの苗(写真左)と、それを畑で育てる農民(写真右)。

現地NGOが栽培したスーパーフード、モリンガの苗(写真左)を農民が受け取り、自らの畑で育てる(写真右)。収穫分は現地NGOが買い取る。

写真:乾燥モリンガを粉末にして(写真左)カプセルに詰め(写真中央)、包装をして完成(写真右)。

乾燥モリンガを粉末にして(写真左)カプセルに詰め(写真中央)、包装をして完成(写真右)。

●ミャンマー
・事業地:エーヤワディー地方域 モウービン県 パンタノー郡 ベービンセンナ村
・事業地の特徴:世帯の平均収入は、約2.5ドル/日。人口1,845人。交通の便が悪く、95%が農民で、主な産業は米と豆の裏作。2016年、日本のNPOの支援で村の中心に学校が設立される。同年に学校を建設した6村の中で、一番早く村民達から設立資金が集まった自立意識の高い村。
・実績:ソーラーシステム設置に加え、学校の生徒寮にLED照明も設置。夜間学習を強化することで進学率(卒業試験の合格率)が2年間で17%から32%に向上。
・協力団体:れんげ国際ボランティア会(ARTIC)

写真:ディーゼル発電機の代わりに当社のソーラーシステムの電気を使い始めたミャンマーの学校。

ディーゼル発電機の代わりに当社のソーラーシステムの電気を使い始めた学校の生徒たちからは「発電機の音がなくなって勉強に集中できるようになった」と好評。

●ケニア
・事業地:ナロク県 ナロク南準県 エランガタ・エンテリット地域 エンクトト地区 イルキマティ村
・事業地の特徴:世帯の平均収入は、約2.5ドル/日。タンザニア国境近く、マサイ族約3,700人が暮らす村。この地域に産業はなく、家畜の牛と山羊が唯一の資源。約150世帯への事前調査では60%以上が食糧不足、教育環境の改善が課題。
・実績:学校菜園に電動水ポンプと点滴灌漑を設置し、トマトやスイカを栽培。養鶏による鶏卵販売も実施。これらの売上で学校給食を毎日提供できるようになり、子どもたちの出席率向上にも貢献。夜間には大人向けの識字教室も開催。診療所では夜の診療が可能になったほか、ワクチンを冷蔵保管できるようになり、予防接種数が倍増した。
・協力団体:ワールド・ビジョン・ジャパン

写真:ソーラーランタンのあかりを使用するマサイ族の家。

マサイ族の家には小さな窓が一つしかないため、室内は非常に暗い。これまで家の中ではケロシンランプを使用していた。ソーラーランタンのあかりを使えば、ケロシンによる健康被害の低減や、灯油代削減による経済性向上が見込まれる。

写真:小学校での夜の補習授業の様子

小学校での夜の補習授業の様子

写真:畑で、トマト、とうもろこし、スイカなどを栽培するケニアの子どもたち

生徒や学校職員が耕した約3エーカーの畑で、トマト、とうもろこし、スイカなどを栽培。学校に行けば食事ができることが、子どもたちが学校に通う大きな理由のひとつに。

  • 写真:診療所で冷蔵庫で保管されているワクチン。

    診療所ではワクチンの冷蔵庫保管が可能になった。

現在取り組みを続けている3地域については、2021年度(2022年3月末)でそれぞれのコミュニティが自走していく方向で進捗しています。2022年度以降は新たな活動に取り組むべく、準備を進めています。
誰もが歓びを分かち合い、活き活きとくらす「共生社会」の実現に向けて、当社は引き続き本プロジェクトを推進していきます。

 

Photos

  • 写真:ソーラーランタン

    ソーラーランタン

  • 写真:エネループソーラーストレージ

    エネループソーラーストレージ

  • 写真:「無電化地域ソリューションプロジェクト」担当のパナソニック株式会社 ブランド戦略本部 CSR・社会文化部 主幹 水野 準一

    「無電化地域ソリューションプロジェクト」担当のパナソニック株式会社 ブランド戦略本部 CSR・社会文化部 主幹 水野 準一

※ソーラーランタン、エネループソーラーストレージともに、日本国内には展開しておりません。

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発表年月
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