創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム」

Beyond2020~その先のレガシー構築に向けて

2018年11月16日

特集

Beyond2020~その先のレガシー構築に向けて

2020年に向けて、東京そして日本が大きく変わろうとしています。現在抱えている社会課題を解決し、誰もが安心・安全でくらしやすい社会を実現していかなければなりません。本セッションでは、2020年を契機として、その先に構築されるレガシー(スポーツビジネス/障がい者から見た社会インフラ・生活インフラ等)のあり方について、登壇者が各々の立場での課題提起と、解決の方向性について語りました。

講演名:Beyond2020シンポジウム~2020年およびその先のレガシー構築に向けて~
日時:2018年11月2日(金) 16:40~17:50
登壇者:
パナソニック株式会社 執行役員 井戸 正弘
株式会社Deportare Partners 代表 為末 大氏
株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内 俊哉氏

初めに、当社の井戸が登壇。パナソニックが1988年以来、30年間17大会にわたりワールドワイド公式パートナーとしてオリンピックをサポートし続けてきたことに触れると共に、パラリンピックでは1998年の長野冬季大会から映像音響機器・サービスを提供してきたことを紹介。さらに、2014年には日本企業としては初めて、国際パラリンピック委員会と2014年から2020年の6年2カ月にわたるワールドワイド公式パートナー契約を締結したと述べました。

写真:パナソニック株式会社 執行役員 井戸 正弘

そして、東京2020オリンピック・パラリンピックでは「大会への貢献だけではなく、これまでのスポンサーシップのノウハウを活かしながら、社会課題の解決、そしてレガシーの形成にも注力をしていきたい」と語りました。ここで言うレガシーとは、「大会後、開催国・都市に残される持続的な効果、遺産」のこと。例えば、東京1964オリンピックの際には、首都高速、新幹線、モノレールといったインフラが整備されたほか、スポーツ文化が根付くといったレガシーが形成されました。

2020年に向けて、パナソニックでは「5スマート&ネクスト3」という8つのソリューションを提案しています。井戸は檀上で、渋滞解消のための電動アシスト自転車のシェアリングサービスや、暑さ対策としての屋外用ミスト式冷却機「グリーンエアコン」などを紹介しました。

「パナソニックは新幹線やモノレールをつくることはできない。しかし我々は、もし2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されなければ、おそらく世の中には出ていなかったであろう、新しい商品・ソリューションを、必死で生み出そうとしているところだ」と井戸は語り、「パナソニックは施設空間全体をひとつの商品・パッケージとして創出し、施設の資産価値を向上していく」と強調しました。

次に、為末氏が登壇。1950年代初頭、陸上界で2年の間に8回記録が更新された話に触れ、「人間の限界というものは、身体の限界ではなく、思い込みから来ているのではないか」と語りました。常に限界に挑戦してきた彼にとって「どうすれば思い込みをなくして、本来のパフォーマンスが発揮できるのか」は重要なテーマとなり、現在推進しているさまざまなサポート活動も、人間の可能性を拓くことに集約されるものであることを紹介しました。

写真:株式会社Deportare Partners 代表 為末 大氏

さまざまな形でスポーツに関わっている為末氏。その目的はスポーツ産業を拡げていくことにあると述べ、「スポーツ系スタートアップのためにシェアオフィスを立ち上げて、あえて『カオス』の状態を作っている。何かが生まれる場所は、ある程度『カオス』の状態であることが望ましい」と語り、そのシェアオフィスから、Tリーグ(卓球のプロリーグ)を立ち上げたチームが巣立っていくといった実績もアピールしました。

2020年については、「日本のマインドセットを変えることができれば、それが大きなレガシーになるのではないか」と述べ、「今、我々を取り巻く閉塞感や思い込みをガラリと変えることで、新たな方向性を打ち出すようなコンセプトが現れてくることに期待したい」と語りました。

最後に登壇したのは、垣内氏。彼の率いる株式会社ミライロの理念は「バリアバリュー」。障がい(バリア)を価値(バリュー)に変えるということを意味しています。

生まれつき骨が弱く、車いす生活を強いられていた垣内氏は、自分は不幸だと考えていましたが、松下幸之助の著書を読んで意識が変わったと語ります。「松下幸之助が成功した理由として、学歴がなかった、身体が弱かった、貧乏だったという3つのネガティブな要素が挙げられていました。学歴がなかったから、わけ隔てなく皆の話に耳を傾けられた。身体が弱かったから、仕事をどんどん人に任せ、その結果、組織が大きくなった。貧乏だったから、わずかな給料でもお客様の『ありがとう』の言葉で満足・成長できた。このエピソードに触れ、マイナスもプラスになるという新たな気付きをもらいました」と振り返り、「障がいは無いほうがいいに決まっている。でも、それは、不幸ではなかった。障がいを強みとし価値に変える、『バリアバリュー』という考え方に行き着いた」と語りました。

写真:株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内 俊哉氏

最後に垣内氏は、「これからは、環境・意識・情報という3つのバリアをなくすことが重要」と強調。「環境」については、もうバリアを作らない。「意識」については、人びとのハートを変える「ユニバーサルマナー」を広げていく活動を推進中。「情報」については、すべての建物のバリアフリー情報を集約したアプリを制作中であると述べ、「これら3つのバリアをなくすことで、社会貢献とビジネスという両輪を確立し、新たな未来を生み出していきたい」と熱く語りました。

最新情報はこちら

パナソニック創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」特設サイト https://www.panasonic.com/jp/100th/forum.html

発表年月
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