創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム」

スマートシティでの「つながりかた」を探る

2018年11月20日

特集

スマートシティでの「つながりかた」を探る

モノを「所有」する時代から、「利用」する時代に変わりつつある昨今、これからのくらしの「場」となるスマートシティで、人と人のつながりはどうなるのか、そのとき街はどうあるべきなのか。都市工学、地域活性化、アーティスト各々の視点によるディスカッションを開催しました。

講演名:つながりのあるくらし~未来のスマートシティ~
日時:2018年11月2日(金) 12:15~13:15
登壇者:
アーティスト スプツニ子!氏
東京大学 まちづくり研究室 教授 小泉 秀樹氏
一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事 内閣官房地域活性化伝道師 木下 斉氏
日経BP総研 クリーンテック ラボ 所長 河井 保博氏

冒頭、小泉氏からスマートシティの事例として、米国・シアトルの現状紹介がありました。政策面ではeガバメント、スマートガバメントの推進、エネルギー面ではスマートグリッドを進めるなど、官民連携で都市を整備した結果、「スマートな企業、スマートな人々」が集まる先進的な街が誕生した。その一方で、スマートシティのエリア外に暮らす住民たちとの間に生じてきた矛盾などについても触れられました。

写真:東京大学 まちづくり研究室 教授 小泉 秀樹氏

事例紹介の後、登壇者の方々が集い、ディスカッションがスタート。スプツニ子!氏は、「海外の友人に東京を案内すると、最新のスポットよりも、昔からある雑多な繁華街のほうが喜ばれたりする」と述べ、「街にはカオスを生み出す『スキ(隙)』が必要ではないか」と問いました。それを受け、小泉氏は、シアトルにもかつては「スキ」が多かったこと、多彩なアーティストや時代を切り開くベンチャー企業がそうした「スキ」から登場したことを述べ、これからは、"余白"を残しながらの街づくりが肝心なのではないかと語りました。

地方活性化に携わる木下氏も、日本でも地方都市には"余白"が残っており、イノベーティブな企業が生まれることが多いとし、「スマートな人には職住接近が大きなニーズとなる。今後はむしろ、"余白"の多い地方都市が生産性の高い街となる」と話しました。

次に、スプツニ子!氏から、「『ヒマ』な人が、他の忙しい人の要件をこなす社会」を提案。「時間に余裕のある人が学生のために食事を作ってあげる」などの例をあげ、それが「つながりのあるくらし」だと話しました。

木下氏は官民で協力して新しい仕組みを作っていく必要性に触れ、シェアリングエコノミーの一例として、「空き家を使ったシェアキッチン」を提案。地域住民が空間を有効活用し、良い循環が生まれることで、新しいつながりの場を創造できる可能性を示唆しました。

スプツニ子!氏は、「シェアキッチンの構想は大変魅力的。町内のおばあちゃん、おじいちゃんが交代で料理をし、若者がごはんを食べにくるような環境が創れたら」と述べ、「結婚・子育て・マイホーム」といった昭和の価値観とは異なる、新しい考え方の人に向けた新しい街づくり・コミュニティの在り方を提案しました。

写真:「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」でのセッション「つながりのあるくらし~未来のスマートシティ~

河井氏が、「これからいかに『スキ』を見つけていくか。『ムダ』ではなく、『スキ』を活かしていくことができれば、今までと全く違うユニークなくらしのスタイルが生まれてくるのではないか」と問うと、木下氏が「今、地方では、各地域が『自分たちの土地で、自分たちが幸せになること』を最優先とし、街おこしを見直していっている。地域ならではの独創的なアイディアが数多く生まれている。官民で協力してテクノロジーを活用していくことがカギ」と語りました。

小泉氏は、新しい価値観を受け入れる"余白"のある街こそが、これからの「住みやすい街」となるだろうと予測。「地方という器はそのままに、いかに多様性を引き出せるかがポイントになってくる」と語り、ディスカッションを締めくくりました。

写真:「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」でのセッション「つながりのあるくらし~未来のスマートシティ~

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パナソニック創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」特設サイト https://www.panasonic.com/jp/100th/forum.html

発表年月
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