創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム」

【特別講演】「ブルー・オーシャン戦略」のチャン・キム氏が語る

2018年11月19日

特集

【特別講演】「ブルー・オーシャン戦略」のチャン・キム氏が語る

競争の激しい既存市場(レッド・オーシャン)から離れて、競争のない未開拓市場(ブルー・オーシャン)を切り開こう。この画期的な経営戦略を説いて、世界中の企業が新たなバリューイノベーションへとステージアップするための道を示したキム氏。「なぜ今バリューイノベーションが必要なのか、どうすればブルー・オーシャン・シフトを実践できるか」のヒントについて、提唱者ご本人による特別講演が開かれました。

講演名:ブルー・オーシャン・シフト~競争を超えて~
日時:2018年11月2日(金) 13:00~14:00
登壇者:経営学者 チャン・キム氏

キム氏がレネ・モボルニュ氏との共著で、「ブルー・オーシャン戦略」を発表したのは1997年。檀上でキム氏は、「既存の競争原理をくつがえすものとして注目されたこの『ブルー・オーシャン戦略』は、競争の激しい既存市場から離れ、競争のない青い海(未開拓市場)を切り開くべきとする理論。そして、未開拓市場を開くには、従来には無かった新しい価値の創造(バリューイノベーション)が欠かせない」と説明しました。

写真:経営学者 チャン・キム氏

「テクノロジーのイノベーションとの違い」「どうすればこの戦略を将来の利益や成長に結びつけられるか」について、キム氏はまず、1970~90年代に世界を席巻したある日本企業が2000年代になって凋落し、それと反比例するようにアメリカのデジタル系企業が急成長したケースを示しました。「日本企業は行き詰まりの理由を『本業の市場構造の悪化』だと考えて事業の多角化に走り、それがさらなる収益悪化を招いたのに対して、アメリカ企業は本業領域での価値創造に挑戦。それまでなかった価値を提供できる商品を生み出すことで成功した」とキム氏は述べ、「大ブレイクした新商品は決してハイテクではなく、他社が持つ要素技術を借用しながら、どこで利益が生まれるかのアイディアを開発できたことで成功を呼び寄せた」と強調。テクノロジーを持っていることでなく、「バリューイノベーション」をどれだけ起こせるかが価値を生み出すポイント。これこそが「ブルー・オーシャン戦略」だと語りました。

写真:経営学者 チャン・キム氏

キム氏は、日本企業にはテクノロジーがあるので、それを使ってどう利益をあげるかを考えるべきだと呼びかけ、「日本企業は1970~90年代にかけて技術イノベーションで成功したが、脅威を感じた米国はルールを書き換え、ハードからソフトへと時代を転換させた。その構造変化の末に、今、行き詰まりを感じているなら、既存の市場で争わず、新しい市場を創ってしまおう」と訴えました。

「いかに競争するかだけに向き合ってきた企業人が、いざ『バリューイノベーション』を起こすには、自分を変革し、考え方をも変革するほかない」と呼びかけ、「限られた既存顧客を奪いあうマーケティング戦略から創造は生まれない。50%の成功率では十分ではないという意識を変え、トライ&エラーが許容されれば、日本でも『バリューイノベーション』を実践しやすくなる」とのヒントを提示しました。

写真:経営学者 チャン・キム氏

また、「イノベーションは破壊力でもある」とキム氏は話し、「ブルー・オーシャン・シフト」を実践することで市場のリーダーに成長した調理器具メーカーを例にあげ、常識を破壊する製品の開発で新たな需要を創造し、市場内競争の枠組みを破壊することができると訴えました。

終盤でキム氏は、従来縁遠かったユーザーを惹き寄せられる新製品を投入することで、新たに創出された需要の独占に成功した日本企業の例を紹介。これがまさに「バリューイノベーション」の真髄だと訴え、「パナソニックに代表される奥深いテクノロジーを持つ日本企業の潜在力は大きい。『ブルー・オーシャン・シフト』による、さらなる成長に期待している」とエールを送りました。

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パナソニック創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」特設サイト https://www.panasonic.com/jp/100th/forum.html

発表年月
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