創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム」

モビリティの進化が、消費のスタイルを変える

2018年11月 8日

特集

モビリティの進化が、消費のスタイルを変える

人手不足が深刻な状況となっている流通の世界に、今、大きな変革の波が押し寄せています。無人運転技術をはじめとするモビリティの進化が、流通はもちろん、私たちの社会やくらしまでを大きく変える可能性を持っています。今回はモビリティの専門家の方々に登壇いただき、モビリティの未来、そして日本の未来の姿を聞きました。

講演名:モビリティの未来~進化に伴う移動と流通のこれから~
日時:2018年11月1日(木) 9:00~10:00
登壇者:
日本大学 交通システム工学科 特任教授 石田 東生氏
CARTIVATOR 共同代表 中村 翼氏
オートインサイト 代表 鶴原 吉郎氏
日経BP社 日経BP総研 フェロー 仲森 智博氏

冒頭、モデレーターの仲森氏から、これからの数年でモビリティはどう変化していくのかという問いが投げかけられました。それを受け石田氏は、高速道路のトラックの無人運転化と、時速15キロ以下の移動体の無人運転化は、できていなければむしろ問題だと返答。同時に、インフラの整備も急務であると強調しました。

「空飛ぶクルマ」を開発している中村氏は、ドローンが世に登場して以降、「空飛ぶクルマ」にも一気に注目が集まったとし、2025年頃には「自動運転の空飛ぶクルマ」も存在し得るであろうと答えました。また、国内外で実証実験が活発に進められていることも報告しました。

写真:CARTIVATOR 中村 翼氏

鶴原氏は、無人運転が自動車そのものの形態を変える可能性があると語りました。運転することや座席が不要になることで、例えばパナソニックが発表したeコミューター「SPACe_C」のように車内スペースを広くゆったり取り、中で映画を見る、勉強するなど多様な用途が可能になる、つまり車が「モノ」から「サービスを提供する場」に代わる可能性を示しました。

モビリティの進化がどれほど社会にインパクトを与えるかという問いに対し、石田氏は、過疎地で公共交通が減少している問題、自動車のCO2排出問題、高齢者の交通事故多発問題の解決が図れ、さらに物流業界にも大きなインパクトを与えるだろうと答えました。

写真:日本大学 交通システム工学科 特任教授 石田 東生氏

中村氏は、「空飛ぶクルマ」が道を必要としない点を最大の特長とし、渋滞回避による生産性の向上、有事の場合は災害や事故などの緊急対応時に時間短縮できる点が社会的に大きなインパクトを与えると語りました。

鶴原氏は、「モビリティの進化が、都市やコミュニティ、人と人との関係性の再設計を促すのではないか」と述べ、非常に面白い取組みになるだろうと述べました。

仲森氏からの「流通の無人化が進めば、人は実店舗で買い物をしなくなるなど、社会が大きく変わるのではないか」という問いに対し、石田氏は「実物に触れたい、見たいと思う魅力的な商品があれば、実店舗がなくなることはない。社会的動物である人間は、他者と出会うことで成長する。出会いの場を広げる役割を持つモビリティの未来を、みんなで考えていかねばならない」と話しました。

鶴原氏は、消費が「手早く便利に済ますもの」と「心を満たすもの」に2極化する可能性を示唆し、「心を満たすエクスペリエンスを届けるような発想も必要」と語りました。また、無人自動車の普及により自動車を買う人がいなくなるのではないかという懸念に対しては、「走る喜び」を感じたいという人に対して、情緒的な価値を提供するという解決の方向性もあると述べました。

中村氏は「道が不便なところにモノを届けるのは、非常にクリティカルな問題である」と述べ、それを「空飛ぶクルマ」で解決することで、人々の生き方や、くらし方のバリエーションが、いっそう豊かになることにつながると語りました。

「移動すること」や「流通」において、さまざまな選択肢が増えていくことで、人々の心の満足感が高まる。そんな未来を支える要素としてモビリティの進化がますます重要となってくることを確認し合い、セッションは締めくくられました。

最新情報はこちら

パナソニック創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」特設サイト https://www.panasonic.com/jp/100th/forum.html

発表年月
発表年月