創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム」

大企業内でイノベーションを起こした"仕掛け人"たち

2018年11月 2日

特集

大企業内でイノベーションを起こした"仕掛け人"たち

移り変わりの激しい現在の市場において、日本の伝統的大企業にはイノベーションが不足しているという指摘が少なくありません。一方で、そのような企業風土に革新を起こすべく、多くの企業では新規事業創出の組織が創設され、イノベーションを生み出すための取組みが実践されています。本セッションでは、企業で今まさに取組まれている事例を紹介しながら、企業内でイノベーションを起こすにはどのような困難があり、それをいかに乗り越えていくべきかを議論しました。

講演名:大企業でイノベーションを起こすには
日時:2018年10月31日(水) 13:00~14:30
登壇者:
早稲田大学ビジネススクール 経営学博士 准教授 入山 章栄氏
ヤマハ株式会社 ブランド戦略本部 マーケティング統括部 UX戦略部 UX企画グループ リーダー 畑 紀行氏
株式会社LeapsIn(キリン社発ベンチャー) 代表取締役 日置 淳平氏
パナソニック株式会社 アプライアンス社 ゲームチェンジャー・カタパルト代表 深田 昌則
モデレーターの入山氏

モデレーターを務めた入山氏はまず、「イノベーションとは、今ある既存の知と、それとは全く別の既存の知との、新しい組み合わせである」と説明しました。ただ、人間の認知には限界があり、つい目の前にあるものを組み合わせてしまうと指摘。特に大企業では、同質の人に囲まれていることが多く、新しい組み合わせが出にくいという弊害があると言います。これを回避するには、できるだけ遠くに存在する知を探索し、数多くの組み合わせを試すことが必要になります。しかし、知の探索には、「一見ムダに見える」「失敗が多い」「すぐに成果が出ない」といった側面があり、ここに大企業から新規事業が生まれにくい原因が潜んでいると指摘します。

続いて、3人の"仕掛け人"たちがそれぞれの企業内でどのように新規事業創出に関わってきたのかが紹介されました。

ゲームチェンジャーカタパルトについて説明する当社深田

まず、当社の深田から、「ゲームチェンジャー・カタパルトは、不安定で不確実な時代に、パナソニックが新しい事業に挑戦する仕組みを提供するもの。ミッションは、未来の『カデン』を生み出すこと。自分のアイディアで社会の課題を解決しよう、新しい価値を生み出そうという社員のための『発射台(カタパルト)』です。社内コンテストでアイディアを募り、いいアイディアが出たら予算をつけ、プロトタイプをつくり、フィードバックを得るとともに、さまざまな新しいパートナーと出会う仕組みを提供する。キーワードは『Unlearn & Hack』。過去に教わったやり方は、もはや通用しない。自身の体験や考え方を捨て、新しい価値を生み出すことを目指している」と述べました。

「バリューアンプリファイア」について説明する畑氏

畑氏は、企業内で「バリューアンプリファイア」という仕組みを作りました。「人と、その人が持つ想いに焦点を当てたインキュベーションプロセスであることが特長。一番大事にしているのは、ビジョンにこだわり手段にこだわらないという点。社内の"若い起業家"たちを鍛え、外へ出て羽ばたいていってもらおうという仕組み」と説明しました。具体的な製品として、「OMOTENASHI GUIDE」と称する外国人向け音声アナウンスの可視化システム、コンピュータの合成歌唱技術をPCではなくキーボードで行う「VOCALOID Keyboard」などを紹介しました。

プロジェクトについて説明する日置氏

日置氏は、キリン社内から応募する形で、別法人の立ち上げにチャレンジしました。「例えば世の中の食品系のスタートアップ企業や、地域で特産品を商品にしたいが工場が見つからない場合など、量産化へ課題を持つ人たちと一緒にプロジェクトをつくって、スケールアップ部分だけに特化したサービスを展開しています」と語ります。

続いて、「大企業内で新規事業を生み出す上での課題」として大きなテーマになったのが、「尖ったアイディア」の扱い方です。

畑氏の「従来の製品の延長線上にない新規性のあるアイディアは、なかなか理解してもらいづらい」、日置氏の「事業領域の観点から、社外で立ち上げるか、社内で事業を行うかについて設計が難しい」といった課題に対し、深田は、自社では事業化できないアイディアに対して、ベンチャーキャピタルと提携することで外部での事業化を図れるようにした仕組みを紹介しました。

また、トップがコミットすること、当事者にビジョンやパッションがあること、未完成品であったとしても許す風土があることなどが重要であるとの意見が交わされました。

Game Changer Catapult(ゲームチェンジャー・カタパルト)とは

パナソニック アプライアンス社が、社外との共創によるオープンイノベーションや、社内でのボトムアップによる新しい事業アイディアの発掘・育成を強化、推進するため、2016年7月にスタートした組織です。事業部の枠組みを超えた自由な発想とスピード感を基軸とし、消費者のみならずビジネスパートナーや同業他社を含めた業界全体を巻き込んだコミュニティの創造を目指したビジネスモデルを想定しています。

公式サイト:http://gccatapult.panasonic.com/
Facebook:https://www.facebook.com/gccatapult/
Twitter:https://twitter.com/GCcatapult

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パナソニック創業100周年記念「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」特設サイト https://www.panasonic.com/jp/100th/forum.html

発表年月
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