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お客様と共に創る未来 -アクティブリンクのパワーアシストスーツ開発-

2016年5月25日

特集

お客様と共に創る未来 -アクティブリンクのパワーアシストスーツ開発-

2016年2月、埼玉県の物流倉庫に一体の装置がやってきました。高齢化が進み、労働力不足という課題を抱える日本で、これからの働き方を変える可能性に満ちた「パワーアシストスーツ」の実証試験が始まろうとしています。この「パワーアシストスーツ」を開発したのはパナソニックの社内ベンチャー企業として2003年に誕生したアクティブリンク株式会社(以下、アクティブリンク)。今回のビデオでは、お客様である物流企業とパートナーシップを結び、現場で使う人の目線に徹底して寄り添いながら新しい価値を創造していく同社の挑戦をレポートしています。

アクティブリンクは創業から13年間、作業現場での負担軽減を目指してさまざまなパワーアシストロボットを製作してきました。同社の藤本 弘道社長は、創業時から変わらない思いを次のように語っています。「力の面での障壁をなくす『パワーバリアレス』によって、必ず社会にいいことが起こると私たちは考えています」。

最新試作機、通称「忍者」は、"重い物を持ち上げて歩く"という作業を念頭に置いて開発された全身型の「パワーアシストスーツ」。下半身部分は、荷物を持って運ぶ際に人の脚が立ち上がる動きを、上半身部分は、腕を上に持ち上げるアシストを行います。開発がスタートしたのは2013年。以来3年かけて、徹底的に軽量化を追求してきました。2015年に鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいて給油活動のデモンストレーションを行った「忍者」ですが、いよいよ実際の活躍が想定される現場のひとつで、その実力が試される時がやってきたのです。

試作機のなるべく早い段階で世の中に公開することで、多くの人から「もっとこう使えるのでは」という示唆をもらい、用途開発の足掛かりにすることを重視している藤本社長。同社商材開発グループの小西 真グループマネージャーと幅崎 昌平技師も期待と緊張をもって見守る中、実証試験が始まりました。

試験の現場となったのは家具メーカー、ニトリの物流倉庫。内部では作業員がさまざまなサイズの荷物を持ち上げては運んでいます。「けっしてラクではない仕事で、働き手の確保は難しくなる一方。とは言え100%機械化することも無理だと思う」とは現場スタッフの方の弁。そんな現場にこそ、一日でも早い「パワーアシストスーツ」の本格導入が期待されています。現場には初めて披露される「パワーアシストスーツ」の姿を見ようと大勢の関係者が集まりました。

手始めに重さ26キロのソファを運んでみた現場スタッフは、次のように語りました。「本当にラクですね。全然力を入れないで持ち上がりましたし、腰の負担も膝の負担も全然なかったです」。

一方で、この実験を通して新たな課題も見えてきました。大きなサイズの荷物を持つ時、人間は腕を肩幅までいっぱいに広げて荷物を挟むように持たなければなりませんが、そのような動きに「パワーアシストスーツ」はまだ対応できていなかったのです。また、普通に歩く時のように自然に腕を振ってバランスを取るのが難しく、脚だけを動かすぎこちない歩き方になってしまう、ついには動きの激しさに耐えられずに部品がはずれてしまう、などの課題点も。しかし藤本社長は、こうした気づきこそが開発をさらに推進する原動力になると語ります。

「現場と一緒になって作り上げていくという姿勢でなければ市場は作れない」という思いで、「パワーアシストスーツ」という新しい、今までなかった価値を世に問おうとしている藤本社長。開発スタッフと共に今後も実際の現場からさらなる課題を得、解決策を出し、さらに試験を重ねていきます。こうして熟成されていく「パワーアシストスーツ」は、早ければ2017年の春の製品化を目指しています。アクティブリンクの挑戦は続きます。

発表年月
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