動画レビュー

LEDの光の演出で美しく浮かび上がる「平等院ミュージアム鳳翔館」の国宝たち

2016年1月28日

特集

LEDの光の演出で美しく浮かび上がる「平等院ミュージアム鳳翔館」の国宝たち

貴重な国宝や文化財が持つ本来の表情や色合い、細部の模様を正確に美しく照らす---
そんな照明演出が、パナソニックのLED照明器具によって、平等院(京都府宇治市)の博物館「平等院ミュージアム鳳翔館」で実現しました。
最新のあかりに照らされた展示物の美しい映像をご覧ください。

平等院は約1000年前に建立され、建造物や仏像、彫刻、絵画を今日に伝え、「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されています。平等院の住職、神居 文彰(かみい もんしょう)氏はこのたびの照明演出について次のように語ります。「平等院には鳳凰堂という非常に優美で圧倒的な平安時代の建造物が残っています。その建造物の中にある様々な仏の姿、絵画、美術工芸品の大半が『平等院ミュージアム鳳翔館』に収蔵されています。今回願ったのは、『この光でないと見ることができない世界』を映し出すこと。さらには『そのもの自体の本質が映し出される』ということです」

今回の照明演出は、東京国立博物館 学芸企画部企画課デザイン室長の木下 史青(きのした しせい)氏が監修しました。パナソニック エコソリューションズ社 ライティング事業部 照明デザイン担当 發田 隆治(ほった りゅうじ)は語ります。「LEDは色温度が自由になったり、配光制御ができたりということで、一点一点の作品らしさを表現できるのではと思っていました。また作品保護の点においても、LEDの光は紫外線や赤外線が非常に少ないため、作品へのダメージを与えにくい光と言えます」

細部にわたる調整を経て、2015年11月、ミュージアムに最新のLED照明器具約400台が納入(※1)されました。従来照明と比べ消費電力は70%の削減(※2)に。また従来照明と年間のランニングコスト(電気代と交換ランプ費用)を比べた場合、約82%の削減(※3)となり、省エネと経費節減も実現しました。

■エントランスを照らす
直線が続くエントランスでは、屋根が三段階に段々高くなっていき、最終的には外部からの自然光が入るようになっている。ここでは色温度の高いLEDの光により、日没後も自然光が差し込んでくるようなイメージも作り得るように考えられている。

■国宝「梵鐘」を照らす
梵鐘がもつ独自の青銅色を美しく、忠実に表現。全体的には台から浮かぶような印象になるように、そして表面に刻印されている獅子や天人等が光で平面化せず立体的に映し出されている。

■国宝「鳳凰」を照らす
暗い展示室の中で「鳳凰」だけが浮かび上がるよう光をフォーカス。床や壁に出るマルチシャドウ(多重影)を解消し、力強さを表現。

■国宝「雲中供養菩薩像」を照らす
「まるで天空の中、雲の中から現れてくる、淡くそして明確な意思を持ったお像を一つずつ個別に、そしてそれが一体化するような表現の照明を実現していただいた。隣のお像の光が他の像に干渉しあってはいけない、ということも大切になります」と神居住職。下部からの光で浮遊感を表現。

■企画コーナーを照らす
つど展示物が入れ替わる企画コーナーでは、スマートフォンやタブレットなどのタッチ操作で光の照射方向・範囲・明るさを簡単に調整できるシューティングスポットライトを設置。高所での作業が不要となり安全性も確保。

「光というのは黒子の部分もありますので、実際は、お客さんが光そのものに気付かない場合が多いかもしれません。でも『なにかこの美術館、博物館はいいな』と思っていただけて、その裏では実は照明が役立っていた、というのが一つの理想かなとは思います」と發田は語ります。

神居住職は次のように語ります。「仏教の考え方または造形、建築もそうですが、これで『完成』ということを言わないんです。常に完成に至る前だということ。今回の照明でもそうです。パナソニックさんは様々な実験をしてくださっています。本当にこれでいいのか、これで終わりではない、と。もし次に来ていただける時でも、きっと新しい照明の表現がされていると思います。常に新しい出逢い、これをパナソニックさんと一緒に歩んでいきたいと思っています」

※1:一部工事は2016年7月めどに実施予定
※2:経済比較条件 1日8時間、365日点灯として試算/既存光源を今回納入のLED照明器具に置き換え
※3:1日8時間の点灯を1年間続けた場合では従来照明のランニングコストが年間で約202万円、今回納入したLED照明器具では年間約37万円と大幅削減

発表年月
発表年月