プレスリリース

2011年11月24日

マルチメディア放送対応機器を小型かつ、高感度、低消費電力で実現可能

業界最小※1、ISDB-Tmm対応ワンチップモバイルDTVフロントエンドLSIを開発

2011年12月 量産出荷開始

※1 2011年11月24日現在、当社調べ。ISDB-Tmm対応DTVフロントエンドLSIとして。

ISDB-Tmm対応ワンチップDTVフロントエンドLSI

【要旨】

パナソニック株式会社セミコンダクター社は、携帯端末向けマルチメディア放送(ISDB-Tmm)[1]規格に準拠した業界最小※1のワンチップモバイルDTVフロントエンドLSI(品番:MN88551)を開発し、2011年12月より量産出荷を開始します。

【効果】

本製品を使用することにより、スマートフォンやタブレット端末などの各種モバイル機器において、2012年春からサービス開始が見込まれる携帯端末向けマルチメディア放送(モバキャス[2]※2)視聴機能を、小型かつ、高感度、低消費電力で実現可能です。

【特長】

本製品は以下の特長を有しております。(*:当社従来比)

  1. 携帯端末向けマルチメディア放送対応の広帯域RFとOFDM[3]復調回路、誤り訂正用メモリ[4]をワンチップLSIに統合し、WLCSP[5](4.2mm×4.5mm×0.4mm/0.4mmピッチ)の採用により、業界最小サイズを実現
  2. 国内ISDB-T[6]規格の全方式(ISDB-Tmm/フルセグ/ワンセグ/ISDB-Tsb[7])に対応するとともに、移動時のフルセグ受信性能を約20%向上*、機器の高感度化を実現可能
  3. 携帯電話特有の妨害耐性を強化するとともに、フルセグ受信時の消費電力を約60%削減*、高感度かつ長時間視聴を実現可能

【内容】

本製品は以下の技術によって実現しました。

  1. 高感度、広帯域なRFを、65nmDRAM混載プロセス上に搭載可能にする高周波回路設計技術
  2. 高速移動する携帯機器に最適な高精度、低消費電力OFDM復調回路を実現する技術
  3. 高感度・低消費電力を実現する低雑音広帯域LNA設計技術[8]高調波抑制ミキサ技術[9]

【従来例】

大画面化したスマートフォンでは、従来のワンセグよりも高解像度の映像が求められる一方で、フルセグは消費電力が多く、携帯機器への搭載には電池寿命に課題がありました。そのため新しくサービスが開始される携帯端末向けマルチメディア放送に対応する小型かつ、低消費電力なLSIが求められていました。

【実用化】

量産開始 : 2011年12月 価格 : 数量応談

  1. ※2「モバキャス」は株式会社ジャパン・モバイルキャスティングの商標です。

【照会先】

セミコンダクター社 企画グループ 広報チーム
TEL:075-951-8151
E-mail:semiconpress@ml.jp.panasonic.com

【特長の説明】(*:当社従来比)

  1. 携帯端末向けマルチメディア放送対応の広帯域RFとOFDM復調回路、誤り訂正用メモリをワンチップLSIに統合し、WLCSP(4.2mm×4.5mm×0.4mm/0.4mmピッチ)の採用により、業界最小サイズを実現
    スマートフォンを含む携帯端末では、多機能化、低消費電力化、小型化(薄型化)が強く望まれています。しかし、すでに広く携帯端末で普及しているワンセグに比べ13セグメントOFDM復調処理には、大容量の誤り訂正用メモリ(デインターリーブメモリ)が必要になることやノイズ対策の困難さから、RF-ICやデインターリーブメモリを別チップとしてモジュール形成する、またはノイズ対策として多くの電力を消費させる事が必要でした。
    本製品は、低電力、広帯域RFと、DRAMをCMOS基板上に混載集積、ワンチップ化することで、業界最小面積のLSIを実現。また、WLCSPを採用しており、モジュールまたは、端末内での実装面積削減に貢献します。
  2. 国内ISDB-T規格の全方式(ISDB-Tmm/フルセグ/ワンセグ/ISDB-Tsb)に対応するとともに、移動時のフルセグ受信性能を約20%向上*、機器の高感度化を実現可能
    来春サービス開始予定の携帯端末向けマルチメディア放送(ISDB-Tmm)に加え、すでに放送されているフルセグ規格にも対応します。また、2013年以降でのサービスが検討されているISDB-Tsb規格にも対応し、日本国内のISDB-T規格すべてに対応しています。高精度・低電力OFDM復調回路により、フルセグ規格受信時にも安定した受信(移動受信性能を約20%向上*)を実現します。
  3. 携帯電話特有の妨害耐性を強化するとともに、フルセグ受信時の消費電力を約60%削減*、高感度かつ長時間視聴を実現可能
    携帯電話端末では筐体内に携帯電話通信をはじめ、Wi-Fi、Bluetooth等 様々な無線通信が搭載されており、無線の妨害波の発生要因が増加しています。また、受信帯域も13セグメントに広がり、モバイルマルチメディア放送で用いられるVHF-H帯が加わることで、さらに妨害対策は困難なものとなっています。
    本製品では、高妨害耐性、高感度CMOS-RFと、高精度OFDM復調回路により、妨害耐性を強化しつつ高感度達成するLSIを実現し、モバイルマルチメディア放送を安定して受信できます。さらに、RF部の電力を携帯機器向けに最適チューニングすると同時に、OFDM復調部を信号処理量にあわせて最適設計することで、13セグメント時の電力削減(従来比60%*削減)とを両立させました。

【内容の説明】

  1. 高感度、広帯域なRFを、65nmDRAM混載プロセス上に混載する高周波回路設計技術
    当社実績のある広帯域CMOS-RFをDRAM混載プロセス用にチューニングし、後述の高感度・高妨害耐性RF技術を加え、CMOSワンチップチューナ化を実現しております。
  2. 高速移動する携帯機器に最適な高精度、低消費電力OFDM復調回路を実現する技術
    フルセグ/ワンセグLSIで培った高精度復調技術をもとに、ISDB-Tmmの他、フルセグ/ワンセグ/ISDB-Tsb規格に対応させつつ、携帯機器に最適な高精度伝送路推定・等化処理技術[10]、ワンセグ動作時の信号処理帯域切替処理により、フルセグ時の高速移動特性と低消費電力化とを両立させました。
  3. 高感度・低消費電力を実現する低雑音広帯域LNA設計技術、高調波抑圧ミキサ技術
    低雑音広帯域LNA技術、高調波抑圧ミキサ技術と、チューナ制御機構としてプログラマブルシーケンサ(PSEQ)を用いたデジタルアシスト技術[11]を用いて、高感度・高妨害抑圧、低消費電力RF回路を実現しています。

【LSI暫定仕様】

品番 MN88551
機能 受信機能 受信周波数範囲
・VHF-L :90MHz〜108MHz
・VHF-H :207.5MHz〜222MHz
・UHF :13ch〜68ch(470MHz〜806MHz)
ISDB-Tmm/フルセグ/ワンセグ/ISDB-Tsb方式に準拠し、復調 および誤り訂正
13セグメント/3セグメント/1セグメント受信に対応
CPUインタフェース I2Cバス、SPIバス準拠のCPUインタフェース
TSインタフェース TSシリアル出力、SPIバス準拠シリアル出力
モニタ RSSIモニタ
簡易C/Nモニタ
簡易BER(Bit Error Rate)/PER(Packet Error Rate)モニタ
TMCC情報[12]
AC情報[13]
その他各種モニタ機能
プロセス 65nm DRAM混載CMOS
電源電圧 IO:3.6V〜1.5V Logic:1.2V Analog:1.8V
消費電力
ISDB-Tmm :175mW
フルセグ :190mW
ワンセグ 90mW
ISDB-Tsb :145mW
パッケージ WLCSP 98端子 4.2mm×4.5mm×0.4mm 0.4mmピッチ

【MN88551を使ったシステム構成例】

【用語の説明】

[1] 携帯端末向けマルチメディア放送(ISDB-Tmm)
地上テレビジョン放送の完全デジタル化に伴い利用可能となる周波数を用いて実現を図る新たな放送であって、207.5MHz以上222MHz以下の周波数を使用して行うモバイル向け専用放送です。放送方式はISDB-Tmm(ISDB-Tのうちのひとつ)を採用しています。
[2] モバキャス
携帯端末向けマルチメディア放送(VHF-H帯域)の総称で、2012年春からのサービス開始が見込まれています。
[3] OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)
多数の搬送波を用いて変調・多重を行う伝送方式の一つであり、欧州や国内の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式に使用されています。
[4] 誤り訂正用メモリ(デインターリーブメモリ)
移動時等時間的なレベル変動やバースト的なノイズに対する信号レベルの変動に対して、強固な誤り訂正を実現するため、ISDB-Tmm/フルセグ/ワンセグ/ISDB-Tsb規格では時間インターリーブが採用されており、その処理に使用するメモリです。
[5] WLCSP(Wafer Level Chip Size Package)
CSP(Chip Size Package)と呼ばれる小型化パッケージの一種で、半導体素子を形成するシリコンウェハを切り出す前に端子の形成や配線などを行い、それからウェハを切り出すという方法によって形成されたCSPです。
[6] ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)
日本、ブラジル等で採用されている地上デジタル放送の規格名称です。
[7] ISDB-Tsb
ISDB-Tの中で、VHF-low帯域(90MHz〜108MHz)を使ったマルチメディア放送規格です。
[8] 低雑音広帯域LNA設計技術
65nmCMOSトランジスタを用い、UHF帯及びVHF帯の周波数を雑音指数2dB以下で増幅できる低雑音増幅器(LNA(Low Noise Amplifier))設計技術です。
[9] 高調波抑圧ミキサ技術
LSI内、端末内で顕著に発生するRF高調波を減衰させる回路機構を持ったミキサ回路です。
[10] 高精度伝送路推定・等化処理技術
周辺の環境や端末の移動に伴って発生する伝送路の変動を推定し、補正する技術です。
[11] プログラマブルシーケンサ(PSEQ)を用いたデジタルアシスト技術
受信状態等を観測し、内蔵シーケンサによるデジタル制御/調整で、LNA、ミキサ回路などのRF回路を最適な動作点で動作させる技術です。
[12] TMCC (Transmission and Multiplexing Configuration Control) 情報
放送波に含まれる信号であり、復調・復号する際に必要な放送パラメータ等の情報信号です。
[13] AC(Auxiliary Channel)情報
補助チャンネルの情報であり、このチャンネルを用いて緊急放送が検討されています。

以上