パナソニック株式会社は、10月に乾電池累計生産1,500億個を達成しました。1931年に乾電池の自社生産を開始して以来、70年目の2001年に1,000億個、79年目の本年に1,500億個を達成したものです。創業100周年を迎える2018年には、2,000億個の達成を目指します。
当社は1931年に、「ナショナル」ブランドを初めて採用した「角型電池式ランプ」の本格的な普及を図るため、乾電池の自社生産を開始しました。1939年には、パナソニックで初の海外生産拠点となる上海工場を開設するなど、海外工場進出の先駆けとして、その国々の生活向上および産業の振興に貢献してきました。ペルー、コスタリカ、ブラジル、ベルギー、ポーランド、タンザニア、タイ、インド、インドネシアなどにも工場を開設し、海外では累計で約1,000億個を生産してきました。
乾電池の進歩は使用する機器の進歩と深い関わりがあります。高さ約6.2センチ、直径約3.4センチという国際規格のもと、1954年に当社は国産初の完全金属外装の「ハイパー」を開発しました。「ハイパー」は、主に懐中電灯やランプに使用されました。1963 年には「ハイパー」と比べて2倍長もちする「ハイトップ」を開発、用途としては、テープレコーダーとラジオが約45%を占めました。さらに、1969年には「ハイパー」の3倍長もちする「ネオハイトップ」を開発、このときの使用機器の主役はラジカセでした。このように、乾電池は機器とともに着実に進歩してきました。
1995年には、強負荷放電性能を大幅にアップした大電流パワーアルカリ乾電池を開発し、普及が進むデジタル機器の特性に合わせ、性能を高めてきました。機器の進歩に伴い、乾電池には大電流化が求められ、この頃から、マンガン乾電池からアルカリ乾電池への移行が加速していきました。
2008年にはアルカリ乾電池「エボルタ」を発売。「エボルタ」は、「世界一長もちする単3形アルカリ乾電池」としてギネス世界記録に認定され、国内では業界初の使用推奨期限10年を実現しています。今後本格的にグローバルに販売していきます。
エボルタ単3形は、その優れた長もち特性により1990年のウルトラアルカリ単3形と比べ、約60%の数量で同じエネルギー量を生み出すことができるため、生産時のCO2排出量を約40%削減でき、環境負荷低減に貢献しています。生産現場においても、(1)生産ロスの削減、(2)照明と空調の最適化、(3)原動設備の効率運転、(4)消費エネルギーなどの「見える化」、(5)代替エネルギーの活用などを推進し、環境に配慮した工場で生産活動を行っています。
<当社の乾電池の変遷>
1931年 |
「ナショナル」ブランドを初めて採用した「角型電池式ランプ」の本格的普及を図るため、乾電池の自社生産を開始 |
1939年 | パナソニックで初の海外生産拠点となる松下乾電池(株)上海工場を開設 |
1954年 | 国産初の完全金属外装乾電池「ナショナルハイパー」を発売 |
1961年 | 戦後初の海外製造会社としてナショナルタイ(株)を設立 |
1963年 | マンガン乾電池「ナショナルハイトップ」を発売 |
1967年 | アルカリ乾電池を発売 |
1969年 | マンガン乾電池「ナショナルネオハイトップ」を発売 |
1976年 | 乾電池累計生産100億個を達成 |
1980年 | 補償付マンガン乾電池を発売 |
1987年 | アルカリ乾電池「ウルトラアルカリ」「パナソニックアルカリ」を発売 |
1991年 | 水銀ゼロ使用マンガン乾電池を発売 |
1992年 | 水銀ゼロ使用アルカリ乾電池を発売 乾電池累計生産500億個を達成 |
1995年 | 携帯情報端末などの普及に対応して、強負荷放電性能を大幅にアップした大電流パワーアルカリ乾電池を開発 |
2001年 | 乾電池累計生産1000億個を達成 |
2008年 | アルカリ乾電池「エボルタ」を発売 |
2010年 | 乾電池累計生産1500億個を達成 |
乾電池は現在、日本、ペルー、コスタリカ、ブラジル、ベルギー、ポーランド、タンザニア、タイ、インド、インドネシア、中国の11カ国で製造しています。