パナソニック株式会社は、更なる成長に向けた経営体質強化の取組みの一環として、これまで社内分社であるモータ社で担ってきた家電電装・産業・情報モータ事業のうち、家電電装・産業モータ事業を、2010年4月を目処に、同じく社内分社のホームアプライアンス社(以下、HA社)に再編統合します。情報モータ事業についてはミネベアモータ株式会社(以下、ミネベアモータ)へ事業譲渡し、モータ社を解消します。
1.事業改革の目的
当社では、セット商品である家電事業とのシナジー効果の見込める家電電装・産業モータ事業についてはセット部門との垂直統合により、セットとデバイス双方の一層の事業強化を目指していきます。
情報モータ事業については同分野で強い競争力を持ち、当社とミネベア株式会社(以下、ミネベア)との合弁会社であるミネベアモータに事業譲渡することで、モータ事業の強固な経営基盤の確立を図っていきます。
2.内容
(1)家電電装・産業モータ事業
モータ社は、昨年度後半より大規模な経営改革を断行し成果をあげてきました。しかしながら、金融危機に端を発する世界的不況、グローバル競争の激化の中で、モータ事業のみならず家電事業においても勝ち残りを目指し、両事業のシナジー効果の発揮により、さらなる事業強化をはかるため、家電電装・産業モータ事業をHA社に再編統合します。セット部門とデバイス部門の垂直統合により、[1]更なる意思決定の迅速化、[2]両部門のブラックボックス技術の融合による商品力の強化、[3]グローバル最適地生産・商品開発の加速、[4]コスト力の強化を図っていきます。
一方、モータの外販事業分野においては、顧客との関係強化をめざす体制を構築し、[1]世界的な環境規制の広がりを踏まえた省エネ家電分野の拡大、[2]コントローラメーカとの協業による産業ソリューションの展開、[3]パナソニック全社の総合力を活かした新たな電装ユニットビジネスの創出、などを柱に事業拡大を図っていきます。
なお、子会社のパナソニックモータ松阪株式会社については、グローバル最適地生産の観点から、同社が生産してきた小形ギヤードモータ事業、産業用ブラシレスモータ事業をパナソニックモータ珠海有限公司に移管した後、会社清算します。
(2)情報モータ事業
情報モータ市場は、デジタル家電や情報端末など新規応用分野での需要拡大が期待される一方、コスト競争が非常に激しい市場であることから、当社としては、これまでドキュメント分野およびパナソニックグループ内のセット商品向けにターゲットを絞り込んできました。
今回、さらなる成長に向けて、同事業をミネベアモータへ移管し、固定費構造を抜本的に改革して強固な経営基盤の確立を図るとともに、ミネベアグループとのシナジー強化により事業の拡大を図っていきます。
なお、今回の事業改革に伴い、当該事業に従事する従業員につきましては、HA社への異動やミネベアモータへの移籍、再就職支援の推進など雇用の確保を優先し、従業員の意思を尊重しながら労使で協議をすすめていきます。