松下電器産業株式会社は、「キッド・ウィットネス・ニュース(KWN) グローバルコンテスト2008」の最終審査結果を本日発表しました。最終審査に残った6作品の中から、環境部門のグランプリには、長野県東御市立東部中学校制作による「水は世界をめぐる」、交流部門のグランプリには香港カウルーン・トン校の「おじいちゃんの手紙」の2作品が選ばれました。午後2時から行われた表彰式でグランプリ及び各部門賞が出席した各学校の生徒代表に手渡されました。
KWNは松下グループが世界各地の小中学校を対象にビデオ撮影・編集機器を提供し、子供の視点でニュースを制作する教育支援プログラムです。1989年に米国で始まり、日本では2002年に活動を開始。現在では世界24の国と地域で626校、年間1万人以上の生徒が参加しています。2008年度からは、昨年までの各国・各地域レベルでのコンテスト開催を経て、全参加国から作品を集めて審査する「グローバルコンテスト」が始まりました。
グローバルコンテストでは「環境」と「交流」をテーマに5分程度のビデオを募集し、世界24の国と地域から1作品ずつ提出された代表作品を対象に、国際的な映像、教育の専門家やジャーナリストで構成される審査委員会が最終審査を行いました。
「水は世界をめぐる」はオーストラリアの干ばつをきっかけに郷土の歴史を遡り、遠く離れた国の問題と思えることが身近な問題であることを「仮想水」のコンセプトを織り交ぜながらわかりやすく説明し、環境保護の大切さを訴えた作品で、編集賞も受賞しました。「2007年度KWNコンテスト日本」で最優秀作品に選ばれ、グローバルコンテストに進んだ作品です。制作した東部中学校は、2006年度の日本のコンテストで、やはり郷土の歴史を丹念に調べた作品で最優秀作品賞を受賞しています。
「おじいちゃんの手紙」は、主人公の父親が子どもの頃に父親から受けた厳格な躾がやさしい愛情に裏打ちされたものだったことを年を経てから知るというドキュメンタリー風の作品です。投函することなく机の引き出しに長年しまわれた父宛ての祖父の手紙の束が、家族のコミュニケーションの大切さを教えてくれます。この作品は脚本賞も受賞しました。
部門賞として、撮影賞にはポーランドのシュトム第一中学校の「エコ・プレタポルテ」、音響賞には英国テストボーン地域生活学校の「聞かないと・・・聴こえなくなる?」、コミュニケーション賞には米国ゴードン・パークス校の「KWNワールドサミット−ぼくらが主役」、環境賞にはインドネシアのジュビリー校の「マングローブ」が選ばれました。インドネシアの作品は、6作品を対象に行われたウェブ投票で最多得点を獲得し、「ウェブ賞」も受賞しました。
授賞式の写真を用意しております。下記までお問い合わせ下さい。
【お問い合わせ先】
松下電器産業株式会社 コーポレートコミュニケーション本部 広報グループ (東京)03-3436-2621(大阪)06-6908-0447 ブランドプロモーショングループ(大阪)06-6949-2293
<ご参考>
「KWNグローバルコンテスト2008」
受賞作品
国/地域 | 学校名 | 作品タイトル/粗筋 | テーマ | 受賞 |
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日本 | 長野県東御市立 東部中学校 |
「水は世界をめぐる」 オーストラリアの大干ばつのニュースから世界の水不足問題、さらに、自分たちが住む町がかつて水不足に苦しんだ歴史を知る。牛丼1杯を作るにも牛肉の大半はオーストラリアからの輸入であり、家畜の飼育や野菜の栽培には大量の水が使われていることから、水不足問題の身近さ、環境の保護を訴える。 |
環境 |
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香港 | カウルーン・トン校 |
「おじいちゃんの手紙」 父親から、子どもの頃父から受けた厳しい躾について聞き、祖父は「意地悪」なのかと思いつつ、父と一緒に祖父を訪ねる。父親にとっては数十年ぶりの帰郷。そこで、祖父が父宛てに書きながら投函せずにしまわれていた手紙の束を見つける。わが子を案ずる手紙に、愛情に裏打ちされた躾であったことを知る。 |
交流 |
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インドネシア | ジュビリー校 (ジャカルタ) |
「マングローブ」 世界のマングローブの森の4分の1がインドネシアに存在し、さまざまな鳥や動物が生息。しかし、この森にゴミが捨てられ、根腐れするなどの問題が起きている。ゴミを捨てないという自分たちでできることから始めて、森を後世につないで行こうと訴える。 |
環境 |
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アメリカ 合衆国 |
ゴードン・パークス校 (ニュージャージー州 イーストオレンジ) |
「KWNワールドサミット−僕らが主役!」 大統領選を控えた米国の生徒が、ニュージーランド、ナイジェリア、シンガポールのKWN校生徒に各国の政治の仕組みをインタビュー。違いと共通点を見出す。 |
交流 |
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イギリス | テストボーン校 (ハンプシャー州 ウィットチャーチ) |
「聞かないと・・・聴こえなくなる?」 携帯音楽プレーヤーで音楽を聞く時の音量を同級生に調査すると、最大にして聞くという答えが多い。聴覚に与える健康被害を専門家に尋ね、聞こえなくなったら交流も難しくなると穏やかなラップのリズムに乗せて説く。 |
交流 |
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ポーランド | シュトゥム第一中学校 (シュトゥム) |
「エコ・プレタポルテ」 使用済みの紙、アルミ箔、CD、ごみ袋を組み合わせ、カジュアルから花嫁衣裳までレッドカーペットの上を生徒たちがファッションショー。観客の子どもたちは、ゴミの分別が大切だと学んだと感想を述べる。 |
環境 |
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キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)について
KWNは1989年にアメリカ松下電器が米国の公立小中学校を対象にビデオ撮影・編集機器を提供し、子供の視点でニュースを制作するという情操教育の一助としてスタートしました。その後全米50州に展開、近年は欧州・東南アジア・日本などグローバルに展開し、現在では世界24の国と地域から626校が参加しています。
KWN活動の狙いは、ビデオ制作を通じて子供たちの創造性と表現力を育てることにありますが、同時に環境問題や地域社会の問題等をニュースに取り上げる中で子供たちの社会意識が高められ、作品制作過程での共同作業を通じてチームワークが育まれるといった教育的価値も現場から報告されています。
松下グループは、世界各地で事業展開を行っており、「Panasonic ideas for life」をスローガンに世界の人々に価値ある製品とサービスを提供しながら、それぞれの国の経済発展に貢献し、地域社会から歓迎される事業を目指して参りました。そして近年では事業活動のグローバル化に伴い、国際社会の相互理解と地球環境の保護に貢献する活動にも積極的に取り組んでおります。
松下電器では、子供たちの健全な成長と世界の人々の相互理解促進を願って、今後もパナソニック・キッド・ウイットネス・ニュースの活動を続けて参ります。
KWNの活動の詳細についてはKWNサイトhttp://panasonic.co.jp/kwn/をご覧下さい。また、KWNを含めた松下電器の社会貢献活動についてはhttp://panasonic.co.jp/cca/をご参照ください。
以上