2008年1月10日
松下電器産業株式会社
2008年度 経営方針(要旨)
2008年1月10日、社長 大坪文雄が、グループ社員に向けて「2008年度経営方針」を発表しました。その要旨は以下の通りです。
【GP3計画 2009年度経営目標】
○売上高 |
10兆円 |
○ROE |
10% |
○CO2排出量 |
2006年度比で30万トン以上の削減 |
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1.2007年度の総括
本格的成長へのフェーズチェンジと新しい取り組みへの着手
(1) |
「海外2ケタ増販」については、初年度目標達成の見通し(円ベース)。
特にアプライアンス商品については、現地発の高付加価値商品開発を強化。 |
(2) |
「4つの戦略事業」についても、全体で計画を上回る。 |
(3) |
「選択と集中」「モノづくり立社」についても、プラズマパネル/半導体工場の投資、原価低減と商品力強化の推進など、新たな取り組みが本格化。 |
2.2008年度の取り組み
【2008年度の経営目標】
○売上高 |
+5%以上 |
○ROE |
8%以上 |
○CO2排出量 |
10万トン以上の削減 |
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重要テーマの着実な実践
(1)海外2ケタ増販
[1]BRICs+ベトナムでの成長の加速
- 2008年度は、売上高5,000億円以上達成を目指す。
- 2009年度に、もう一段ジャンプするための取り組みについて具体的検討を進める。
- 取り組みのポイントは「強い商品の投入」と「販売力の強化」。
- 商品面では、富裕層をターゲットにしたデジタルAVの先端商品に加えて、各地域のニーズを反映した地域密着型商品の投入の本格化。
- 直営店の設立や量販店との連携強化を行い、販売網を拡充。
- 戦略的な宣伝投資とブランド力の向上を図る。
[2]アプライアンス商品のさらなる海外展開
- 冷蔵庫と洗濯機の欧州販売をスタート。2009年度以降は、ラインアップの強化を図るとともに、欧州向けに開発した商品を基本モデルとして活用し、中国、アジア、アメリカなど他地域へ展開する取り組みも推進。
(2)4つの戦略事業の拡大
[1]デジタルAV事業
○薄型テレビ
<プラズマテレビ>
- 第5工場への大規模投資を継続し、万全の生産体制を構築。同時に薄型化や省電力化を進め、急拡大する大画面市場を牽引。
- 2008年コンシューマーエレクトロニクスショーにて、フルフラット形状で1インチを切る厚さ(24.7mm)の50型プラズマパネルや世界最大の150型パネル(幅3.3m、高さ1.9m)を披露。プラズマパネルの発光効率を大幅に高める当社独自の新技術にて薄型化・大画面化・省エネ化・高画質化をさらに進め、薄型テレビの技術革新をリードする。
<液晶テレビ>
- 37型を全世界に展開。地域ごとの市場実態を見据え、40型台も視野に入れたラインアップの拡充を図る。
- 「IPSアルファテクノロジ」への出資比率を高め、液晶パネルの安定調達と垂直統合型の事業構造への転換を進める。2009年度生産開始を目標に新パネル工場を建設する。あわせて、将来の大画面有機ELテレビの展開に布石を打つ。
○デジタルスチルカメラ(DSC)
- コンパクトタイプのさらなる差別化を図るとともに、小型・軽量で高画質画面にも対応した一眼レフモデルを投入する。
○ハイビジョンムービー
- 超小型モデルの導入など、SDカードムービーの展開を加速する。
○ブルーレイレコーダー/ドライブ
- 普及価格のレコーダーを導入し、市場拡大の牽引を図る。
これら商品と薄型テレビのリンク機能を徹底的に訴求して、相乗効果でデジタルAV事業の拡大を目指す。
[2]生活快適実現事業
- 松下電器と松下電工のシナジーによる新たな商品や事業の創出。
- 「エコライフ」では、松下ホームアプライアンス社のIH家電技術と電工のシステムキッチンを融合して、新しいキッチンの形態を提案。
- 「セキュリティ」では、パナソニック システムソリューションズ社の監視カメラ、パナソニック コミュニケーションズのIPネットワーク技術、電工の防犯・防災センサ技術などを生かし、新しいセキュリティシステムの開発と、グローバル展開に取り組む。
- パナソニック四国エレクトロニクスのバイオセンサと電工の理美容商品技術を融合した新しいヘルスケア・ウェルネス商品、照明社と電工による新たな空間演出照明システムなど、開発や商品化を加速。
[3]カーエレクトロニクス事業
- 既に進めている「カーエレクトロニクス超1兆円プロジェクト」を中心に総合力を発揮し、新規商品の開発・導入を加速する。
- 重点的に強化するのは「快適」「安心・安全」「環境」の3分野。車載ハイビジョンシステムや簡易ナビ需要への対応、視界支援、電源マネジメントなどのシステムで、具体的商品化を目指す。マーケティング力、品質、人材といった共通基盤の強化に取り組む。
[4]半導体・デバイス事業
- お客様と商品ロードマップを共有し、技術・品質・コスト・納期で期待に応え、お客様とともに成長する姿を目指す。
- 半導体については、事業拡大を目指し、今年度も戦略投資を継続する。具体的には、半導体社砺波工場の敷地内に、DSC向けCCDを中心とするイメージセンサの新工場を建設する。
(3)モノづくりイノベーション本部の展開
各部会活動の進化と部会間の連携強化に取り組む。各部会のテーマは次のとおり。
<マニュファクチャリング部会> 原価低減の徹底追求
- 開発の初期段階で徹底的に原価を詰めるプロセスを導入。
きめ細かな原価分析の手法として「イタコナボード」(*)を活用。
(*) |
「イタコナボード」=商品を構成する全ての部品を張り出したボード。原価構成を理論的に「見える化」し原価を追求する。製品に使う材料が、突き詰めれば鉄板か粉末(イタかコナ)に帰結することから、この名がついた。 |
<Vプロダクト部会> V商品のさらなる強化
- 商品力の重要な要素である「デザイン」の強化を図るため、2008年4月にロンドンとニューヨークにデザイン拠点を新設する。
<グローバルマーケティング部会> 海外商品力強化。新興5ヵ国のさらなる成長戦略策定
<マネジメント部会> ロジスティクス革新、IT生産性向上の成果刈り取り
さらに、部会間で「V商品原価力強化」「海外V商品強化」に取り組む。
(4)エコアイディア戦略
GP3計画では「収益を伴った着実な成長」と「全ての事業活動で環境負荷を削減」することを車の両輪として推進。3つのエコアイディアで環境経営を加速する。
[1]商品のエコアイディア
2008年度目標:業界No.1の省エネ性能を持つ商品を150機種以上、同時に下位の商品を減らす取り組みも進める。
2009年度目標:業界No.1の省エネ性能を持つ商品を200機種、下位商品はゼロに。
[2]モノづくりのエコアイディア
生産活動におけるCO2排出量の総量を、2008年度はグローバルで10万トン以上削減する。そのため、ドメイン業績評価基準を、「CCM(80)、売上高(20)、CO2排出量(10)」とする。
[3]ひろげるエコアイディア
「地球を愛する市民活動」のグローバル展開、地域と共存する「エコアイディア工場」づくりなど、幅広い活動を進める。
次代の成長に向けて
(1)新規事業の創造
- 「置き換え」「参入」「創造」の3つのアプローチで新規事業に取り組む。
「置き換え」:現ドメインの事業領域で短期間内に事業化するものは、ドメインが商品を進化させる。
「参入」:未参入の既存領域については、複数ドメインやR&Dが連携して事業化の加速ができるような枠組みを、本社が提供する。
「創造」:新規領域については、本社R&Dが、「他社が決して真似できない強い要素技術」を生み出し、それを核に新規事業実現を図る。
- 新規事業を創出する事業領域
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ドメイン間にまたがる領域で、現在の商品が進化・融合して生まれる事業(カーエレクトロニクス,モバイルAV,セキュリティなど) |
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現在の事業と関連する領域で、新たに開拓する事業(ネットワーク,環境・エネルギー,健康,デバイスなど) |
(2)社名変更・ブランドの統一
強いブランド力をグローバルに築くため、社名を「パナソニック株式会社」に変更する。ブランドについても、国内・海外ともすべて「Panasonic」に統一する。「Panasonic」のもと強く結束しブランド価値の更なる向上をめざす。
3.2008年経営スローガン
【和文】
GP3計画−収益を伴った着実な成長
打って出る!
【英文】
GP3 Plan - Global Progress, Global Profit, Global Panasonic
Rise to the Challenge!
大きな成長を遂げるためには新しいことに挑戦し、自ら道を切り拓く姿勢が何よりも大切であるとの考え方から、チャレンジする風土のより一層の醸成を目指すため、昨年と同じスローガンとする。
◎ご参考・・・経営方針発表会概況
日時:2008年1月10日 14:15〜16:00
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場所:松下電器人材開発カンパニー/大阪府枚方市菊丘南町2番10号
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参加者: |
本会場 700名
中継会場 約30,500人 (国内 221会場、海外 13会場) |
本プレスリリースには、松下グループの「将来予想に関する記述(forward-looking statements)」(米国1933年証券法第27条Aおよび米国1934年証券取引法第21条Eに規定される意味を有する)に該当する情報が記載されています。本プレスリリースにおける記述のうち、過去または現在の事実に関するもの以外は、かかる将来予想に関する記述に該当します。これら将来予想に関する記述は、現在入手可能な情報に鑑みてなされた松下グループの仮定および判断に基づくものであり、これには既知または未知のリスクおよび不確実性ならびにその他の要因が内在しており、それらの要因による影響を受ける恐れがあります。かかるリスク、不確実性およびその他の要因は、かかる将来予想に関する記述に明示的または黙示的に示される松下グループの将来における業績、経営結果、財務内容に関してこれらと大幅に異なる結果をもたらすおそれがあります。松下グループは、本プレスリリースの日付後において、将来予想に関する記述を更新して公表する義務を負うものではありません。投資家の皆様におかれましては、1934 年米国証券取引法に基づく今後の米国証券取引委員会への届出等において松下電器の行う開示をご参照下さい。
なお、上記のリスク、不確実性およびその他の要因の例としては、次のものが挙げられますが、これらに限られるものではありません。かかるリスク、不確実性およびその他の要因は、当社の有価証券報告書にも記載されていますのでご参照ください。
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米国、欧州、日本、中国およびその他のアジア諸国の経済情勢、特に個人消費および企業による設備投資の動向 |
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多岐にわたる製品・地域市場におけるエレクトロニクス機器および部品に対する産業界や消費者の需要の変動 |
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為替相場の変動(特に円、米ドル、ユーロ、人民元、アジア諸国の各通貨ならびに松下グループが事業を行っている地域の通貨または松下グループの資産および負債が表記されている通貨) |
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急速な技術革新および変わりやすい消費者嗜好に対応し、新製品を価格・技術競争の激しい市場へ遅滞なくかつ低コストで投入する松下グループの能力 |
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松下グループが他企業と提携・協調する事業の動向 |
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多岐にわたる製品分野および地域において競争力を維持する松下グループの能力 |
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製品やサービスに関する何らかの欠陥・瑕疵等により費用負担が生じる可能性 |
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第三者の特許その他の知的財産権を使用する上での制約 |
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諸外国による現在および将来の貿易・通商規制、労働・生産体制への何らかの規制等(直接・間接を問わない) |
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松下グループが保有する有価証券およびその他資産の時価や有形固定資産、のれんなどの長期性資産および繰延税金資産の評価の変動、その他会計上の方針や規制の変更・強化 |
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地震等自然災害の発生、その他松下グループの事業活動に混乱を与える可能性のある要素 |
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