プレスリリース

2006年11月27日

株式会社東芝
株式会社日立製作所
富士通株式会社
松下電器産業株式会社
三菱電機株式会社

家電4製品の環境効率改善度指標「ファクターX」について
電機5社で「標準化ガイドライン」を制定



 株式会社東芝(代表執行役社長、西田厚聰)、株式会社日立製作所(執行役社長、古川一夫)、富士通株式会社(代表取締役社長、黒川博昭)、松下電器産業株式会社(代表取締役社長、大坪文雄)、三菱電機株式会社(執行役社長、下村節宏)の電機5社(50音順、以下単に「5社」という)は、電気製品の環境効率の改善度合いを示す指標である「ファクターX」について、エアコン、冷蔵庫、ランプ、照明器具の4製品の指標算出方法等を統一した「標準化ガイドライン」を制定しました。

 「環境効率」という考え方はWBCSD*で提案され、環境保全と経済活動の両立をめざす社会システムや企業経営にとって不可欠の概念として重要性が高まりつつあります。
 我々5社は、世界に先駆けてこの「環境効率」の考え方を様々な電気製品に適用し、性能や使いやすさの向上と、環境への影響低減を同時に達成した製品を「ファクターX」を用いて訴求してきました。しかし、この「ファクターX」には各社各様の表示形式や算出方法があり、算出の基礎となるデータ等についても公開には限度があるため、残念ながら消費者にとってわかり難いという欠点がありました。

 「ファクターX」の標準化はこうした課題に対応した活動です。今回、第一ステップとして、家庭での電力消費量が大きいエアコン、冷蔵庫、ランプ(電球、蛍光灯)、照明器具(ランプ含む)の家電4製品(別紙(1)参照)を選定し、「製品の価値(主要機能の性能)」と「環境への影響(ライフサイクル全体における温室効果ガスの排出量)」について、一定の条件の下で指標算出方式等を統一する「標準化ガイドライン(別紙(2)参照)」を制定しました。

 このガイドラインを利用すると、過去(上記4製品では当面2000年度を想定)に販売された自社の同型製品に対する対象製品の価値(機能)向上と環境への影響(温室効果ガスの排出量)の低減という、製品の環境効率の改善度合いを端的に示すことが可能になります。対象基準となる過去の製品が各社異なるため他社製品との比較はできませんが、自社製品間における「買い替え効果の目安」として活用されるものと期待しています。

 今後は、引き続き5社を中心にパーソナル・コンピュータ、携帯電話など適用製品の拡大や技術的課題の解決に取り組むとともに、名称や表示形式についても検討を進めていきます。
 また、「日本環境効率フォーラム(事務局、社団法人産業環境管理協会)」のご協力を得て、同業他社や関連企業に対し本ガイドラインの普及に努める予定であり、将来的にはグローバルスタンダード化に向けた活動も展望しています。

* World Business Council for Sustainable Development(持続可能な発展のための世界経済人会議)

以上


別紙(1)

家庭における電気製品の電力消費

出典:(財)省エネルギーセンターHP「省エネ性能カタログ2006年夏版」


別紙(2)

製品の環境効率指標の標準化に関するガイドライン
(抜粋)

2006年11月

株式会社東芝   株式会社日立製作所   富士通株式会社
松下電器産業株式会社   三菱電機株式会社

 本ガイドラインは、エアコン、冷蔵庫、ランプ、照明器具の4製品について、電気製品の環境効率の改善度合いを示す指標である「ファクターX」の算出方法等を標準化し、統一的な環境効率指標として使用することを目的として制定する。

1.名称・表示方法

  1) 標準化する製品の環境効率指標、すなわち「ファクターX(環境効率の向上を示す指標)」を以下の名称で統一し、別途定めるマークや簡単な数値等を用いて表示する。
・「共通ファクター(仮称)」
2) 必要に応じて、従前より独自に使用している環境効率指標を個別に用いても良い。ただし、独自の環境効率指標であることを明記する。
3) 「共通ファクター(仮称)」が適用されている製品については、「共通ファクター(仮称)」と独自の環境効率指標を併記してもよい。

2.「共通ファクター(仮称)」の定義

  1) 「共通ファクター(仮称)」は、従来の「ファクターX」と同様、「製品の価値」とその製品による「環境への影響」の比で表される「環境効率」の評価製品と基準年度における同種の製品との比、であると定義する。
2) 上式の「環境効率」における分子の「製品の価値」とは、その製品の特徴をわかりやすく示す主要機能や性能を考慮して適用製品毎に決定する。
3) 「製品の価値」は、その製品の主要な機能の性能(「基本機能」)とその機能が発現される期間(「標準使用期間」)の積として表わしても良い。ここで、「標準使用期間」とは、原則としてその製品が一般家庭において通常の使用条件のもとで標準的に稼動し得る年数や時間、もしくはそれに相当する使用回数等であると定義する。ただし、生産終了後に補修用の部品を保有する期間が公的に決められている適用製品については、その出典を明記した上で「補修用性能部品の保有期間+1年」等の期間により代用する場合がある。
4) 上式の「環境効率」における分母は当面「ライフサイクル全体における温室効果ガスの排出量」とし、その製品のライフサイクルの各段階におけるCO2等の温室効果ガスの排出量、さらには地球温暖化係数注1)を用いてCO2換算し足し合わせた量、として算出する。なお、比較評価する製品間では同一のデータベースを用いて算出し、可能な限り、算出に用いたデータベースや温室効果係数、および各インベントリデータの評価バウンダリを明記する。
(具体的な算出方法に関しては下記の参考(2)を参照のこと)
注1) 地球温暖化係数とは、各温室効果ガスによる地球温度上昇への影響度合いを、二酸化炭素を基準(1.0)として算出した数値です。Global Warming Potentialの頭文字をとってGWPとも呼ばれています。
5) 評価の対象となる基準年度の製品には、本ガイドラインの目的に沿った比較対象を選ぶものとする。

3.「共通ファクター(仮称)」の適用

  1) 共通のインベントリデータをもとに各社が個別の手法で「共通ファクター(仮称)」を算出し、計算過程や結果の数値のばらつきが標準化するにあたり適切な範囲(目安として計算過程で±10%、最終結果で±3%程度以内を想定)に収まっていると各社が合意した場合に適用する。
2) 本ガイドラインは、上記の合意に基づき、一般家庭における消費電力の大きい以下の4製品より適用を開始する。将来、他の製品に本ガイドラインを適用する際は、上記項目に即して都度算出方式等を検討する。
・エアコン   ・冷蔵庫
・ランプ(電球、蛍光灯) ・照明器具(ランプ含む)
この4製品の「環境効率」は以下の式を用いて算出する。また、評価の対象となる同種の製品の基準年度を、当面2000年度とする。
(各製品の具体的な「機能」および「標準使用期間」に関しては下記の参考(1)を参照のこと)

以上

参考(1)

<適用4製品の「機能」および「標準使用期間」>

○機能

  • エアコン: APF(Annual Performance Factor)方式による冷・暖房能力 (kW)
  • 冷蔵庫: 調整内容積 (L リットル)
  • ランプ: 全光束 (lm ルーメン)
  • 照明器具: 全光束 (lm ルーメン)

○標準使用期間

  • エアコン: 10年 (補修用性能部品の保有期間+1年)
  • 冷蔵庫: 10年 (同上)
  • ランプ: 一般家庭において通常の使用条件のもとで標準的に稼動し得る期間 (h 時間)
  • 照明器具: 10年 (補修用性能部品の保有期間+1年)

参考(2)

「ライフサイクル全体における温室効果ガスの排出量」の算出方法について(抜粋)

1. ライフサイクルの段階
適用製品のライフサイクルを下記の表に示す段階に分類し、各段階における温室効果ガスの排出量を算出して総計する。ここで、温室効果ガスの排出量とは、CO2を始めとする地球温暖化への影響を有する各種温室効果ガスの排出量を、各社の判断により適切に考慮して計上するものである。
 
2. 素材・部品製造
冷蔵庫等における冷媒等は、全体評価への影響が小さく算出結果のばらつきを無視できるレベルであると判断されるので、「その他の材料」に含める。
電子部品に関しては、適用4製品においては、全体評価への影響が小さく算出結果のばらつきを無視できるレベルにあると判断されるので、「回路基板・電子部品」で温室効果ガスの排出量を算出する。
 
3. 製品製造
現在の適用4製品においては、全体評価への影響が小さく算出結果のばらつきを無視できるレベルにあると判断されるので、「製造時のエネルギー消費量」で温室効果ガスの排出量を算出する。
 
4. 製品の輸送
「製品の輸送」段階では、使用済み製品の輸送も含めて、飛行機、船舶、車など実際に利用した輸送手段で温室効果ガスの排出量を算出する。
 
5. 使用
消費電力の測定方法は、適用製品毎に定める。
 
6. 廃棄・リサイクル
リサイクルを実施して素材等に戻せる場合は、その分の材料もしくはエネルギーをリカバリーしたものとみなし、再生負荷等も考慮して適切に計上する。

冷蔵庫等における冷媒等は、その回収を前提として温室効果ガスの排出量を算出する。