パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、熱電変換デバイス[1]搭載の「熱電方式冷却ローラー[2]」を製品化、2016年7月から量産を開始します。業界初※1の水を一切使用しない熱電式の冷却ローラーで、水を循環させる配管が不要で冷却システム[3]自体のコンパクト化を実現します。熱電方式のため、水の定期交換や清掃が不要となりメンテナンスにかかる時間と費用の低減を実現します。
商業用印刷機では、両面印刷時の表面印刷後、裏面印刷を行うために、加熱乾燥した用紙を冷却する必要があり、一般に水冷式冷却ローラーが使用されています。水冷式では水の定期交換時の汚水処理、配管引き回しなど設置スペースが必要となるほか、水漏れの恐れもあります。今回、単位面積当りの密度を高めた熱電変換素子をローラー内に内蔵することで、優れた冷却性能と熱応答性を実現し、従来の水冷式に対して水を一切使用しない熱電方式の冷却ローラーを製品化しました。
商業用印刷機だけでなく、ローラーで温度を管理する工程が必要な温調ローラー搬送設備、工作機械へ利用でき、食品加工機器、ゴム加工機器や、医療関連機器の超精密温調ユニットなどへの展開が可能です。
【特長】
- 業界初※1の水を一切使用しない熱電式の冷却ローラーで、冷却システムのコンパクト化を実現、商業用印刷機などの設置場所の自由度を向上
・設置スペース:約40%低減(水冷式※2で必要な配管や冷却チラー[4]が不要) - 水の定期交換や清掃が不要で、大幅なメンテナンス時間と費用削減に貢献
・メンテナンス時間:約30分 (水冷式※2では数日間) - 熱電変換デバイス搭載で、瞬時の冷却が可能で、冷却設備の立ち上げ、立ち下げ時間の短縮に貢献
・冷却の到達時間を1/6に短縮(水冷式※2約30分→本製品約5分)
- ※1:2016年6月24日現在、商業用印刷機用熱電式冷却ローラーとして(当社調べ)
- ※2:現在、商業用印刷機に採用されている一般の水冷方式
【商品のお問合せ先】
- オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 デバイスソリューション事業部
- http://industrial.panasonic.com/jp/products/thermal-solutions/cooling-roller/cooling-roller?ad=press_20160624