2016年04月05日

屋外照明や車室照明などのLED照明の長期使用、軽量化や高輝度化に貢献

光拡散性ポリプロピレン樹脂成形材料
「FULL BRIGHT※1(フルブライト)PP」を開発

複雑な形状加工が可能で、お客様の設計の自由度を向上

光拡散性ポリプロピレン樹脂成形材料

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、LED照明の長期使用、軽量化や高輝度化に貢献する光拡散性ポリプロピレン(以下、PP)樹脂成形材料[1]「FULL BRIGHT※1(フルブライト)PP」を開発、2016年4月より量産を開始します。業界初※2射出延伸ブロー成形[2]対応で、これまでの光拡散性PP樹脂成形材料では困難とされていた複雑な形状加工が可能となり、お客様の設計の自由度向上に貢献します。

一般にLED照明の光源周辺に輝度の均一化を保つために拡散板を設置します。現在、この拡散板の素材としてポリカーボネートやアクリル系樹脂が多く使用されています。しかし、LED光源の設置環境が多様化する中、拡散板の素材にはさらなる耐光性、耐水・耐湿性、耐薬品性[3]、高温での色調維持や強度が求められるだけでなく、軽量化も求められています。本製品は、優れた耐光性、耐久性を実現するとともに、PP樹脂成形材料の低比重の特性を生かしLED照明の長期使用や軽量化に貢献します。

【特長】

  1. 射出成形に加え、光拡散性PP樹脂成形材料では困難だった射出延伸ブロー成形にも対応。お客様のアプリケーションに応じた複雑な形状加工が可能で設計の自由度向上
    ・従来実現できなかった0.5mmの薄肉成型が可能(加工による厚み精度10%未満を達成)
    (当社従来品※30.5mm厚ではブロー時に穴が開いて不可)
    ・MFR(流動性):25g/10min(当社従来品※320g/10min)
  2. 従来PP樹脂成形材料の課題であった耐光性を克服し、LED照明の長期使用に貢献
    ・耐光性:90℃+UV※4環境下90日間処理(約2000時間)後の変色
    ⊿E:2以下(屋外使用10年に相当)(当社従来材※3⊿E:17)
  3. 低比重の特性を生かしLED照明などの軽量化に貢献
    ・比重:0.93(ポリカーボネート1.2と比較し、同じ体積で比較した場合重量を30%軽減)
  • ※1:「FULL BRIGHT」は、パナソニック株式会社の商標
  • ※2:2016年4月5日現在、射出延伸ブロー成形ができる光拡散性PP樹脂成形材料として(当社調べ)
  • ※3:当社従来PP樹脂成形材料
  • ※4:UV照射強度400W水銀灯(30cm距離)

【用途】

高い意匠性や複雑な加工および耐久性が求められるLED照明(自動車などの車室照明、屋外看板、店舗照明、水周り照明)、デジタルサイネージなど

【備考】

2016年4月6日~4月8日に東京ビッグサイトで開催される「高機能素材ワールド2016」に出展します。

【商品のお問合せ先】

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 電子材料事業部
https://industrial.panasonic.com/jp/contact-us

【特長の詳細説明】

1. 射出成形に加え、光拡散性PP樹脂成形材料では困難だった射出延伸ブロー成形にも対応。お客様のアプリケーションに応じた複雑な形状加工が可能で設計の自由度向上

これまで光拡散性PP樹脂成形材料は、結晶性樹脂のため流動性が悪く、射出延伸ブロー成形への適用には不向きという課題がありました。今回、当社独自の溶融制御設計技術により、PP樹脂成形材料でありながら優れた流動性、加工性を実現、射出延伸ブロー成形への適用を可能にしました。これにより、お客様の商品設計で射出成形に加え、射出延伸ブロー成形を選択いただけます。意匠性が高いLED照明の深堀成形や曲面仕上げなど複雑な設計にも対応、お客様のアプリケーションに応じた形状設計の自由度向上に貢献します。

2. 従来PP樹脂成形材料の課題であった耐光性を克服し、LED照明の長期使用に貢献

本材料は当社独自の耐光性を付与できる樹脂設計技術の開発により、従来PP樹脂では実現できない耐光性を克服するとともに、優れた耐久性(耐水・耐湿性、耐薬品性)を実現しています。紫外線に暴露される屋外環境や、強いLED光存在下でも高い信頼性を確保できます。さらに独自のフィラーとフィラー均一高分散化技術により、高い光拡散特性を達成、LED照明の長期使用に貢献します。

3. 低比重の特性を生かしLED照明などの軽量化に貢献

光拡散ポリカーボネートやアクリルは、加工性に優れるという特長がありますが、高比重のため、照明機器の軽量化には課題がありました。本材料は、これまで課題であった加工性の問題を克服し、さらにPP樹脂成形材料の低比重という特長を生かすことで、照明機器などの軽量化に貢献します。

【耐光性の比較(加速試験の結果)】

90℃+UV環境下、90日間処理(約2000時間)後の変色の比較

  • ※UV照射強度 400W水銀灯(30cm距離)

【基本仕様】

項目単位開発材
(FULL BRIGHT PP)
従来材(当社従来PP樹脂成形材料)
射出延伸ブローPP
(DH-1)
射出PP
(DH)
射出PP
全光線透過率(2mm厚) 53 40 -
ヘイズ(2mm厚) 91 91 -
MFR(流動性) g/10min 25 20 20
比重 - 0.93 0.93 0.93
射出成形 -
射出ブロー成形 - × ×
射出延伸ブロー - × ×
耐光性(変色:⊿E) - ○(<2) ○(<2) ×(17.1)
耐薬品性 -
耐水性 -

【樹脂別 各特性の参考データ】

ポリプロピレン
樹脂成形材料(PP)
ポリカーボネート
(PC)
アクリル
(PMMA)
耐薬品性
耐候性
耐水性
比重 0.9 1.2 1.2

【用語説明】

[1]光拡散性ポリプロピレン樹脂成形材料
フィラーなどにより光を拡散できる乳白色のポリプロピレン樹脂成形材料
[2]射出延伸ブロー成形
射出成形機にて樹脂を試験管状に成形したあと、金型を変更し、試験管状成形品が柔かいうちに空気を吹き込んで膨らませ、ボトル状の成形品を作製する成形方法
[3]耐薬品性
化学薬品中で使用したときの外観や物性の変化などに耐える性質をいう

以上