プレスリリース

2014年1月28日

パナソニック環境エンジニアリング株式会社

国内初のインライン電気分解方式(※1)を採用

船舶移動による周辺海域の海洋生態系破壊を抑制するバラスト水(※2)処理装置を開発

フィルターレスで、低コスト、省スペースを実現

パナソニック環境エンジニアリング株式会社(大阪府吹田市、社長 石津哲男)は、国内初のインライン電気分解方式による船舶向けバラスト水処理装置(製品名:ATPS-BLUE sys)を開発しました。

このたび開発したバラスト水処理装置は、国内初のインライン電気分解方式です。バラスト主配管に電気分解装置を設置し、次亜塩素酸を発生させることで微生物を殺滅(※3)。当社独自の攪拌(かくはん)装置によって滅菌効果を高めることにより、フィルターを使用せずにバラスト水中の微生物を、国際海事機関(以下IMO)に定められた排水基準以下に処理することができます。

本装置は、2013年9月にG9BA(基本承認)(※4)のためのIMOへの申請を完了し、G9FA(最終承認)(※4)およびG8陸上試験(※5)に着手しました。今後、G9BA、G9FA、国土交通省による承認を取得した後、2015年度より、株式会社エクセノヤマミズ(東京都中央区、社長 増田尚昭)を通じて、販売開始する事を目指しています。

【特長】

  1. 国内初のインライン電気分解方式により、バラスト水中の微生物を殺滅
  2. フィルターレスのため逆洗浄や、ろ布交換が不要
  3. 船舶内のレイアウトに応じた配置が可能なため省スペース化に寄与

【開発の背景】

IMOが2004年2月に国際条約として締結した「船舶バラスト水及び沈殿物の管制および管理のための国際条約(バラスト水管理条約)」に基づき、国際航海をする船舶は、積み込まれるバラスト水および沈殿物の無制限排出によって有害水生生物、病原体などが越境移動しないよう、バラスト水中の水生生物を一定基準以下(D-2基準(※6))にして排水し、環境保全することが求められています。

【展示会出展予定】

「SEA JAPAN2014」 出品予定
会期:2014年4月9日(水)〜11日(金)
会場:東京ビッグサイト東1・2ホール
http://www.seajapan.ne.jp/

【販売代理店】

株式会社エクセノヤマミズ 第一営業部 高橋 正裕 TEL:03-5201-4651
設立:昭和22年(1947年)4月19日
資本金:4億5千万円
本社所在地:東京都中央区日本橋本町4-4-2 東山ビル

【技術に関するお問い合わせ】

パナソニック環境エンジニアリング株式会社
バラスト事業推進プロジェクト 枝川 晶義
TEL:06-6338-1894

【特長の詳細説明】

1. 国内初のインライン電気分解方式により、バラスト水中の微生物を殺滅
バラスト主配管へ次亜塩素酸を注入する「オフライン」方式では前処理としてLサイズ生物(50μm以上)を除去するためのフィルターが不可欠であり、清掃や交換などの作業が必須となっています。そのため、このたび開発した新方式での処理方式では、主配管にインラインで電気分解装置を設置して次亜塩素酸を発生させ、独自の攪拌(かくはん)装置で滅菌効果を高めることにより、50μm以上の微生物も殺滅させることに成功。フィルターレスで排水基準以下に処理することを実現しました。

2. フィルターレスのため逆洗浄や、ろ布交換が不要
フィルターレスのため、閉塞や損耗といったトラブルがなく、バラスト水の供給に影響を与えないだけでなく、メンテナンスが容易となり消耗品が存在しないため、長時間運転による圧力損失の増加もなく、ランニングコストの低減に寄与します。

3. 船舶内のレイアウトに応じた配置が可能なため省スペース化に寄与
主要機器である次亜塩素酸の発生効率を高めた電極を使用し小型化した電解ユニットおよび攪拌(かくはん)装置は、処理量や船舶内のスペースに応じたサイズ・形状での設置が可能なため、限られた船舶スペースを有効活用できます。

【処理イメージ】

■バラスト時
シーチェスト(海水取水口)から取り込んだ海水中に含まれる水生生物や細菌類を電解ユニットと攪拌(かくはん)装置によって殺滅します。

■デバラスト時
残留する活性物質を中和ユニットにて中和・無害化し、海洋環境へ悪影響をおよぼさないように排水します。

【用語解説】

  1. ※1国内初のインライン電気分解方式
    2013年9月IMO申請時現在(当社調べ)、日本国内で承認されているバラスト水処理装置の処理方式の中で、インラインでの電気分解方式を初めて採用した。
    バラスト水の主配管内で、処理を行う事を「インライン」という。当社は、主配管内で電気分解による次亜塩素酸での処理方式を開発、採用した。これに対し、主配管外で次亜塩素酸を発生させて主配管に注入処理する事をオフライン方式という。
  2. ※2バラスト水
    貨物船舶が船体バランスを保つために船舶空荷時に積載する海水のこと。
    航行による海域の移動で、外洋でバラストタンクに積み込んだバラスト水の採水国と排出国が異なることから、海水に含まれる外来性有害水生生物(プランクトン、バクテリアなど)による生態系、環境、資源への影響が問題となっている。
  3. ※3微生物を殺滅
    バラスト水に含まれる微生物を、D-2基準(※6)以下にすること。
  4. ※4G9BA(基本承認)・G9FA(最終承認)
    G9「活性物質を使用するバラスト水管理システムの承認手順」(D-3.2規則)により、基本承認(BA)と最終承認(FA)の二段階評価が導入されている。基本承認は実験室スケールで実施し、最終承認ではテストベッドの排出水を用いた毒性試験を行うことで、総合的な評価を受けることになる。
  5. ※5G8陸上試験
    バラスト水管理条約のガイドラインのひとつであるG8「バラスト水管理システムの承認に関するガイドライン」(D-3.1規則)において、バラスト水管理システムの承認に関しては、適切な設計、構造および作業パラメータの性能要求が規定されており、各国の主管庁により、IMOが策定したガイドラインを考慮して承認される。日本では、国土交通省がこれを承認するが、この承認に準じる「バラスト水管理システム施行前試験」の項目のひとつに陸上試験がある。
  6. ※6D-2基準
    バラスト水管理条約による規則D-2で、排出の基準となる水質を定めている。
    ・最小サイズ50μm 以上の生物:1m³ 当たり生存可能数10 未満
    ・最小サイズ50μm 未満で10μm 以上の生物:1 ml 当たり生存可能数10 未満
    ・健康基準となる指標微生物(コレラ菌、大腸菌、腸球菌)は一定の濃度以下とする。