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パナソニックの「人に寄り添うロボットと技術」が集合~2017国際ロボット展

2017年12月 6日

特集

パナソニックの「人に寄り添うロボットと技術」が集合~2017国際ロボット展

東京ビッグサイトでロボット専門の一大イベント「2017国際ロボット展」(主催:一般社団法人 日本ロボット工業会、日刊工業新聞社)が、11月29日から12月2日まで開かれた。国内外の先進的ロボットが多数展示される中、パナソニックブースでは3つのロボット本体に加え、ロボティクスを支える2つのコアデバイス、また安全検証サービスを紹介。パナソニックの総合力をロボティクスソリューションとして訴求した。

パナソニックのロボティクスの取り組み

パナソニックのロボティクス技術は、「人に寄り添うロボティクス」をキーワードに、安心で快適な暮らしの実現を目指している。社会課題となっている高齢化による深刻な労働力不足の解決に向け、重点的に取り組んでいるのが「物流・店舗」「インフラ点検」「次世代農業」「介護・福祉」「ロボティクス家電」「パーソナルモビリティ」の領域だ。

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また、パナソニックのロボティクス技術の特長は、さまざまな分野でロボットが活躍できるよう、ロボット本体だけでなく、ロボット周辺技術であるデバイス、アクチュエーター、バッテリーなどの技術をベースに、安全技術、ロボティクス要素技術に加えて、AIやIoTを含めて、ロボティクスソリューションとして提供できること。家電事業で培った人と触れ合う技術や総合力が強みとなっている。
今回、パナソニックブースで紹介されたのは6つのロボティクス技術。
(1)自律搬送ロボット「HOSPI(R)」
(2)トマト収穫ロボット
(3)ロボティックパーソナルモビリティ「WHILL NEXT」
ロボットを支えるキーデバイスとして
(4)電力とデータをワイヤレスで送る「非接触給電ユニット」
(5)三次元距離計測ができる「3D LiDAR」
(6)安全なロボット製品の開発を支援するサービス
など、デバイス、ロボット、ソリューション提供まで、幅広い取り組みだ。

※全容がわかる動画はこちら
【2017国際ロボット展】パナソニックの"人に寄り添うロボティクス技術"

1 障害物検知の技術を搭載した 自律搬送ロボットシステム「HOSPI(R)」

病院内での薬剤や検体を運ぶ役割で2013年に商品化した自律搬送ロボット「HOSPI(R)」。顔部分の画面にある行き先を選択すると、あらかじめ登録された地図情報に基づいて、その目的地まで自律移動する。進路を邪魔する人や障害物があれば、健気にも「すみません。通してください」と言いながら回避。ロボットの足元と腕にある3つのレーザセンサを使った障害物検知技術により、移動環境を認識しながら、安全に移動できる。
今回は新たに天井に設置された赤外光の活用で、今まで苦手としていた、人の多い環境や大空間の場所でも位置がわかるようになった。
現在は15施設に40台が活躍しており、今後は病院以外でもホテルでのドリンクサーブや案内などの機能を搭載して、ますますの活用の場を広げていく。

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    ドリンクサーブのデモの様子

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    説明してくれた平岡さん

2 センサーで収穫物を検知し夜間も稼働する「トマト収穫ロボット」(開発中)

農業分野の労働力不足を背景に開発中の「トマト収穫ロボット」。人による収穫作業工数を削減するとともに、作物情報をデータ化することによって、高品質な農産物の収穫率向上に貢献する。赤や青色の鈴なりのトマトの房から、ロボットの腕にあたるマニピュレータが赤いトマトだけを選んで果実にキズをつけずに上手に摘み取っていく。これは距離画像カメラモジュールとAI技術を活用した、トマトの色、形、位置を正確に読み取るトマトの選別収穫と位置特定機能、そして、果実に触れずに収穫するマニピュレータ技術によるもの。果実とその果実をつないでいる果梗それぞれを押さえた上で、適切な力で引き離して分離するという、人間の収穫動作を参考にした方法を開発している。
選別、収穫、そしてカゴへの収納までシステムとして一括で対応できる。
現在は大型農園で実証を進めている。AIの導入により収穫率は96%(従来約80%)と飛躍的に向上している。また夜間の作業もでき収穫量を増やすことが期待できる。来年度以降に本格的に事業展開をしたい考えだ。

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赤いトマトを上手に摘み取る

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説明してくれた戸島さん

3 アクセシビリティ社会の実現に向けたロボティックパーソナルモビリティ「WHILL NEXT」(開発中)

自律走行ができ、安全で安心な"移動"を実現するためのロボティクスパーソナルモビリティ。
先進的な電動車いすを開発しているWHILL株式会社と共同で開発中をしている。WHILLの最新モデル(モデルC)に「HOSPI(R)」で実績ある自律移動のロボティクス技術を応用し、機能の充実を図っている。スマートフォンでの呼び出し機能、衝突防止機能、複数台で連動・追随するカルガモ走行、自動回収が可能で、羽田空港での実証実験も行い、現在、技術検証を進めている。
基本的な機能はできており、今後はお客様の運用面をしっかりと一緒になって考えていく段階だ。
デモではバルーンを置いて自動停止機能を披露した。車椅子の足元にあるセンサーがバルーンを検知すると一旦停止。その後、バルーンギリギリまで近づき停止することができる。

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バルーンの前で自動停止するデモ

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説明してくれた上松さんと今岡さん

■ロボットを支えるキーデバイス

4 ワイヤレスで電力・データを送る「非接触給電ユニット」(開発中)

「非接触給電ユニット」は、非接触でロボットのモータに電力と制御信号を同時に送ることができる。関節部のケーブルが不要になり、ケーブルのねじれによる断線リスクや可動域の制約がなく、無限回転も可能になった。電力と信号間の干渉を抑圧し、電力伝送とデータ伝送の両立を可能にした。
関節が自由に回転できれば、例えば、ピックアップロボットのコンパクト化や作業効率の改善が可能になる。2019年にも産業用ロボットメーカーなどにサンプル出荷を始める予定。

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    「非接触給電ユニット」のデモ機。右端が送信ユニットと受電ユニット。その間は1ミリの隙間があり、非接触で電力と制御信号を送り、左に並んだ3つのモータを動かす。

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    説明してくれた高橋さん

5 広範囲での三次元距離計測を実現するロボットの眼「3D LiDAR」

自律移動ロボットの眼として開発した「3D LiDAR」。測定範囲が垂直方向60度、水平方向270度の広角スキャンを実現している。「3D LiDAR」は、1つのレーザ素子、1枚のミラー、2つのモータで構成され、ミラーを水平・垂直方向に広角度に駆動可能な独自構造を用いたレーザスキャン方式を採用している。光学設計技術がポイントだ。
利用シーンに応じて解像度を上げることもでき、より安全で利用価値も高いものにした上で、無人搬送機や屋外での利用へ展開していくことを考えている。2018年1月にサンプル出荷、2018年度末には量産開始を目標としている。

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    3D LiDARを組み込んだ荷物を積んだ車のモデル。先頭に取り付けた3D LiDARが前方の風景を計測している

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    3D LiDARのスキャン画像

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    説明してくれた竹田さん

6 ロボット安全設計支援・試験評価サービス

人共存型ロボットの普及に貢献するため、ロボットの安全設計・評価ソリューションとロボットの導入効果検証ソリューションを提供するサービスを紹介。
今回は開発中の「痛み」を評価できるダミー人形の装置を公開した。
これまでの安全評価は骨折などの高レベルの危害によるものだったが、痛いとか不快といった低レベルの危害に対する評価を行うもので、国の革新的研究開発推進プログラムとして開発している。
ダミーは、骨、筋肉、皮膚の3層の部品で構成された上腕部で、各層の間に圧力センサが組み込まれている。皮膚を突いたり、腕を強く押したりすると、圧力センサが反応し、その衝撃の度合いを画面に表すようになっている。
感性は人それぞれで、評価の非常に難しい分野だが、これまで人に近い家電分野で培った経験やノウハウをもとに、多くのデータを取得と処理技術を駆使して、再来年にはサービス提供ができるようにしたい。

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    上腕部を押すとモニターに圧力の度合いが色で示される。左側の枠内が骨と筋肉の間、右側の枠が筋肉と皮膚との間のデータになっている。

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    説明してくれた岡本さん

●ATOUN社の「林業用パワーアシストスーツ」

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のブースでは、ATOUN社が林業用アシストスーツを紹介していた。住友林業などと参加している「林業用アシストスーツ研究開発コンソーシアム」で開発しているものだ。林業は非常に厳しい環境下で作業を行っており、高齢化が進む林業従事者の負担軽減に貢献する。現在17%の負担軽減を実現したが、20%の軽減を目指して早急な開発にチャレンジしている。

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発表年月
発表年月