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『熱との闘い』を制し、プロフェッショナル動画性能をさらに革新~「LUMIX GH5」

2017年7月12日

特集

『熱との闘い』を制し、プロフェッショナル動画性能をさらに革新~「LUMIX GH5」

パナソニックのミラーレス一眼のフラッグシップモデル「LUMIX DC-GH5」。2017年3月発売以降、販売は、ミラーレス一眼として世界初4K動画記録搭載で大ヒットした前モデル、GH4の2倍の勢いをみせている。注目ポイントは、映像制作などプロフェッショナルの現場で使える高性能な4K動画撮影機能、そして、6Kフォト機能。今回、その大きな特長である「動画記録時間無制限(※1)」と「6K PHOTO」を実現した最新技術を動画解説も交えて紹介する。

「動画記録時間無制限」と「超高画質化」に立ちはだかった熱問題

GH5は、「世界初4K/60p動画記録(※2)」と「世界初4:2:2 10bit の4K/30p動画記録(※3)」を達成するとともに、「動画記録時間無制限」を可能とした。
しかし、これらの実現のためにはカメラ本体内の熱が大きな課題となった。GH5の超高画質な動画の情報量は、GH4比で3倍以上。情報量が増えることで消費電力が増加し、カメラ本体内の温度上昇は大きくなる。本体を大きくして放熱することは容易だが、GH4で評価されたサイズ、ホールド性の維持にはこだわりがあった。GH5の開発は、まさに"熱との闘い"となった。

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LUMIX GH5では、4K動画の情報量が大幅に増加する

パナソニックの強みを生かして実現した「省電力化」と「放熱処理」

熱問題への対処方法は2つしかない。(1)熱の発生自体を抑えること(2)発生した熱を効率よく分散させることだ。

(1)熱の発生自体を抑える
画像処理部がデジタルカメラでもっとも消費電力が高いことに着目。そこで、LUMIX独自の画像処理エンジンであるヴィーナスエンジンの「省電力化」に取り組んだ。静止画と動画の解像度、ノイズ、フレームレートの違いを捉えて、新開発のヴィーナスエンジンでは、動画画像処理部を独立して最適化。動画記録時に動作する回路規模を半減させた。

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LUMIX GH5の画像処理部は、静止画と動画で回路が独立している

また、静止画・動画共用回路の電源効率を見直した。従来は静止画記録時に最適になるように設計がされていたため、動画記録時には電源効率が落ち、発熱の原因となっていた。静止画記録時の効率を維持したまま、動画記録時の電源効率を上げるという発想の転換で、部品選定、回線の太さや長さの調整など、地道な改善を積み重ねることで、4K/60p動画記録時の電源効率を10%以上改善することができた。

(2)発生した熱を効率よく分散させる
放熱の取り組みでは、画像処理エンジンの放熱経路を、基板下面にも確保した。従来、基板下面には電源電圧を安定させるためのバイパスコンデンサが配置されているが、新開発ヴィーナスエンジンではコンデンサの配置を調整して放熱シートを貼りつけることで、熱容量を12%改善することに成功した。

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エンジンの「放熱処理」について語るパナソニック株式会社 アプライアンス社 イメージングネットワーク事業部 総括担当の森 勉(もり つとむ)

熱の分散がうまくできていると、カメラ本体表面の温度分布は均等に近づいていく。この「均熱化」を追求し、熱シミュレーションとのわずかな差を埋めるために、実機テストを繰り返して設計に微調整を加えた。この結果、摂氏40度の環境下の連続使用でも、すべてのデバイスが定格温度を超えることなく、カメラの本体表面温度を均等に維持することが可能となった。

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動作中のGH5をサーモグラフィーで見ると、温度上昇しているのはセンサーのみ。本体表面はすべて手で触っても問題ない温度を維持している

このように熱の課題を乗り越えられたのも、カメラとLSIの両方を自社開発・生産しているパナソニックの強みである。GH4の1.35倍と試算されたカメラ本体サイズは、1.13倍に収まった。ボディ内手ブレ補正、ダブルSDカードスロット、HDMI Type A端子、3.2型モニターの採用といった装備の充実による設計の範囲である。

1800万画素30コマ高速連写「6K PHOTO」を実現する技術~H.265/HEVCコーデックを採用~

GH5の静止画においては、独自の高速連写機能「6K PHOTO」を開発。「6K PHOTO」は、6Kサイズ(横6,000×縦3,000前後)の映像が有する画素数(約18メガ)と同程度の有効画素数を有する4:3、3:2の写真用アスペクトの映像から、写真を切り出す高速連写撮影機能で、動画技術と静止画技術の融合で生まれた機能である。
従来の「4K PHOTO」の限界を超える画素数に対応するため、今回、新ヴィーナスエンジンに動画フォーマットH.265/HEVCコーデックを採用した。1,800万画素の高精細写真を、1秒あたり30コマで時間無制限の連写を実現。「6K PHOTO」の画像サイズは、従来の2倍以上の画素数で、A1サイズにまで引き伸ばすことができる。
H.265/HEVC の採用は、4K-HDR規格への対応など、今後の進化も見据えたものだ。

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H.265/HEVCコーデックを採用し、フルハイビジョンの約9倍、「4K PHOTO」の2倍以上の画素数を実現

その他、貴重な一瞬を鮮明に記録できる「6K PHOTO」の鍵を握る技術として、(1)リアルタイムにピントを合わせ続けることができる「新空間認識AF」  (2)強力な手ブレ補正システム「Dual I.S. 2」、について動画で紹介する。

(1)〔動画〕DFD技術を活用したオートフォーカス動体追従性能「新空間認識AF」
ピントの異なる画像から空間を認識し、被写体までの距離を瞬時に計算する「DFDテクノロジー」を進化させ、オートフォーカスの更新スピードをGH4比約6倍に高速化、コントラスト情報の分解能を約8倍に高精細化などを実現。これらに「動きベクトル予測」をかけあわせることで、動く被写体にもリアルタイムでピントを合わせ続けることができる。

オートフォーカスのデモ。距離情報と動き予測をリアルタイムで算出している

(2)〔動画〕強力な手ブレ補正システム「Dual I.S. 2」を実現する技術
GHシリーズとして初めて5軸のボディ内手ブレ補正を導入。2軸のレンズ内手ブレ補正と連動させることでより強力な手ブレ補正能力を実現する「Dual I.S. 2」に対応(※4)。手持ちによるスローシャッター撮影時でも、安定したフレーミングでブレずに撮影できる。リアルタイムでピントを合わせ続けるオートフォーカスと「Dual I.S. 2」は、動画記録時にも働く。

「Dual I.S. 2」のデモ。「Dual I.S. 2」をONにすると、大きく揺れていた映像がピタッと止まる

誕生から15年を超える歴史とともに世界初のイノベーションを実現してきたデジタルカメラLUMIX。「静止画性能と動画性能を両立し、プロユースに耐えうるカメラを高い品格で実現」というGHシリーズコンセプトをもとに、GH5は「LUMIX最高峰の写真画質」と「プロフェッショナル動画性能」を誇っている。

2017年1月に開催されたCES2017(米・ラスベガス)では9つのAwardを受賞、発売後も数々の権威ある賞を受賞した。販売の主要国である欧米でのシェアは大きく伸び、また、日本においても同様、計画以上の販売が続いている。

発売後も進化は続き、2017年夏に予定しているファームアップでは4K HDRに対応する予定だ。

堅調なミラーレス一眼カメラの市場動向を背景に、LUMIXはこれからも「デジタル時代の新たな写真文化の創造」をテーマに、パナソニックのイメージング技術を結集して、写真文化・映像文化の発展に貢献していく。

※1 記録時間はバッテリーとSDカードの容量に依存。周囲温度が40℃を超えるような場合、本機の保護のため、自動で撮影が停止する場合がある。
※2 2017年3月23日発売。ミラーレス一眼として。当社調べ。
※3 2017年3月23日発売。レンズ交換式デジタルカメラとして。
※4 手ブレ補正機能「Dual I.S.2」には対応レンズとレンズのファームアップが必要。

発表年月
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