プレスリリース

2011年3月15日

低電圧動作 かつ 広帯域化でエコに貢献

業界初*、1.7V動作可能なモバイル機器用VHF/UHF対応ローノイズアンプを開発

2011年3月末よりサンプル出荷開始

*:3月15日現在、当社調べ

業界初、1.7V動作可能なモバイル機器用VHF/UHF対応ローノイズアンプを開発

【要旨】

パナソニック株式会社 セミコンダクター社は、業界初*となる1.7Vで動作可能なモバイル機器用VHF/UHF対応のローノイズアンプ[1](以下、LNA)(品番:AN26072A/AN26021A)を開発し、2011年3月末よりサンプル出荷を開始します。今後、様々なモバイル機器・無線アプリケーションの省電力化に貢献するラインナップ商品の拡充を図ります。

【効果】

本製品を使用することにより、日本国内ではワンセグ放送、2012年4月放送開始予定の携帯端末向けマルチメディア放送[2]や北米等でのATSC-M/H放送[3]の多種な放送規格において、電波状態の悪いエリアでも、良好かつ長時間受信可能な機器を実現できます。

【特長】

本製品は以下の特長を有しております。

  1. 電源電圧の低電圧化に対応
    1.7Vから3.0Vまでの幅広い電源電圧仕様に対応(従来は、2.7〜3.0V)。
    セット内の標準電源(1.8V)での動作が可能となり、これにより2.8V用の外付けレギュレータを削減でき、低コスト化に貢献。
  2. VHF/UHF帯の広帯域な周波数範囲(具体的には40〜900MHz)を1チップで対応
    VHF帯からUHF帯までの広帯域な周波数範囲を1チップで対応することで、部品合理化が可能となり、実装基板面積を約40%削減でき、小型化に貢献。
  3. 低消費電力で高性能な特性を実現
    消費電力は、電源電圧の低電圧化により約15%、更にLow-Gainモード時の通過特性の改善で約5%、トータル20%を削減しながら、雑音指数[4] 1.3dBと良好な高周波特性を実現。これにより、長時間受信かつ安定受信が可能。

【内容】

本製品は以下の技術によって実現しました。

  1. 低電圧動作と幅広い電源電圧仕様への対応を可能とした高周波回路技術
  2. 帰還回路を採用し、動作周波数範囲を拡大させる広帯域化技術
  3. 低消費かつ 高性能な特性を実現した、低消費電力化技術

【従来例】

LNAの後段に接続されるOFDM[5]復調LSIでは、採用するプロセスの微細化と共に、電源電圧の低電圧化が進んでいます。これに伴い、セット内の標準電源から2.8V電源が無くなるケースが増えてきました。また、従来のLNAでは、VHF帯とUHF帯の周波数に対応するためには、個別のLNAが必要でした。したがって、マルチメディア放送などに対応するため、低電圧化に対応し、かつVHF帯とUHF帯に対応するLNAが求められていました。

【実用化】

サンプル出荷開始 : 2011年 3月末 サンプル価格 :100円

【照会先】

セミコンダクター社 企画グループ 広報チーム
TEL:075-951-8151
E-mail:semiconpress@ml.jp.panasonic.com

【特長の説明】

  1. 電源電圧の低電圧化に対応
    1.7Vから3.0Vまでの幅広い電源電圧仕様に対応(従来は、2.7〜3.0V)。セット内の標準電源(1.8V)での動作が可能となり、これにより2.8V用の外付けレギュレータを削減でき、低コスト化に貢献。

    従来(当社UHF用LNA)は、電源電圧2.7Vから3.0Vまでが動作範囲でしたが、本LNAは、電源電圧変動の影響を抑えた回路設計を行い、1.7Vから3.0Vまで幅広い電源電圧仕様への対応を実現いたしました。
    これによりセット内の標準電源(1.8V)での動作が可能となり、2.8V用の外付けレギュレータを削減することができます。また、幅広い電源電圧仕様に対応することにより、異なる電源仕様においても同一設計を適用でき、セット設計の合理化が図れます。
  2. VHF/UHF帯の広帯域な周波数範囲(具体的には40〜900MHz)を1チップで対応
    VHF帯からUHF帯までの広帯域な周波数範囲に対応することで、部品合理化が可能となり、実装基板面積を約40%削減し、小型化に貢献

    従来はUHF帯域のみの対応でしたが、本LNAは、パナソニック独自の帰還回路を採用することで、高周波特性を維持しつつ、VHF帯とUHF帯への両周波数帯への対応を実現いたしました。VHF帯とUHF帯に対応することにより、これまでのワンセグ放送だけでなく、2012年4月から放送開始予定のマルチメディア放送や北米のATSC M/H放送など、様々なモバイル機器向け放送規格への対応を1チップで実現できるため、部品合理化が可能となり、セットの小型化、低コスト化に貢献します。
  3. 低消費電力で高性能な特性を実現
    消費電力は、電源電圧の低電圧化により約15%、更にLow-Gainモード時の通過特性の改善で約5%、トータル20%を削減しながら、雑音指数1.3dBと良好な高周波特性を実現。
    これにより長時間受信かつ安定受信が可能。

    低電圧化により、低消費電力化とトレードオフの関係にある高周波特性(雑音特性)は、従来同等の性能を維持したまま、約15%の低消費電力化を実現しました。さらに、低電圧時にLow-Gainモード時の通過ロスを抑えることで、High-Gainモードと比較して消費電力が1/1000以下になるLow-Gainモードの使用電界範囲を拡大することで、約5%の低消費電力化を実現し、トータル20%の消費電力削減が可能になり(Low-Gainモードの使用時間が5%増えると仮定した時の値)、セットの長時間受信、安定受信に貢献します。

【内容の説明】

  1. 低電圧動作と幅広い電源電圧仕様への対応を可能とした高周波回路技術
    当社従来品(UHF用LNA 2.6V動作)比べて、大幅に低い電源電圧(1.7V)からの動作を可能としました。また、LNAの負荷に電源電圧変動の影響を抑えた回路を搭載することにより、電源電圧変動時の負荷インピーダンスを一定に保ち、High-Gainモードの利得変動を低減し、幅広い電源電圧仕様への対応を実現しました。
  2. 帰還回路を採用し、動作周波数範囲を拡大させる広帯域化技術
    LNAの入出力間に帰還回路を搭載し、40MHzから900MHzまでの広い周波数範囲で良好な高周波特性を実現し、使用周波数範囲の拡大を実現しました。
  3. 低消費かつ高性能な特性を実現した、低消費電力化技術
    高周波特性に優れた0.18μmSiGeCプロセス[6]の採用、低電圧動作時にLow-Gainモードの通過ロスを低減させる通過特性改善回路の搭載、および電源電圧の低電圧化への対応で、低消費電力化と良好な高周波特性を両立しました。

【暫定仕様】

品番 AN26072A AN26021A
機能 VHF/UHF帯用LNA
使用周波数範囲 40〜900 MHz
動作電源電圧 1.7 〜 3.0 V
消費電流
(Hi-Gainモード時)
5.5mA(VCC=1.8V時)
消費電流
(Low-Gainモード時)
1.0μA(VCC=1.8V時)
パッケージ SSMINI-5DC 5ピン
(1.6mm×1.6 mm×0.55 mm)
WLCSP 6ピン
(0.56 mm×0.86 mm×0.4 mm)

【用語の説明】

[1] ローノイズアンプ(LNA)
低雑音増幅器のことで、アンテナで受けた微弱な電波を雑音の付加を抑えて増幅し、次段に送り出す役割を担っています。LNAの雑音特性が良いほど、無線機器の受信感度を改善させることができます。
[2] 携帯端末向けマルチメディア放送
2011年7月にアナログのテレビ放送が終了したあとの空き電波を利用して、放送と通信のそれぞれの特徴を融合した新たな放送メディアサービスです。
[3] ATSC-M/H(Advanced Television Systems Committee‐Mobile/Handheld)放送
米国におけるモバイル用デジタルテレビ放送の標準規格のことです。
[4] 雑音指数(Noise Figure)
回路の入力信号のSNR(Signal to Noise Ratio)と出力信号のSNRの関係を示すものであり、回路におけるSNRの劣化量を表します。入力SNR[dB]−出力SNR[dB]で算出され、数値が小さいほど受信感度が良くなります。
[5] OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing : 直交周波数分割多重方式)
無線通信などで用いられるデジタル変調方式の一つで、地上波デジタル放送・無線LANなどの伝送方式に採用されています。
[6] SiGeCプロセス
元素の周期が、共にIV族半導体であるSi(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)とC(炭素)の混晶半導体のことです。Si半導体に比べて高周波特性が良好なため、RF-ICのプロセスとしてよく用いられます。

以上