パナソニック株式会社は、2008年度の環境経営活動の実績をまとめた企業レポート「エコアイディアレポート2009」を6月29日に発行いたしました。
「地球環境との共存」を事業ビジョンに掲げる当社は、環境経営の視点から、2005年より毎年「環境データブック」を発行してきました。本年度は、2008年度のブランド統一後初めての発行であり、また「エコアイディア戦略」の実質初年度の取り組み報告であることから、名称を「エコアイディアレポート」に改めるとともに、巻頭特集ページの新設や冊子全体のボリュームを圧縮するなどより親しみやすい内容とし、商品・モノづくり・ひろげるの「3つのエコアイディア」に沿った構成で、1年間の環境活動をご紹介しています。
【エコアイディアレポートの主な内容】
(1)特集ページ
当社は、2009年4月に東京・有明に「エコアイディアハウス」を開設しました。3年から5年後である201X年に、機器や住宅の省エネ・創エネ・蓄エネの導入によって、家まるごと「CO2±0(ゼロ)」を実現するくらしと、日本古来の知恵である自然の恵みを採り入れた心地よいくらしを提案しています。
当社では、「エナジー事業」を戦略事業の一つに位置づけてグループ横断的に事業拡大を図っていきます。「エコアイディアハウス」で提案した省エネ・創エネ・蓄エネとそれらをつなぐHEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)はそれを具現化する取り組み事例のひとつです。
(2)商品のエコアイディア
当社は、商品の省エネを徹底追及する取り組みとして、省エネ性能No.1商品の開発加速に取り組んでいます。本年度は、目標の150機種を上回る233機種をグローバルで認定しました。また、環境性能の飛躍的な進歩と持続可能な社会実現への新トレンドを作る製品として当社が独自認定している「スーパーグリーンプロダクツ」には、「ブルーレイディスクレコーダーDMR-BW950」(他2機種)を認定しました。待機時消費電力を前年同等機種比で約70%削減し、0.1Wを実現しています。
2008年度の省エネ製品開発で特長的な取り組みとしては、日本以外の市場で省エネ性能No.1商品を大幅に増加させたことです。2009年3月には、欧州市場向けに冷蔵庫、洗濯機の販売を開始しましたが、特に冷蔵庫は、業界トップクラスの省エネ性能である「欧州エネルギーラベル」の最高ランク「A++」を取得しました。
2009年度は、引き続き省エネ性能カタログにおけるNo.1の比率を高めるとともに、省エネ性能の低い機種の徹底削減に取り組んで参ります。
(3)モノづくりのエコアイディア
当社はグローバル生産活動のCO2排出量を、2009年度に2006年度比で総量30万トン削減を目指し取り組みを進めてきました。中間年度の2008年度は、需要縮小による生産減の影響もありましたが、これまで進めてきた製造プロセスの生産性向上の取り組み努力により計画前倒しで目標を達成、CO2排出量を51万トン削減することができました。
特長的な取り組み事例としては、CO2排出量を生産高原単位で46%削減したエナジー社和歌山工場における生産工程の設備改善などがあります。
また当社は、世界各国で最高レベルの環境負荷削減の取り組みを実施した工場を「ダントツクリーンファクトリー」として認定していますが、2008年度はセミコンダクター社砺波工場をはじめとする17工場を認定しました。
(4)ひろげるエコアイディア
従業員のエコ活動を見える化しグローバル展開をより加速することを目的に「パナソニックエコリレー」を展開しました。このエコリレーは、全世界の従業員を対象に環境をテーマとするブランド向上活動を募集した「エコアイディアコンテスト」で最優秀賞となった提案を実現したものです。2008年10月に集中的に全世界でリレーのようにエコ活動を繋げるという思いで、植樹活動、清掃活動、従業員家族による環境教育活動など、39の国や地域、342の事業場で500件を上まわる取り組みを実施しました。
また、一般の方々の環境意識の啓発を目的に、当社が考える理想のエコの街を表現した巨大ジオラマ「エコアイディア ワールド」を中心に据え環境展示会を全国6都市で開催しました。最終開催は、北海道洞爺湖サミットと時期を合わせ、昨年7月に新千歳空港で実施し、大きな反響がありました。
世界各地域では、それぞれの地域が独自に環境の取り組みを行い、エコアイディア宣言など特長ある取り組みを推進しています。2008年度から2009年度にかけての代表的な活動は下記の通りです。
1. 欧州 | : | 2008年4月に欧州エコプロジェクトを開始し、10月には「欧州エコアイディア宣言」を発表。省エネ型の白物家電商品の販売や2009年6月チェコの薄型テレビ工場でエコアイディア工場ピルゼン宣言を実施。 |
2. 中国 | : | 2009年5月、北京にて中国日本友好協会と共同で中国環境フォーラム2009を開催。モノづくりに関する当社の環境技術や省エネノウハウ等を広く公開し、「モデル企業」となることを宣言。 |
3. アジア大洋州: | ||
2009年6月に「アジア大洋州エコアイディア宣言」を発表。アジア大洋州における CO2 排出量削減目標の設定や、今後、アジア3ヵ国にエコアイディア工場を展開することなどを宣言。 |
また、2008年10月には、WWFインターナショナルが推進する「北極圏プロジェクト」をファーストスポンサーとして支援することを発表しました。2007年度の「黄海エコリージョン支援プロジェクト」に続く、生物多様性保全活動となります。