パナソニック コミュニケーションズ株式会社は、UHF帯RFID(注1)の次世代国際標準規格(EPCグローバルのEPC Gen2(注2))に対応した他、その他の通信プロトコルにも対応可能で、国内の電波法令にも準拠したUHF帯RFIDリーダーライターのサンプル出荷を7月28日より開始します。
本品は、UHF帯RFIDの次世代国際標準規格(EPC Gen2(注2))に対応の他、その他の通信プロトコルにも対応可能になっています。本品は、各種プロトコルに対応可能な国内向けUHF帯RFIDリーダーライターであるため、流通や製造分野などからセキュリティ分野まで、本品一台で幅広い対応ができます。
また、本品は、使用環境や状況に応じて無線ICタグの情報読み取りに使用する送信と受信のアンテナの送・受を切り替えられるようにすることで、無線ICタグの読み取り性能が向上したものになっています。さらに、本品は遠隔地からネットワークを経由して電波の出力調整ができるなど、メンテナンス性にも優れたものにしています。
無線ICタグは、国際規格化の進展や国内の法令化がなされたことにより、今後、流通や製造のほかセキュリティ分野など幅広い分野での急速な利用の拡大が期待されています。当社は本品の優位性を訴求していくことで、当社製品と無線ICタグの普及拡大を促進していく予定です。
<主な特長>
- 次世代国際標準規格に対応し、その他の通信プロトコルにも対応可能
- 読み取り性能が向上するアンテナ制御機能を搭載
- ネットワーク経由によるリモートメンテナンス機能搭載
注1.UHF帯RFID: | 300MHz-3000MHzの極超短波であるUHF(Ultra-High Frequency)の周波数を使用したRFIDのこと。 RFID(Radio Frequency Identification)とは、無線ICタグを利用して、ものなどを識別・管理する仕組みのこと。 |
注2. EPC Gen2: | EPCglobal Class1 Generation2の略。これは、2003年秋に国際EAN協会と米国の流通コード機関UCCが共同で設立したRFIDの標準化を進めている団体であるEPCglobalが取りまとめた次世代のUHF帯通信規格で、2006年度に国際標準規格となることが予定されている。 |
【お問い合わせ先】
<報道関係者様> パナソニック コミュニケーションズ(株) デバイスカンパニー 企画グループ 井上 電話092-477-1592 広報グループ 村田、荒田 電話092-477-1800 <お客様> パナソニック コミュニケーションズ(株) デバイスカンパニー 営業グループ 中野 電話092-477-1592 パナソニックCCソリューションズ(株) 事業開発営業グループ 杉原、小林 電話03-3491-9450 【ホームページURL】 http://panasonic.co.jp/pcc/
【開発の背景】
近年、物品に製造番号や品番、生産年月日などの情報を書き込んだ無線ICタグを貼り付け、それをRFIDリーダーライター(読み取り/書き込み装置)で読み取って物品等の管理などを行うことが、世界で急速に拡大しています。このような中、国内では2006年1月に、UHF帯RFID(注1)のリーダーライターの混信防止機能などに関する規定が追加された電波法令の改正が行われ、国際標準規格化も進展するなど、国内でのUHF帯RFIDの利用環境が整いました。このUHF帯RFIDは、交信距離が長いことなどで、各種ビジネス分野での急速な利用拡大の期待とともに、これに対応したリーダーライターなどへの要望が大変強くなってきています。
当社はこのような要望に対応して、国内の電波法令や次世代国際標準規格であるEPCグローバルのEPC Gen2(注2)に対応したほか、その他の通信プロトコルにも対応可能なUHF帯RFIDリーダーライターを開発しました。
当社では、当社工場内でUHF帯RFIDを用いた海外工場への材料出荷管理システムの実証実験に取り組むなど、今後さらに使いやすく信頼性の高い製品作りを目指していく予定です。
【特長】
1. 次世代国際標準規格に対応し、その他の通信プロトコルにも対応可能
本品は、UHF帯RFID(注1)の通信プロトコルとして次世代国際標準規格のEPCグローバルのEPC Gen2(注2)に対応した他、その他の通信プロトコルにも対応可能で、国内の改正電波法令に準拠したUHF帯RFIDリーダーライターです。このため、本品を核とした認識管理システムを構築することで、次世代国際標準規格のEPC Gen2(注2)に準拠した無線ICタグ貼付の物品などの管理ができます。次世代国際標準規格の無線ICタグへの対応により、業界や流通ルートをまたいだ運用が可能になるので、業務効率の大幅な向上が期待できます。
また、本品は次世代国際標準規格の他、本品のファームウェアを書き換えることでセキュリティ用途などで使用されているその他の通信プロトコルにも対応できる、マルチプロトコル対応可能なものにしています。
これにより、次世代国際標準規格のEPC Gen2(注2)準拠の無線ICタグによる幅広い物流管理と、従業員や車両の入出門管理や物の持ち出しといったセキュリティ分野などで使われている通信プロトコルの無線ICタグにも、本品一台で対応ができるため大変便利です。
2. 読み取り性能が向上するアンテナ制御機能を搭載
本品は、より確実に無線ICタグの読み取り・書き込みができるように、本品と接続しているアンテナの「送信」と「受信」の役割を自動的に切り替えて無線ICタグの読み取りを行う、アンテナ制御機能を搭載しています。RFIDの読み取りは、リーダーと接続した一対の送信アンテナ・受信アンテナと無線ICタグとの間で電波を利用した交信によって行います。この時、周囲の環境によっては電波の反射や干渉により、電波の弱い部分が発生します。このような時、無線ICタグに対して電波を放射する送信アンテナの位置と無線ICタグからの電波の反射を受ける受信アンテナの位置を切り替え、電波の弱い部分を減少させて読み取り領域を拡げることで、読み取り精度を向上させています。
3. ネットワーク経由によるリモートメンテナンス機能搭載
本品は、ネットワーク経由により、遠隔地からでも各種設定や新機能の追加などができる、リモートメンテナンス機能を搭載しています。これにより、本品を設置している場所まで行かなくても、ネットワーク経由により遠隔地のパソコンから、電波の送信出力値の変更や、アンテナの送信と受信の機能の切り替えなどができます。
また、本品は、新機能の追加などが必要になった場合でも、本品を設置したまま、ネットワークを介して遠隔地から機能の追加や更新ができます。
これらにより、特に遠隔地の複数拠点にまたがって設置して使用する場合などに、効率よくメンテナンスを行えます。
【UHF帯RFIDリーダーライター サンプルの仕様】
周波数 | 952〜954MHz |
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送信出力(EIRP) | 36dBm(4W) |
アンテナ端子 | 送信:4端子、受信:4端子 |
タグ−リーダー間通信プロトコル | 次世代国際標準規格EPC Gen2(その他の通信プロトコルにも対応可能) |
通信インターフェース | Ethernet(100BASE-TX/10BASE-T)、RS-232準拠 |
外部入出力制御端子 | 入力:4端子、出力:4端子 |
防塵・防水保護等級 | IP53 相当 |
本体寸法 | 高さ約32mm×幅約284mm×奥行約232mm (突起部含まず) |
質量 | 約2200g(本体のみ) |
構成 | リーダーライター本体、送信アンテナ、受信アンテナ、専用ケーブル(5m) |
以上